あなたのトラウマが少し楽になるかもしれない筆記開示法!?

 

皆さん、こんにちは。

 

皆さんは何か抱えているトラウマがあるでしょうか?大切な人や動物との別れや、事故や事件の経験、両親の離婚、人間関係の破綻など、もしかすると様々なトラウマがあるかもしれません。

 

今回は、そんなトラウマを少しだけ楽にできるかもしれない、筆記開示法という方法を皆さんにご紹介したいと思います。

 

そもそも一般的なトラウマとは!?

 

まず始めに日常語にもなりつつある、トラウマについてどのようなものかを皆さんにお話したいと思います。トラウマとは、精神医学上では、外傷後ストレス障害(PTSD)と呼び、本人または他者の生命を脅かす危険な性質をもち、その出来事の最中や直後に強い恐怖感、無力感、戦慄を与える出来事と定義されるものです。

しかし、一般語として私達が日常語で使うトラウマは少し違うように思えます。実際のトラウマの定義よりもやや広く、何か嫌な体験、後味の悪かった体験などと言ったところでしょうか。

 

アメリカの大学生を対象にしたトラウマに関しての調査では、1位が家族や友人の死、2位が両親の離婚や別居、3位が同性や異性の人間関係の破綻とされており、本来のトラウマが死ぬほどの体験に対して使われるものですが、一般語としてのトラウマのイメージや使用としては、このような調査の結果が示されました。

 

そこで、今回のこの記事でのトラウマも広義のトラウマである「経験当時と同じ恐怖や不快感を当該個人にもたらし続ける出来事。出来事の性質は、必ずしも生命を脅かす危険なものではない。」として、お話を進めていきたいと思います。

 

トラウマを自分で筆記する!?

 

先に定義したようなトラウマに関する情動や思考は、筆記によって開示することによって心身の健康を増加させると言われています。

今回は、そんなトラウマの筆記方法の中から、Pennebakerによって1986年に創始した筆記開示法というものをお話したいと思います。

 

具体的な手続きの前に、自分が感じるトラウマに関して筆記開示法を行うとどのようなことが起きるのかを見ていきたいと思います。

 

今回ご紹介する筆記開示法を行うことによって以下のような効果があると言われています。Frattarolli(2006)の研究によると、心理的健康、身体的健康、全般的機能について、有効性が見られると言われています。

 

具体的には、ネガティブな気持ちが小さくなり、喘息や関節リウマチなど呼吸機能や症状が改善したり、集中や記憶を維持するワーキングメモリーの容量が回復したり、と言った効果があると示されています。

 

このように、今回ご紹介するトラウマについて感情や思考を筆記する筆記開示法は、様々な治療的な効果があるものであるとされています。

 

トラウマが少し楽になるかもしれない筆記開示法の実践!?

 

それでは、このように様々な効果がある、筆記開示法について具体的なやり方をご紹介していきたいと思います。Pennebaker(1997)では、以下のような教示を元にやってもらっています。実際の手続きは、1日15分間、4日連続で行ってもらうという方法です。

「あなたの人生でもっとも精神的に動揺したトラウマティックな経験について書き続けていただきたいと思います。文法や綴り、あるいは文章構成は気にしないでください。筆記している間、その経験に関する心の奥底にある考えや感謝を論じてください。あなたが書きたいと思うことはどんなことでも書いてください。どんなことを書いてもかまいませんが、ただし、それはあなたにきわめて影響を与えたことでなければなりません。理想的には、これまで誰かに詳しく話していない事柄が望ましいです。しかしながら重要なことは、あなたが積極的に心のもっとも奥底にある感情や考えに触れることです。何が起こったのか、その出来事についてどのように感じているのかを書くのです。また、筆記にあたっては、毎回違うトラウマについても、毎回同じトラウマについて書いても構いません。毎回筆記するトラウマを選ぶのはあなたです。」

 

このような教示を聞いてから実際に書いていくというものです。皆さんももしも実践してみたいなという方は、ノートを用意して、ノートに書いてみたり、スマホのメモ機能などを使って書いてみたりして実践してみるといいでしょう。

 

教示にもありますが、無理に嫌な過去を思い出さないことは大切で、ちょっと引っかかっているなということや、そういえばあれはトラウマまではいかなかったけど嫌な経験をしたなというようなことを書いてみることから始めてみるのがおススメです。

 

それを書いてみてあなたに合っていてなんだか良さそうだなという感じがあれば、もう少し引っかかっていることやトラウマチックなことを書いてみるというのがいいでしょう。

 

専門家の居ない場所で一人で、自分の根幹に関わるようなトラウマ体験をいきなり書いてしまうというのは、もしかすると引っ込みが付かなかったり、その時感じた悲しみが出すぎてしまったり、危険な場合もあります。

 

そのため、この筆記開示法を実践する場合は、あまりレベルの高くないようなトラウマ体験からやってみるといいでしょう。

 

トラウマが軽くなるかもしれない筆記開示法!?

 

今回は、心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、一人でもトラウマ体験が少しだけ軽くなるかもしれない方法として、筆記開示法というものをご紹介させて頂きました。

 

一日のうちで少し時間がある時に今回の方法を実際にやってみて、あなたのトラウマ体験を少しだけ軽くしてみてはどうでしょうか。また、今回の方法はトラウマ体験だけでなく、ちょっと嫌だったことやなんだか引っかかっているようなことでも行える方法です。

 

途中でも話しましたが、まずはちょっと嫌だったことやなんだか引っかかっているようなことから始めてみてやってみるのがいいでしょう。

 

また、今回の方法を自分の根幹に関わるようなトラウマ体験に対してやってみたいという方は、なるべくであれば専門家の元で行うことをおススメしています。

 

当相談室でも、心の専門家である臨床心理士や公認心理師の有資格者の元で筆記開示法を行うことができますので、ご希望がある方はご連絡下さい。

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