アドラー心理学が8回でわかる~第3回「ライフ・タスク」~

 

皆さん、こんにちは。

 

今回から連続8回で嫌われる勇気という本が発行されて以降話題になっている、アドラー心理学において中心的な考え方を一つずつ取り上げて、皆さんにご紹介したいと思います。

 

第3回目の今回は「ライフ・タスク」というタイトルで、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、皆さんにお話していきたいと思います。

 

アドラー心理学について学ぶ!?

 

まず簡単に皆さんにアドラー心理学がどのようなものであるのかというを、お話していきたいと思います。

 

アドラー心理学(個人心理学)とは、心理学者のA.アドラーによって作られた心理学の様々な技法の総称です。

アドラーは人間の人格を意識や無意識に分けずに(全体論)何かその人なりの目的に向かって進んでいる(目的論)その人が正しい目標に向かって歩んでいく勇気づけを主眼におく勇気の心理学と言われています。

 

あらゆる対人関係の解消や自分を変えて一歩踏み出すヒントを授けてくれる(使用の心理学)のがアドラー心理学の大きな特徴として挙げられます。

 

そんな生活にヒントを与えてくれる使用の心理学であり様々あるアドラー心理学のうち、今回はライフ・タスク(人生の課題)についてお話していきたいと思います。

 

ライフ・タスク(人生の課題)とは!?

 

アドラーは、人は誰しも3つのライフタスク(人生の課題)に直面すると述べています。3つのタスクとは、「仕事」「交友」「愛」のタスクです。

「仕事」とは、学業や就職、キャリアなど、社会における課題のことです。「交友」とは、友人や地域でのつながり、趣味などのつながりなどを指します。「愛」とは、恋愛や結婚から子供育てへとつながっていく家族の生活など親密な関係のことです。

 

「仕事」→「交友」→「愛」のタスクの順番で親密な関係になっていくために、そのタスクの難易度も上がっていくと言われています。ただ、一番容易だとされる「仕事」のタスクも大きな悩みになったり、達成するのが難しい課題ではあります。

また、人によってライフ・タスクへの取り組み度合いは異なると言われています。「仕事」のライフ・タスクに重きをおいている人もいれば、「交友」のライフ・タスクに重きを置いて趣味の友達とのかかわりを大事にしている人もいます。また、夫婦や家族での時間を大切にしている「愛」のライフ・タスクに重きを置いている人も当然います。

 

時に人は、あるライフ・タスクのみに重きを置いた結果、他のライフ・タスクを大切にしないということも少なくありません。

 

例えば、「仕事」のライフ・タスクに重きを置きすぎるあまり、友人関係や家族関係が崩れてしまったり、「交友」のライフ・タスクに重きを置きすぎるあまり、仕事や家族関係がおろそかになったり、「愛」のライフ・タスクに重きを置きすぎるあまり、仕事や友人関係がなくなってしまうということも生じてきます。

その人が、どのライフ・タスクを重視して、どのライフ・タスクに取り組んでいるか、だのように対処しているかで、その人らしさが現れると言われています。「仕事」に生きる人や「交友」に生きる人、「愛」に生きる人など、その人らしさがライフ・タスクを見るとわかったりしますよね。

 

アドラー以後の現代では、今の3つのライフ・タスクに加えて、自分と向き合うセルフ・タスク、宗教に関わるスピリチュアル・タスクを加えた5つのライフ・タスク分けられるといわれています。

 

この3つもしくは5つのライフ・タスクは、私たちが幸せな生活を送るためには、どれも取り組まなくてはいけないもので、ライフ・タスク同士は関わりあっているためにどれか一つのみを完璧にこなすことはできないと言われています。

 

ライフ・タスクへ取り組む姿勢

 

アドラーはライフ・タスクに取り組む姿勢や態度を2つに大別できるとしています。それは人生の「有益な側面」に向かう場合と「無益な側面」に向かう場合のことです。

 

有益な側面

人生の有益な側面とは、アドラー心理学でいうところの適切な行動、勇気のある行動、高い共同体感覚、挑戦する力などのことです。積極的対処、能動的、主体的な態度のことを指した側面のことです。

 

無益な側面

人生の無益な側面とは、不適切な行動、勇気のくじく行動、低い共同体感覚、劣等感や優越感のとらわれなどのことです。消極的対処、受動的な態度のことを指した側面のことです。

 

アドラー心理学では、その人がライフ・タスクに直面していくときに、無益な側面ではなく有益な側面に向かうことを進めています。

 

幸せに生きていくためには、3つもしくは5つのライフ・タスクから逃れずに、すべての人間関係への貢献感をもって有益な側面を持って臨むことがカギだと言われています。

 

~第3回「ライフ・タスク」~のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区東浦和でカウンセリングを行う、心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、アドラー心理学の中から「仕事」「交友」「愛」という3つのライフ・タスク(人生の課題)について皆さんにお話しました。

 

ライフ・タスクに取り組むことが、幸せへと続くカギだとされています。今あなたが直面しているライフ・タスク(人生の課題)の有益な側面に向かって取り組んでいけると良いでしょう。

 

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。アドラー心理学の考え方を用いたカウンセリングをご希望の方は、是非当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用ください。

 

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