もしかすると不登校や引きこもりと関係するかもしれない病気!?

 

皆さん、こんにちは。今回は、もしかすると不登校や引きこもりと関係するかもしれない病気について、皆さんにお話できたらと思います。

 

実は学校へ行けない理由や仕事に行けない理由はもしかするとこれからご紹介する病気があったりするかもしれません。

 

人は何か原因が仮にでもあるとちょっと落ち着いたりするものです。なんで学校へ行けなくなっちゃったんだ、なんで仕事に行かずに引きこもってしまったんだ、と原因がわからないとより嘆きたくなってしまいます。

 

しかし、今回ご紹介するような原因があるかもしれないと思うだけで、少しだけ気持ちが軽くなるかもしれませんので、良ければお読み下さい。

 

不登校や引きこもりの原因とは!?

 

まず始めに不登校や引きこもりになってしまう原因がどのようなものなのかというのを見ていきたいと思います。

不登校の原因に関する文部科学省の調査では、学校での人間関係のつまずき、勉強でのつまずき、生活リズムの乱れ、家庭での人間関係の問題、何らかの病気など、様々なきっかけによって不登校になっていると言われています

 

また、引きこもりの原因に関する内閣府の調査では、職場になじめなかった、何らかの病気による、成績の低下や就労の失敗、失恋やいじめなどの挫折体験によるものなど、様々なきっかけによって引きこもりになっていると言われています

 

不登校や引きこもりのどちらにおいても何らかの病気が原因で起こることがあるものです。そこで、今回はどのような病気によってこのような不登校や引きこもりが起こるのかというのを次から見ていきたいと思います。

 

不登校や引きこもりと関係するかもしれない病気!?

 

それでは早速、不登校や引きこもりに関係するかもしれない病気についてみていきたいと思います。

 

①起立性調節性障害

起立性調節性障害とは、朝起きる時にめまいや失神、動悸などが起きる自律神経の病気のことを言います。小学生の高学年から中学生、高校生くらいの思春期の年齢に多くみられ、朝なかなか起きられないということから、学校への行きにくさに繋がり、不登校になるケースも多いと言われています。

 

ある調査では不登校の子の実に3分の2はこのような起立性調節性障害に悩まされていると言われています。通常、人は朝目覚めると自律神経のうち交感神経が活性化して、心拍数が増して、血圧を上げたりしていきます。

 

しかし、起立性調節性障害の人は、この部分がうまくいかないために、起きれないという現象が起きてしまうのです。午前中に起きれないという現象が現れ、午後には解放に向かっていくため、実際はこのような病気が原因でなっているにも関わらずに、怠けではと周りも本人も思ってしまうことも少なくありません。

 

起立性調節障害の場合、特効薬のようなものはありません。自分の体調に合わせて学校の行き方や働き方を調整したり、負担の少ないような朝の起き方を検討するなどが必要です。

 

②過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、検査を行っても炎症や潰瘍といった器質的な異常が見られないにも関わらず、下痢や便秘、腹痛などの症状が持続する症状のことを言います。

 

突然起こる腹痛や下痢による不快感から生活の質が低下してしまい、学校や仕事に支障が出た結果、不登校や引きこもりに至ってしまう場合もあります。

 

過敏性腸症候群の原因としては今だにわかっておらず、生活習慣の乱れや精神的なストレスなど様々な要因が組み合わさって起こると言われています。学校や仕事へのストレスがお腹の痛さや下痢という形で現れてしまっているという場合もあります。

 

過敏性腸症候群は、生活習慣の乱れや精神的なストレスによって引き起こされることが多いため、その部分を整えていくことと、整腸薬などの薬の力を使うことに症状の解決を目指していきます。

 

③発達障害

発達障害とは、主に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)が含まれるものでそれぞれ以下の特徴があります。

 

自閉症スペクトラム障害とは、人との関りや言葉のキャッチボールが一方的であったり、興味や活動が偏ってしまうという人達のことです。このような特徴から、視線が合いにくかったり、空気の読めない発言が多かったり、感覚の敏感さがあったり、過去のイライラを忘れられないという特徴があったりします。

 

注意欠如多動性障害とは、不注意と多動性と衝動性が見られる人達のことです。得意な分野ではすごい集中力を発揮したり、独自の視点や豊かな発見をすることもあったりします。このような特徴から、期限を守れなかったり、忘れ物が多かったり、そわそわとしてしまったり、イライラとしたりするということがあったりします。

 

学習障害とは、読むことや書くこと、計算することなど学習に関わる部分への障害のことです。読むことが苦手な障害を読字障害と言い、上手に文章を読めなかったり、順番を飛ばしてしまうということが起きます。書くことが苦手な障害は書字障害と言い、板書を取れなかったり、ひらがなや漢字を書けないということが起きます。計算が苦手な障害は算数障害と言い、文字通り計算など算数に関連することができないということが起きます。

自閉症スペクトラム障害の人との関りや言葉のキャッチボールの苦手さから、人間関係がうまく行かずに不登校や引きこもりなってしまう場合や、注意欠如多動障害の忘れ物が多くイライラしやすいという特徴から、社会生活に上手になじめずに不登校や引きこもりになってしまうという場合もあります。また、学習障害の読めなかったり、書けなかったり、算数ができなかったりする特徴から不登校になってしまうという場合もあります。
実は不登校や引きこもりのベースの生きにくさにこれらの発達障害が隠れていたということがわかることも多くあります。もしも分かった場合には、適切な環境調整が必要になって来ることです。また、適切な環境調整や必要に応じた服薬で過ごしにくさも軽減する場合も多くあります。

 

④HSP/HSC

HSP/HSC(繊細な人)は、アメリカの心理学者のエレイン・アーロン博士が提唱した概念がベースになっています。先程からHSPと言っているのは、Highly Sensitive Person の略です。HSCとは、Highly Sensitive Child の略です。HSPは繊細な人、HSCは繊細な子といった訳になります。

 

HSP・HSCとは、周りの人が気付かない小さな変化を感じ取ってしまう人のことで、生まれつき繊細な人は、5人に1人の割合で存在すると言われている人達のことです。この繊細さは性格上の特性ではんく、生まれつき持っている特徴と言われています。

 

また、HSPの特徴として、人間関係に敏感だったり、匂いや音、味に敏感だったり、短時間でやることがあると混乱してしまったり、必要以上にミスや忘れ物をしないようにしたり、敏感ゆえにイライラしやすいということがあったりします。

 

このようなHSP/HSCの特徴によって、周りを必要以上に気にしてしまい結果として生きにくさを感じて不登校や引きこもり至る場合もあります。HSP/HSCの場合も必要に応じて環境を整えてあげることが大切でしょう。

 

不登校や引きこもりと関係するかもしれない病気のまとめ

 

今回は、心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、不登校や引きこもりと関係するかもしれない病気として、①起立性調節障害、②過敏性腸症候群、③発達障害、④HSP/HSCの4つを今回はご紹介いたしました。

 

今回ご紹介した病気以外にも、例えばパニック障害や社交不安障害、統合失調症など別の病気によって、不登校や引きこもりに陥ってしまうこともあります。しかし、今回ご紹介したものは、症状が分かりにくく、その人のパーソナリティのために不登校や引きこもりになったと思われてしまうことの多いものとして上げさせて頂きました。

 

今回のまとめがあなたやあなたの周りにいる不登校や引きこもりにで苦しんでいる人の助けになれば幸いです。今回の記事に感ずる質問や感想はコメント欄までお願いします。また、不登校や引きこもりについて専門家に相談したいという方は、当相談室のカウンセリングをご利用下さい。

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