臨床心理士がわかりやすく解説する日本で開発された心理療法

 

皆さん、こんにちは。

 

本日は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師が、日本で開発された心理療法を皆さんになるべくわかりやすくご紹介したいと思います。

 

心理療法はそのほとんどが海外で作られたものを日本風にアレンジして実際使われているものがほとんどです。しかし、そんな中から今回は、日本人が日本で開発した心理療法をまとめてみました。

日本人が日本で開発しただけあって、その方法が日本の文化によく定着しており、取り組みやすいというものが多かったりします。

 

また、自分で行えるものもご紹介していますので、良ければ実践してみて下さい。それでは、日本で開発された心理療法を4つ皆さんのご紹介していきたいと思います。

 

日本で開発された心理療法4選

 

今回は、日本で開発された代表的な心理療法として、森田療法、内観療法、臨床動作法、壺イメージ療法という4つの心理療法について簡単にご紹介していきたいと思います。

 

今回ご紹介する心理療法以外にも日本で開発された心理療法は実にさまざまありますが、今回ご紹介するのは、どれも日本の文化を良く取り入れたものになっており、私たち日本人に馴染やすいものになっています。

 

今回は、あくまでも簡単な概要のご紹介なので、少し興味を持ってこれらの心理療法を受けてみたいなという方は、それぞれの心理療法で検索してもらい詳しく調べてもらってもいいかもしれません。

 

①森田療法

 

森田療法とは、20世紀初期1919年に、精神科医の森田正馬によって開発された心理療法です。仏教の禅の思想を取り入れていき、「あるがまま」を受け入れていれていくというものです。

主に神経症や不安症の患者を対象に行われた治療方法で、具体的には以下のようなステップで治療を進めて行きます。本来は入院をしながら行っていきますが、現在では、入院をせずに行うものもあります。

 

(a)絶対臥褥:1週間は必要最低限のこと以外は寝て過ごす。

(b)軽作業期:簡単な運動や観察、会話、日記を書くなど比較的負担にならないことをする。

(c)作業期:日常の家事や集団で行うゲーム、スポーツなどレクリエーション的なことをする。

(d)社会生活準備期:学校や仕事へ行くための準備を行う段階です。

 

このようなステップで行うのが森田療法で、「あるがまま」を受け入れたり、回復していく4つのステップというのは、参考になるので、現在もこの森田療法を実践している病院もあるほどです。

 

②内観療法

 

内観療法とは、吉本伊信によって、1940年代に基礎ができて、その後広まっていったのが、内観療法です。これも仏教の思想を取り入れたものになっています。

現在でも非行少年に対して行ったり、依存症や抑うつ、神経症などを対象に行われることがあり、具体的には以下のステップで行います。宿泊をして行う集中内観療法と、通って行う内観療法があります。

 

自身の両親や兄弟、先生など身近な人に対して

(a)してもらったこと

(b)して返したこと

(c)迷惑をかけたこと

という3つを古いものから順番で思い出していくという方法です。

 

これによって、自分や他者への理解や信頼が深まり、自己の存在価値を自覚する事によって社会生活の改善につながるといわれています。

 

③臨床動作法

 

臨床動作法とは、最近、亡くなられた成瀬悟策先生が1960年代後半に開発された身体にアプローチを行う心理療法です。体に負担のない自然な動作の獲得と心理的な成長、リラックスなどが目的としてあげられる方法です。

当初は脳性麻痺の子どもへの身体的アプローチとして行われましたが、現在では自閉症スペクトラム児やスポーツ選手等へも行われるものです。具体的に以下のように行います。

 

(一人で行う)肩上げ

(a)肩をゆっくりと上げていく

(b)力を緩める

(c)その余韻を味わう

 

(二人で行う)肩押し

(a)一方が両肩に力を加える

(b)力を緩める

(c)その余韻を味わう

 

これは実際に皆さんも簡単に実践できるもので、これらの方法で、体が整いリラックス効果もあるものです。これらの方法以外にも実は、様々な動作法があり、それぞれのクライエントさんごとに必要な身体的なアプローチをしていきます。

 

④壺イメージ療法

 

壺イメージ療法とは、田嶌誠一先生によって開発された日本人に馴染深い壺のイメージを元に行う心理療法です。自分の中で少し距離を置きたい気持ちや思いを対象に行っていくというものです。

日本人に即した、壺というイメージを使うというところが接しやすくよかったりします。具体的には以下のように行っていきます。具体的に壺を用いて行ってもよいですし、写真などからイメージを鮮明にしても良い方法と言われています。

 

(a)詳細の壺のイメージを作る

(b)壺の中に自分の距離を置きたい思いを入れるイメージを作る

(c)壺を頭のそっといつでも取り出せる場所に置いておく

 

詳しくやり方の手順を知りたい方は、以下に以前詳しくご紹介したページのURLを張っておきますのでそちらをご覧ください。

壺イメージ療法で感情や思いから距離を取る方法を臨床心理士が解説

 

日本で開発された心理療法のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師が、日本で開発された心理療法を今回は4つご紹介させていただきました。日本人の文化に即した考え方が織り交ぜられたものだったと感じたのではないでしょうか。

 

今回ご紹介していないもの以外にも日本で開発された心理療法はまだあります。それもまた別の機会でご紹介できたらと思います。

 

今回ご紹介した心理療法の中で気になって実際に受けてみたいというものがありましたら、その心理療法をやっているところを検索してもらってもいいですし、当相談室へもご相談下してみて下さい。

 

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