睡眠トラブル解決のヒントを臨床心理士が解説する
皆さん、こんにちは。
今回は、埼玉県でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、なかなか眠れなくなってしまったり、眠りが浅くなってしまったり、早く起きてしまったりという睡眠トラブルについて解説したいと思います。
そんな睡眠のトラブル、実は悪化すると睡眠障害という心の病になる可能性もあると言われています。些細な睡眠トラブルから睡眠障害の解決のヒントについて、臨床心理士・公認心理師である筆者がわかりやすく解説したいと思います。
そもそも睡眠トラブルとは!?
まずは睡眠トラブルから睡眠障害という心の病についてどのような状態なのか見ていきたいと思います。
睡眠障害とは、いわゆる眠れないや眠りが浅いという不眠症の状態や、早く目覚めてしまったり、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態、昼間眠くて仕方ない状態などを言います。
誰しもなかなか眠れなくなってしまったり、眠りが浅かったり、昼間眠くて仕方ないという状態を経験したことがあるかもしれません。
睡眠トラブルは、生活習慣の変化や心身的な病気、ストレス、人間関係など様々な要因によって引き起こされると言われています。
厚生労働省の調査では、一般成人の21%が不眠に悩んでおり、15%が日中の眠気を感じていると言われており、成人の5人に1人はトラブルを抱えているのです。
睡眠トラブルのサイン!?
睡眠トラブル、睡眠障害のサインや症状は以下の点で現れると言われています。
①不眠
・寝つきの悪さがある
・途中で起きてしまい再び寝れないことがある
・朝早く起きてしまうことがある
・熟睡できないことがある
②過眠
・日中眠くて仕方がないことがある
・朝なかなか起きれないことがある
・居眠りをして注意されることがある
③睡眠中の異常
・寝ぼけた行動を取ってしまうことがある
・寝言を頻繁に言うことがある
・寝ている最中に大声を上げたり、叫んだりする
④無呼吸・いびき
・睡眠中に呼吸が止まっていることがある
・睡眠中にいびきがうるさいことがある
このような症状が見られる人は、睡眠障害の可能性があると考えられます。このような症状があるか、自分や周りの人から状態を把握することが大切です。把握した上で、以下に紹介する睡眠のためのヒントを実践したり、専門家のへの相談が大切でしょう。
よりよい睡眠のためのヒント
睡眠障害まではいかなくとも、睡眠トラブルを抱えている人は数多くいます。そんな睡眠トラブルを解決するためにヒントをご紹介したいと思います。
①睡眠時間にとらわれない
人それぞれ必要な睡眠時間というのはあります。しかし、必ずしもそれにとらわれすぎる必要はありません。横になって体を休めるだけでも疲れを取ることができます。
②寝る前の刺激物は避ける
寝る4時間程度前にカフェインを取らないようにしたり、寝る前にスマホなどのブルーライトを見ないようにする。
③リラックス法を実施する
音楽を聴いたり、入浴をしたり、呼吸法をしたりなどリラックスできる行動を実施することで、眠りやすいようにする。
④同じ時刻に寝起きする
寝る時間はすぐに変化してしまいがちです。一定して同じ時間に寝て、起きるということでリズムを崩さずに眠りやすくすることができます。
⑤起床時に太陽の日を浴びる
起床する時に太陽の日の光を浴びることによって、体内時計のスイッチを切り替えることができるのです。
⑥昼寝の時間は30分程度にする
昼寝をしすぎるとどうしても生活のリズムがずれてしまいます。そのため、日中眠くなってしまっても30分程度にすると良いでしょう。
⑦規則的な運動をする
身体が疲れていないとどうしても寝つきは悪くなるものです。規則的な運動をすることによって、寝つきやすくなるかもしれません。
⑧お酒の飲みすぎは気をつける
お酒を飲みすぎるとどうしても眠りが浅くなってしまいます。眠りにつこうとしてのお酒は逆効果です。
⑨専門家への相談
自分ではなかなか解決しなそうな睡眠トラブルは速めに専門医や専門家への相談が有効かもしれません。必要に応じて睡眠薬の処方などを受けると良いでしょう。
睡眠障害のカウンセリングによる治療の実際!?
カウンセリングによる睡眠障害への治療の例を皆さんにご紹介したいと思います。
不眠に悩む20代の女性のAさん。頑張るものの、毎日なかなか眠りに就くことができないため、カウンセリングを受けてみようと、相談機関を訪れました。
話を十分に聞いたうえで、カウンセラーはこんな提案をしました。「毎日、いつ自分は眠るのか正確な時間を見るために、寝る時間を時計を見て記録してみて下さい。」と言いました。
Aさんは言われた通りに寝床に時計を置いて、自分は何時に寝るのかという記録を取り始めました。しかし、時計とにらめっこをしているといつのまにか寝てしまい正確な時間を記録することができませんでした。
次のカウンセリングで、カウンセラーに「記録をしようと頑張ったが寝てしまって正確な時間がはかれませんでした。」と言いました。するとカウンセラーは、「それはよかったですね。無事に寝れることができましたね。」と言いカウンセリングは終了しました。
実際にはもう少し長い期間がかかっている話ですが、それを省略して書いている例です。この話は、寝るということに集中していたところから離れて、時計に集中したことによって眠れるようになったという話です。
このようにカウンセリングによって、睡眠障害が快方に向かうということもあります。今回は、寝るという努力をしてしまうというシステムを寝るのを記録するというシステムに変えることによって眠りやすくするというシステム論という心理療法によるものです。
睡眠トラブル解決のためのまとめ
今回は、埼玉県さいたま市緑区東浦和でほんだカウンセリングオフィスを営む、心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、睡眠トラブルを解決するための方法を皆さんにご紹介いたしました。
睡眠障害を始めとした睡眠トラブルは、ちょっとした人間関係のトラブルや仕事からのストレスなど、何かのちょっとしてきっかけで乱れてしまいがちです。
睡眠は私たちの生活にはなくてはならないものです。それゆえに眠ろうとする気持ちが先行しすぎて、眠れなくなってしまうことが良く起きてしまいます。
睡眠から距離を置いてみることやちょっとした生活習慣の見直しで結果として眠りやすくなるということもよくあります。
しかし、それでもやはり一人の力や工夫では睡眠障害が思うように解決しないという場合は、必要に応じて専門家への相談やお薬の力を借りるのも有効かもしれません。また、当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご希望の方は、以下よりお申込みください。