臨床心理士が日本一わかりやすく解説するチック症!?

 

皆さん、こんにちは。

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、自分の意思とは関係なく音を出してしまう音声チックや、身体のどこか一部が勝手に動いてしまう運動性チックについて、ご紹介したいと思います。

 

お子さんのチックがあるんだけど大丈夫なのか心配という方や、自分自身にチックがあってどうしたらと考えている人に読んでもらいたい記事になっています。

 

そもそもチック症って何!?

 

まず始めにチック症というのがどのようなものなのかを見ていきたいと思います。チック症とは、本人の意思とは関係なく急に運動や発声が繰り返し起こるものです。チックは大きく音声性チックと運動性チックに分けることができます。

 

①音声性チック

 

音声性チックとは、ノドを鳴らすようなものや、「あぁ」「んん」など音声を伴うものが自分の意思とは関係なく起こってしまうものです。

これ以外にも自分では言いたくない暴言や性的な言葉を言ってしまうというものもあります。咳払いや、音声を伴うものが自分の意思とは関係なく起こってしまうのが音声チックです。

 

②運動性チック

 

運動性チックとは、普段とは違う瞬きや顔をしかめたり、首を振ったりなど、主に顔や、首、手足などで見られる自分の意思とは関係なく起こってしまう運動のことです。

筋肉の早い収縮によって何なら本人の意思によらない運動をしてしまうのが運動性チックです。

 

チックになる原因とは!?

 

次にチックになる原因についてみていきたいと思います。チックの原因に関しては、実ははっきりしたことはわかっていません

以前は、心理的なストレスによるものが大きいとされていましたが、遺伝要因や脳機能によるものとの説もあったりします。

 

また、チックの症状は睡眠時には見られずに、男の子に多い傾向にあります。チックはその症状によって以下のように分けられています。

 

①一過性チック症

 

一過性チック症は、18歳以下で見られて、チック症状が4週間以上1年未満に渡って見られるものです。

 

②慢性チック症

 

慢性チック症は、運動性チックあるいは音声性チック症状が1年以上に渡って見られるものです。

 

③トゥレット症候群

 

トゥレット症候群とは、複数の運動性チックと音声性チック症状が1年以上に渡って見られるものです。チックはこのような症状から診断を受けていきます。

 

チック症状の実際のケース

 

それではこんなチックについて、実際はどのように始まってどのように終わるのか、一過性チック障害の人を例にみていきたいと思います。

6歳の男の子のAくん。今年から小学校に入学したAくん。幼稚園の頃から初めての場所や人が苦手でした。小学校に入った当初から新しい環境になかなか慣れずに緊張した生活を送っていました。ある時、担任の先生に忘れ物を注意されました。その後くらいから家では、瞬きを頻繁にする運動性チックと、話す時に「ゔぅ」「ん」と詰まる音が時折出る音声チックが見られるようになりました。始めはあまり気にしていなかった母親ですが、症状が1ヶ月ほど続き、音声チックは学校でも気になるようになったとのことを担任の先生から聞いて心配した母親は、スクールカウンセラーの先生に相談をすることになった。そこで、家庭ではあまりをかけないでゆっくりすることを母親と話し、学校でも担任の先生とも本当への関わり方を検討するなど、環境調整を行い様子を見ることになった。しばらく様子を見ると次第に症状は見えなくなっていきました。

 

このような症状の経過が見られるのが、一過性のチックです。これはあくまでも一つの例として、過去に相談のあったものに手を加えてお話していますが、多くの一過性チックはこのような経過をたどることが多いかもしれません。

 

チック症への対応の仕方!?

 

それでは最後にチック症への対応の仕方について見ていきたいと思います。

 

①環境調整

 

まず一番最初に行われることとしては、環境調整をして、本人が安心できたり、ストレスがあまりかからない状況を作れるといいでしょう。

 

具体的には、先の例でもあげさせていただいたように、家庭でゆっくり休ませてあげることや、十分に本人が楽しいと感じる活動をさせてあげることが大切です。

 

次に学校や職場などで、過度にストレスがかからないように対応したり、本人が嫌だと感じていることを取り除けるといいかもしれません。

そして、一番大切なのが、環境は調整しつつあまり周りも気にし過ぎないことです。

 

癖とかチックは気にし始めるとそこに焦点が当たってしまって、より気になったりするものです。

 

②プレイセラピー

 

チック症が出るのは多くはまだ子どもの場合も多くあります。言語が十分に発達していない子どもの場合は、何か辛いことや大変なことがあってもなかなかそれを話してスッキリというのは難しかったりします。

 

そのために子どもに対して行われるセラピーとして、プレイセラピーというものがあります。

具体的には、安心安全な場所において、子どもとカウンセラーが一対一で、遊びを通して気持ちのもやもやを表現していきます。

 

チック症がこのプレイセラピーで遊びを通して自分のもやもやを表現した結果、良くなったというのはよく見られるものです。

 

③認知行動療法

 

認知行動療法での、チック症が出てしまう程の本人の捉えを変えて、適切な行動を会得していくという方法です。

先の例で言うと先生に怒られて、どんな時も先生が怖くなり過ぎてしまったという認知を、先生は忘れ物をしたから怒ったのであって、常に怖いわけではないという正しい認知に変えていったりします。

 

また、チック症に対する行動療法によるアプローチとして、ハビット・リバーサルと呼ばれる、チック症状と両立できないような動きをあえてしてもらうという方法もあります。

 

チック症の症状・原因・治療法のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、音声や運動として現れるチック症というものについて解説させて頂きました。

 

今回の記事から、チックに困っている方や、子どもでチックに困っている方の何かヒントになれたなら幸いです。一過性チック症は、実は子どもの場合だと10人に1人程度見られるものだと言われていたりするものです。

 

基本的には、周りは負荷をかけないなど環境を整えた上で、あまり気にせずに過ごせるといいでしょう。それが一番のよい方法だったりします。

 

しかし、なかなか治らないチック症や気になるチックに悩まされている方は、是非当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用下さい。以下のお申込みページへお進み下さい。

 

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