イメージを使って自分の感情と距離を取る

 

皆さん、こんにちは。

 

皆さん普段の生活でどのくらいイマジネーションを使っているでしょうか?イメージをする力というのはとても私たちにとって大切で、イメージの持ちようによって現実も変わってくると言われています。

 

人は何かよいイメージをつかむことができると本当にそのようになる可能性を高めることができるし、逆に悪いイメージを持つと本当にそのようになる可能性が高まってしまうと言われています。

 

例えば、スポーツで点数が入るイメージや体の使い方のイメージ持つことが大切とされていたり、仕事においてもプレゼンのイメージや営業のイメージなどうまくいくイメージを持つことが大切とされています。

 

そこで今回は、埼玉県さいたま市東浦和でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、皆さんにそんなイメージの力を使った心理療法のうち壺イメージ療法というものをご紹介したいと思います。

 

心理療法においても、イメージを使うというのは非常に大切とされており、多くの心理療法で用いられてきました。そんな数多くあるイメージを用いた心理療法うち、日本独自のイメージ療法である壺イメージ療法をついてご紹介したいと思います。

 

心が何かわからないけどざわざしたり、嫌な気持ちやマイナスな気持ちがあったり、忘れなれないけど忘れたい、距離を取りたいそんな気持ちがあり、イメージを使うことでそんなネガティブな気持ちを調整したいという方は是非ご覧ください。

 

壺イメージ療法とは

 

今回は、様々あるイメージを使った心理療法の中から、壺イメージ療法というものを皆さんにご紹介していきたいと思います。壺イメージ療法とは、臨床心理士であり九州大学名誉教授の田嶌誠一先生が考案したイメージを元にした心理療法です。

 

気持ちや思い、感情が入った壺を複数イメージをして、その壺の中を覗いてみたり、入ってみたり、時にはフタをして距離を置いてみたり、壺をつかって気持ちの整理を付けていくというものです。壺というものを使いそこの中に入れていくというイメージは日本で開発された心理療法ならではで、日本人のイメージによく合っていたりします。

これが実際の田嶌誠一先生です。今は大学職も退官されていますが、精力的に心理臨床活動にのぞんでいた先生です。今回紹介する壺イメージ療法の他にも、多面的体験支援アプローチとして、時には全身全霊をかけてクライエントを支援するというスタイルの心理療法家です。

 

私自身も何度かお会いしたことがありますが、大変気さくな先生で、お話もとても面白い先生でした。そんな田嶌誠一先生が考案された壺イメージ療法の具体的なプロセスについて次からご紹介していきたいと思います。

 

壺イメージ療法のやり方

 

それでは、具体的な壺イメージ療法のやり方について、見ていきたいと思います。簡単にどのようなものかを説明してみると、お気に入りの壺を用意して、あふれだしそうな感情や様々な思いを壺に入れて、壺に受け取ってもらうというのが全体の流れです。具体的には以下のステップで行っていきます。

 

①壺を用意する

 

イメージを用いる場合と、本当の壺を用意する場合があり、やりやすい方で構いません。なかなかイメージが湧きにくいという方は実際に壺を用意したり、壺の写真を近くに置いておくと良いかもしれません。イメージが得意な方は特に実際のものがなくてもいいでしょう。

(イメージの壺の場合)

 

お気に入りの壺のイメージを予め作っておき、色、形、大きさ、などありとあらゆるイメージをができるように具体的に決めておきます。例えば、どっしりした壺にしようとか、ふっくらした丸みのある壺にしようとか、取ってのついた円形の壺にしようとか決めておき、色も自分の好きな青色にしようとか、つやつやと光沢があるようにとか、詳細まで決めておきます。

 

(本物の壺の場合)

 

もしも自分の気に入っている壺がある場合はそれを用意してもいいでしょうし、空のペットボトルや瓶などを加工するなどして、自分の感情を閉まっておくお気に入りの壺を用意します。例えば、近くの雑貨屋さんに見に行って好きな壺を探してもいいでしょうし、ペットボトルや瓶を少し自分の好きな形や色に加工するのも良いでしょう。

 

②感情や思いを壺にしまう

感情や気分、思いがあふれだしそうになったり、強まったりしていることに気が付いたら、それらの感情や気分、思いを自分の中で受け止めてから、同時に壺イメージを引っ張り出して、その中に入れておきます

 

例えば、上司に怒られてイライラしていたり、悲しい気持ちだったりという気持ちがあふれてきたら、その気持ちを壺の中に流し込んでいくイメージをしたり、実際に壺があるときはその壺の中に吹き込みます。

 

③壺を片隅に置いておく

壺の中に自分の感情や気分、思いを入れることができたら、その壺をそっと心の片隅に置くイメージをしたりや実際にお家の安全な場所に置いておきます。心の片隅にしまってあるだけですので、あとでその気持ちを壺の中をのぞくように少し見てみることも可能です。

 

例えば、大好きだったおばあちゃんが死んでしまい悲しいという気持ちをそっと壺の中にしまって、心の片隅に置いていたとして、ふっとした瞬間に壺を覗いておばあちゃんへの悲しい気持ちと共におばあちゃんを思い出すこともできるのです。

 

このような流れで行っていくのが壺イメージ療法です。壺の中に少し距離を置きたい気持ちを入れてしまうことで、自分と気持ちとの間に距離を取ることができるのです。壺に気持ちを吹き込む作業は何度か行ってもいいでしょう。また、いっぱいになったら別の壺を用意してもいいかもしれません。自分の心に余裕が持てるようになったら壺から気持ちを返してもらうということもできます。

 

壺イメージ療法のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市東浦和でほんだカウンセリングオフィスを営む、心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、イメージを使って自分の気持ちと距離を取る方法として、田嶌誠一先生の壺イメージ療法について皆さんにご紹介いたしました。

 

壺イメージ療法は、感情や気分、思いが強まったとき、込み上げてきたとき、それに気が付いて、気持ちを向ける。その上で、それらを消そう、なくそう、抑えようとするのではなく、それらを壺という自分の一部や自分の分身においておたり、預かっておいてもらうという方法でした。

 

壺はただ感情や気分、思いを預かってもらっているだけですから、いつでもその壺の中を覗いたり、時には入り込んだり、壺から取り出すこともできるのです。何か距離を取りたい感情や気分、思いがある人は是非この壺イメージ療法で、少ししまっておいて自分の片隅に置けるようにしてみてはいかがでしょうか。

 

今回のお話に関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご希望の方は、お申込みページまでお進みください。

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