上手いカウンセラーと下手なカウンセラー!?
皆さん、こんにちは。
当然ですが、カウンセラーにも上手いカウンセラーと下手なカウンセラーがいます。カウンセラーの資格には臨床心理士や公認心理師、産業カウンセラー、その他の民間資格(怪しいものも含む)がありますが、どんな資格を持っていても、上手いカウンセラーと下手なカウンセラーがいます。
今回は、そんな上手いカウンセラーと下手なカウンセラーに関してのお話を皆さんにしたいと思います。どうせ受けるのであればうまいカウンセラーにカウンセリングを受けたいものですよね。
カウンセリングを検討されている方や、今カウンセリングを受けているけどちょっとしっくりきていない方にご覧になって頂きたいお話です。
あまり上手くないカウンセラーの特徴とは!?
それでは、あくまで臨床心理士・公認心理師である筆者が思うあまり上手くないかもしれない、注意が必要なカウンセラーに関してお話していきたいと思います。
あまり聞いたことのない民間資格のカウンセラーは注意が必要!?
実は、日本ではカウンセリングを行うカウンセラーというのは誰でもできるものです。それはどういうことかというと、実は先に挙げた臨床心理士や公認心理師、産業カウンセラーという資格がなくても、自分はカウンセラーであると売り出すだけで、カウンセリングをすることができてしまうのです。
例えば、自分でメンタルカウンセリングケア心理士(仮)というような名称を勝手に名乗り、その資格を作って、自分が一番トップであると打ち出すこともできるのです。
ここで注目してもらいたいのは、まったくカウンセリングや心理学の勉強を積んでこない人でもカウンセラーと日本では名乗れてしまうというところにあります。
この実はあまり勉強していない民間資格カウンセラーさんがあふれている点に、クライアントさんから聞くことの多い、酷いカウンセラーに出会ってより傷つけられたと言った話や、傷を広げられたという、下手なカウンセラーに出会ってしまったという話につながってしまう部分の一つであると考えられます。
あまりきいたことのないような資格を持っている人であっても、とてもよく勉強をされている方や、親身に相談に応じてくれる方は当然いらっしゃいます。しかし、あまりうまくない下手なカウンセラーの割合はぐっと高くなると言えるのではないでしょうか。
日本でのカウンセラー国家資格の公認心理師も注意が必要!?
これもあまり知られていませんが、日本でのカウンセラー業務の国家資格として数年前にやっとできたものとして、公認心理師という資格があります。
この公認心理師という資格は、できて間もないこともあり、実は今ちょうど移行期間の時期なのです。どういうことかというと、今まで相談業務に5年間当たっていた人であれば、数日間の講座を受けるだけで、受験可能な資格になっています。
例えば、占い業務を5年間行ってきた占い師、5年間生徒指導を行ってきた教師、5年間市民の相談を交番業務で当たって来た警察官、看護師、医師、福祉士など、5年間どこかで話を聞く仕事を行ってきた人ならば、誰でも受験して取得できる資格なのです。
4日または5日の講座も、講座主催団体の関係者によると、あまり話をちゃんと聞いて居なかったり、居眠りをしながら聞いていたりという参加者が目立つとの声も聴きます。また、一概に学歴を持っている人が良いという訳ではありませんが、中学や高校卒業だけでも取れてしまう資格なのです。
現在の公認心理師という資格を持っているカウンセラーも、このような資格取得の形態上、あまり信頼に足るとは言えないところがあります。先ほどの民間資格のカウンセラーと同様に公認心理師とうたっていても下手なカウンセラーに当たってしまう可能性もあります。
年齢を取ったカウンセラーも実は注意が必要!?
若いカウンセラーよりは年配のカウンセラーの方が一般的には上手いカウンセリングをしてくれる印象にあるかもしれません。
しかし、ここでよく見極めた方が良い点は、その人のカウンセリングの歴に注目して欲しい点です。年配のカウンセラーの中には、カウンセリングを始めた歴が実はあまり長くないという人も多く存在します。
子育てが落ち着いたので、誰かのためになりたいとカウンセラーの資格を取得して第二の人生をという人や、自身が悩みを多く抱えていたのでカウンセラーの資格を取得しましたという人が意外にも多かったりします。
一般的に広く知られている有名なカウンセラーの資格として、臨床心理士という資格があります。この臨床心理士資格取得には大学院まで出る必要があるのですが、実は逆にいうと大学院のみ心理学の分野を出ていればよいのです。
つまり、第二の人生や自身の課題を解決するために大学院に通い直した、ぱっと見のベテランが居たりするのです。見た目はベテランの風格を漂わせていますが、カウンセリング経験はあまりなかったり、自身の経験を強く押してくるあまり上手くないカウンセラーの可能性があるのです。
傾聴と様子見のみのカウンセラーも注意が必要!?
カウンセリングを受けたことのある人であれば、出会ったことのあるかもしれないカウンセラーですが、傾聴と様子見のみをするカウンセラーというのも存在します。
何かクライアントとしては、アドバイスを求めていたり、解決策が欲しくてカウンセリングに行っているにも関わらず、話をうなずきながら聞く傾聴と事態をしばらく見守りましょうという様子見を指示するカウンセラーです。
このようなカウンセラーは実はものすごく多く存在します。なぜこのようなカウンセラーが多いのかというと、何かアドバイスや解決策を言って悪くなってしまい自分の責任を追及されてしまうのを嫌がったり、そもそも勉強不足等でもただ聞くことしかできないということもあったりするのです。
実はこのようなカウンセラーは長くカウンセリングを仕事にしていますという人にも多くいます。長くどこかの機関に所属して、特に成果の問われない仕事をしているとこのような、聞くだけ、現状維持をさせるだけという、決してうまいとは言えないカウンセラーになってしまいます。
アドバイスや指示を押し付けてくるカウンセラーにも注意が必要!?
先程の例とは逆にアドバイスや指示をやたらと押し付けてくるカウンセラーというのもいます。ろくにクライアントの話も聞かないうちから、この症状にはこれをしなさいと言われて、やってみたら悪化するという話も聞くことがあります。
このタイプのカウンセラーも多くは勉強不足であったり、特定のある条件で成功した体験を押し付けていたり、そもそも話を聞けないカウンセラーの可能性が高いと考えられます。
勝手なイメージも含みますが、あまり知られていない民間資格で、○○専門(例、不登校専門など)というようにうたっているカウンセラーはこのような傾向にあるように思えます。
このようなカウンセラーでは、よほどやり方がドはまりすれば別でしょうが、多くの場合は事態を悪化させる方向にいく下手なカウンセラーと言えると思います。
上手いカウンセラーの特徴とは!?
ここまで注意が必要なカウンセラーについて見ていきましたが、上手いカウンセラーとはどのようなものかを簡単にまとめていきたいと思います。
これはあくまでも筆者が思う上手いカウンセラーの特徴としては、以下の流れを欠くことなく行っているカウンセラーであると思います。
①悩みや困りごとをそのまま聞く
②共感とねぎらいをして相手の感情を拾う
③ニーズを確認する
④試みてきたことを確認する
⑤話の要約をする
⑥ゴールについて確認する
⑦求められれば提案やアドバイスをする
詳しいこれらの流れや聞き方については、別の記事でまとめているのでそちらをご確認いただければと思います。
このような流れで話を聞けるという特徴をもった上で、何かその人の武器として、認知行動療法や精神分析的心理療法、来談者中心療法、ブリーフセラピー、家族療法などの方法を持っているカウンセラーが、上手いカウンセラーと言えるのではないでしょうか。
なぜこのように言えるかというと、自身の行っている心理療法に自信を持っている人ほど、治療効果が高いという研究結果があるからです。
上手いカウンセラーと下手なカウンセラーのまとめ
今回は、心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、注意が必要なカウンセラーの特徴として、以下のような特徴を上げさせていただきました。
・あまり聞いたことのない民間資格のカウンセラーは注意が必要
・日本でのカウンセラー国家資格の公認心理師も注意が必要
・年齢を取ったカウンセラーも実は注意が必要
・傾聴と様子見のみのカウンセラーも注意が必要
・アドバイスや指示を押し付けてくるカウンセラーにも注意が必要
これらはあくまでも私見なので必ずしも当てはまらないこともあるかと思いますが、皆さんがカウンセラーを探しの際に少しでも参考にして頂ければと思います。
いろいろお話させてもらいましたが、万人に合う上手いカウンセラーというのは存在しません。ある人にはうまいカウンセラーだったが、別の人には違ったという事態は往々にして存在します。一番は、何人か会ってみてこの人だと思えるカウンセラーに継続して相談してみることだと思います。
今回の記事に関して何かご質問や疑問点があれば、コメント欄をご利用下さい。また、今回の話を聞いて当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用したいという方は是非、お申し付けください。