リストカットや搔きむしりなど自傷行為に周りができること|臨床心理士が解説

リストカットなどの自傷行為に周りができること!?

皆さん、こんにちは。

今回は、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、リストカットや大量服薬、皮膚の搔きむしりなどのような自らの身体を傷つける行為である自傷行為に関して、周りの人ができることという題でお話したいと思います。

もしかするとあなたの周りにもいた、もしくは居るかもしれない自傷行為を行ってしまう人に何ができるのか、そもそも自傷行為をなぜするのかというお話をさせていただきたいと思います。

そもそもリストカットなどの自傷行為とは!?

自傷行為とは、自分で自分の身体を気づ付ける行為をさしています。皮膚を切るリストカットがその典型として上げられますが、その他にも皮膚をさしたり、やけどを負わせたり、自分を殴る、壁に頭をぶつけるという自傷行為もあります。

また、中には自傷行為的にピアスの穴をあけたり、薬物やアルコールの多量の摂取によって自分を傷つけることも自傷行為に含める場合もあります。

自傷行為に至るには、強い怒りや不安を自分に向けてしまうために行う場合や、周囲の人との環境よる場合、緊張を和らげる手っ取り早い解決方として行う場合、何か言葉にできないメッセージが隠されている場合など様々あります。

また、周囲の気を引くためにやっているとあまり周囲が問題視しないというのは、実は間違った対応方法と言われています。そして、自殺未遂との区別が難しい場合も多く、死ぬ心配はないはずだと思うのも間違った見方だと言われています。

自傷行為からの回復には、本人の努力はもちろんのことですが、周りの人も対応を見直しながら一緒に関わっていくことが大切であるとされています。

皮膚の掻きむしりなどの自傷行為に至る心のプロセス!?

自傷行為に至る心のプロセスについて、もう少し詳しく見ていきたいと思います。以下のような心のプロセスに自傷行為を起こしてしまう場合があると言われています。

①強い不安や空虚感を忘れるため

強い不安や絶望、怒り、空虚感などのつらい感情が襲ってきて、それをどうにか自分でコントロールするために自傷行為を行い、一時的にでも忘れるための解決策として用いられることがあります。

また、痛みを感じることによって生きている実感や身体感覚を取り戻したいという理由から自傷行為を行う場合もあります。

②周囲の人との環境による

周囲の人と本人との関りが薄かったり、逆に過剰であっても、様々な問題が生じてしまい、自傷行為に至るということも少なくありません。

例えば、両親からの勉強やスポーツへの期待に過度に答えようとしたためであったり、複雑な家庭環境で両親からの愛情を受けずに育ったために自傷行為に至るという事態もあります。

③言葉で表現できないメッセージがある

リストカットなどの自傷行為には、しばしば何か助けを求めるためのメッセージが隠されていることが多いと言われています。

しかし、その行為が与えるショックによって周囲が慌てふためいてしまい、メッセージを聞き取るところまでいかずに、結果として誰も自分のことをわかってくれないと自傷行為を繰り返してしまうことも少なくありません。

これ以外にもその当人ごとに、自傷行為を起こしてしまう、起こすと少しでも楽になるという心のプロセスがあると言われています。

自傷行為に周りの人ができること!?

簡単に自傷行為の特徴に関してお話したところで、そんな自傷行為を発見したら周りの人ができること、するとよいことをお話したいと思います。

①けがの処置を行う

まず始めに周りの人に行って欲しいこととしては、本人のけがの処置や治療を行うということです。けがの手当てをしてながら、非言語的に身体を傷つけてはいけないということを伝えることが大切になります。

傷口を止血して、消毒して、傷口を保護する。この際に大切なのが、周りの人が冷静にいることです。「またやったのか」「どうしてもやるんだ」というような批判や、「どうしましょう」「大変なことになった」というように慌てふためくのではなく、冷静にけがの処置を行いましょう。

もしも、けがの出血がひどい場合には医療機関を受診して治療を行うことも必要かもしれません。そのような際もつとめて冷静に対応した上げることが大切です。

このようにまずは当たり前のことをしっかりとやることが大切です。このような傷の手当てが心の手当ての第一歩へとつながります。

②本人の話に耳を傾ける

自傷行為があると周りが本人に「なんでこんなことをしたんだ」「なぜ自分の身体をきずつけるんだ」と質問攻めにしてしまいがちです。

しかし、いろいろと質問攻めにされたところで本人は答えることができずに、場合によってはより周りとの関係がわるくなってしまうかもしれません。

そして、よくやってしまいがちな「なぜ?」から始まる質問というのは実は相手を傷つけてしまう質問の仕方です。暗にしたことを責める言い方であったりします。

無理に聞き出そうとはせずに、しかし、相手には「何かあったら教えてね」「すぐには難しいかもしれないけど、話せることがあったら話してね」というメッセージを伝えておき、何か相手から言葉があったら静かに耳を傾けるということが大切になってきます。

③ほどよい距離感で注目しすぎない

お互いのために程よい距離を取りながらも、何か必要なことがあったらすぐに手を差し伸べられる距離にいることが大切です。

心配だからと24時間監視しすぎてしまいお互いに息苦しくなってしまったり、逆に距離を取りすぎて見てみぬふりを続けてしまうというのも解決遅らせると言われています。

また、自傷行為をしないから偉い、自傷行為をしたからダメというように、自傷行為にのみとらわれ過ぎた対応ではなく、全般的にその人本人を見ていくことも大切でしょう。

あまりに自傷行為というものに注目しすぎて無理に、自傷行為をやめさせたとしても、別のところで何か問題が出てくるという事態が生じる可能性があります。

④回復はゆっくりと穏やかに焦らない

自傷行為は、周囲の人と本人との関係を改善したり、環境を調整していくことによって徐々に回復していくものです。

本人は、自分の問題に気付いたり、向き合おうとしたり、必要に応じて助けを求める力を付ける必要があるかもしれません。

周りは、本人の力が発揮できるようにサポートしたり、相手を思いやる余裕ができるようにしたり、適切な距離感をできるようにしたりできるようになる必要があるかもしれません。

周囲の対応がスムーズになって、本人との関係が良好になると、専門家との治療も軌道にのっていきます。

⑤早めに専門家に相談する

対応の仕方がわからない時や本人が専門家に相談に行けない時は、周囲の人だけでも専門家に相談しにいくことも大切です。また、本人が行っても良いという場合には一緒に専門家に相談してみるのが良いでしょう。

中には本人に隠れて相談に行く場合もありますが、それは事態を悪化させることもあるので、専門家の援助が必要であることなどを伝えられると良いでしょう。

具体的に相談でいる場所として、自傷行為などの相談の場合は精神科のクリニックや病院等が適切と言えます。それには、自傷行為から自殺などの危険にすぐに対応できるためというのがあります。

しかし、そういったところへの相談がハードルが高いという方は、本人が学生ならスクールカウンセラーや地域の保健所、精神保健福祉センターなどへの相談が良いでしょう。

自傷行為に周りができることのまとめ

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、リストカットやオーバードラックなどの自傷行為に人に周りの人ができることとしてまとめさせていただきました。

今回のまとめが、自傷行為をしているその周りの人へのヒントになれば幸いです。また、別の機会に自傷行為をしている人、本人ができることについてまとめてみたいと思います。

今回のお話に関する質問がありましたら、是非コメントしてみて下さい。また、自傷行為に関するご相談がありましたら、是非当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用下さい。

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