臨床心理士・公認心理師になるための道のり!?

臨床心理士・公認心理師になるための道のり!?

皆さん、こんにちは。

今回は、意外に知られていない臨床心理士・公認心理師になるための道のりというテーマで皆さんにお話していきたいと思います。

世の中には様々なカウンセラーの資格がありますが、その中でも筆者が持っている臨床心理士と公認心理師という資格を取るまでのリアルな道のりのをお話したいと思います。

これから臨床心理士や公認心理師の資格を取りたいという方はもちろんのこと、臨床心理士と公認心理師という資格を取る過程を知ってもらうことでこれから、カウンセリングを受けるという方に少しでも安心してもらえたらと思っています。

臨床心理士・公認心理師とはどんな資格なのか!?

まずは簡単に臨床心理士・公認心理師とはどのような資格なのかというのを簡単にお話していきたいと思います。

①臨床心理士

臨床心理士とは、臨床心理学の知識や技術を用いて、心理的な問題にアプローチして解決していく専門家のことで、公益財団法人の日本臨床心理士資格認定協会による民間資格です。現在(2020年)は37,249名の臨床心理士資格取得者がいます。

資格の取得には資格認定協会が指定する大学院へ終了後、年に一度行われる筆記試験と面接試験に合格することで登録されます。また、登録後も5年ごとに更新があり、一定の数の研修に参加して自己研鑽を行わないと資格の更新ができないというものです。

このような説明をすると驚かれるのは、民間資格ということです。近年では結構名も通るようになった臨床心理士ですが、実は民間資格で国家資格ではなんです。そしてもう一つの驚きポイントしては、実は大学は心理学系でなくても大学院のみ指定大学院を修了すればなれるというところです。

以外に臨床心理士ですという人の中に多いのが、大学は別の学部で学んで、その後、就職をして、一念発起して大学院に入りなおして臨床心理士を取得する人がいます。ただ、大学院の入学試験は、かなり心理学の勉強をしていないと入れないところが多く、3年次編入で大学に入って心理学を勉強してから大学院という人もいます。

②公認心理師

公認心理師とは、国民の心の健康問題に他の機関と連携を図りながら、心理に関する支援を行う心理職の国家資格として平成29年にできた資格です。現在(2020年)36,438名の合格者がいるとされています。

資格取得には、大学、大学院で臨床心理学を含む領域を修了して、年に一度ある筆記試験に合格する必要があります。しかし、今は移行期間にあるために、5年間援助や相談業務に当たっていた人で所定の研修を受ければ受験資格があります。

まだ、全然知名度もないものですが、心理の国家資格がやっと誕生しました。しかし、今は過渡期にあり、受験資格も援助や相談業務に当たっていた人であれば誰でも受験資格がある状況です。

週に一度程度ボランティアで5年程度、話を聞いていた高校卒業のみの人でも受験することができます。また、占い師なども相談業務と認められれば受験資格があるというのが公認心理師です。移行期間が終われば、大学、大学院と6年間心理学を学んだものしか受験することができない資格になるので、信頼に足る資格になることを願っています。

臨床心理士・公認心理師になる道!?

では、今紹介してきた臨床心理士・公認心理師になるまでの道のりを、筆者の体験を交えて、見ていきたいと思います。

①大学

大学では、幅広く学ぶ必要があるとされています。カウンセリングを行っていくのに必要なのが、臨床心理学だけかと言われるとそれは違います。心理学ができるに至った基礎心理学というものも学ぶ必要があります。以下が公認心理師の資格を取得するために必要な25の科目です。

1. 公認心理師の職責
2. 心理学概論
3. 臨床心理学概論
4. 心理学研究法
5. 心理学統計法
6. 心理学実験
7. 知覚・認知心理学
8. 学習・言語心理学
9. 感情・人格心理学
10. 神経・生理心理学
11. 社会・集団・家族心理学
12. 発達心理学
13. 障害者(児)心理学
14. 心理的アセスメント
15. 心理学的支援法
16. 健康・医療心理学
17. 福祉心理学
18. 教育・学校心理学
19. 司法・犯罪心理学
20. 産業・組織心理学
21. 人体の構造と機能及び疾病
22. 精神疾患とその治療
23. 関係行政論
24. 心理演習
25. 心理実習(80時間以上)

人間の生涯発達的な部分から医学や福祉、教育、司法に至るまでかなり多くの、時にはこんな心理学知識、カウンセリングをする上で必要なのかと思うようなことまで学んでいきます。大学の時に特に感じたのは、ネズミやハトを使った実験を学んでいる時は、正直必要なのか疑問でしたが、赤ちゃんや小さい子に関する相談の時にそのエッセンスは使えたりもするので、学んでおいて損はないのかもしれません。

また、医療機関や学校、相談機関などへの実習も行います。実習と言っても大学生なので、基本は見学程度の実習のみです。そして、同時に大学院の進学するための勉強をします。大学院受験は、主に心理学に関する試験と英語の試験、面接試験を行っているところが多く、その対策を行います。多くは実習をしながら、卒業論文を書きながら、心理学用語の説明をできるように、心理学英語が読めるように練習していきます。中には予備校に通うという人もいます。

正直、受験勉強なのでゴールが見えないものです。他の学科と違い倍率が高く、大学院の受験は狭き門であることが多く、中には大学院受験のために浪人するという人もいたりします。個人的には、この時期が一番つらかった記憶があります。先の見えない不安と就職を決めていく同期を見ているのは、しんどかったように記憶しています。

②大学院

大学院では、より臨床心理学などカウンセリングの近接領域を学んでいくことになります。実際に同期とカウンセリングのロールプレイをして技能を高めたり、実際に大学院に併設されている相談施設でカウンセリングを行います。加えて、以下の領域の修了を目指します。

1.保健医療分野に関する理論と 支援の展開
2. 福祉分野に関する理論と支援の展開
3. 教育分野に関する理論と支援の展開
4. 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
5. 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
6. 心理的アセスメントに関する理論と実践
7. 心理支援に関する理論と実践
8. 家族関係・集団・地域社会おける心理支援に関する理論と実践
9. 心の健康教育に関する理論と実践
10. 心理実践実習(450時間以上)

特に大学院の時に重視されるのは、アセスメントをできるようにするためのツールとして、ロールシャッハテストやWAIS、WISCと呼ばれる心理検査を実際に取って訓練をしていきます。週に1度以上、実習先として医療機関や教育機関、相談機関へ行き検査を取ったり、予診を取ったり、体のいいただ働きをさせられることもあります。

このようにカウンセリングの技術を高めながらも修士論文の作成も同時に行っていきます。大学院なので働きながら夜に通うという方もおり、働きながら両立はかなり体力的にきついものです。かくいう私も当時は児童相談所で働きながら大学院へ行っており、これもかなり体力の使う大変な状況でした。

また、大学院になると勉強会や学会等への参加も必要になってきます。勉強会は自身のカウンセリングの技能を向上させるためのものから、臨床心理士・公認心理師試験のためのものまで、様々な勉強会へ参加していきます。学会へは、修士論文を発表するために参加したり、自身の知見を深めるために参加します。日本で開かれるものはもちろん、海外で開かれるものに参加する場合もあったりします。

③大学院終了後

臨床心理士・公認心理師どちらの資格も、看護師資格や医師資格が卒業とともに取れるのは違い、実は大学院終了後すぐに取得できるものではありません。臨床心理士・公認心理師ともに大学院終了後の秋ごろ(年度により変動)に試験があります。大学院を出るので多くの人は就職をしなくてはいけません。しかし、無資格状態(資格取得見込み)では、あまり雇ってくれるところも多くありません。

多くの人は、アルバイト程度の金額で福祉や医療、教育分野に就職します。どの程度の金額かというと、ある医療機関では時給1200円ほど予診から心理検査、受付業務を行わされます。大学院まで出ているのに非常勤で、週5日ほど働いても手取りで20万円いかないという方が大半です。その少ない給与の中から多くは高いお金を払ってスーパーバイズを受けて、カウンセリング技能向上に努めます。

資格試験は、臨床心理士試験の方が合格率6割程度、公認心理師試験は5割程度となっている試験です。事前にある程度準備をしないと合格するのは難しいものになっており、平日は低い給与で働き、土日は試験の勉強をするという生活を行います。

これで試験に合格すれば、晴れて臨床心理士・公認心理師となることができますが、不合格だった場合には、再び同様の生活を一年間続けなくてはいけない状況になるわけです。これが臨床心理士・公認心理師になりまでの道のりになります。

臨床心理士・公認心理師になるための道のりのまとめ

今回は、臨床心理士・公認心理師である筆者が、自身の経験を踏まえて皆さんに臨床心理士・公認心理師になるための道のりについてお話いたしました。

最後まで読んでくれた方は、ここまでしないと取れない資格なのかと愕然としたり、もしかしてきついことが好きな人がとる資格なのかと思われる方もいるでしょう。正直、お金儲けをしたいという方には向かないものだと思います。

ただ、このくらい苦行をつんだり、訓練を受けた人ではないとできないことなのかもしれません。最後に、もしもカウンセリングをご希望の方は、臨床心理士・公認心理師の両方の資格を持っている方をお勧めします。今は、この両方の資格を持っているというのが、信頼にたるカウンセラーのあかしだと思っていてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご希望の方は、お申込みページまでお進みください。

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