アドラー心理学が8回でわかる~第5回「家族会議のすすめ」~

 

皆さん、こんにちは。

 

今回も連続8回で嫌われる勇気という本が発行されて以降話題になっている、アドラー心理学において中心的な考え方を一つずつ取り上げて、皆さんにご紹介したいと思います。

 

第5回目の今回は「家族会議のすすめ」というタイトルで、埼玉県さいたま市でカウンセリング行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、皆さんにお話していきたいと思います。以前のお話をまだご覧になっていない方は、是非合わせてごらんください。

 

そもそもアドラー心理学とは!?

 

まず簡単に皆さんにアドラー心理学がどのようなものであるのかというを、お話していきたいと思います。

 

アドラー心理学(個人心理学)とは、心理学者のA.アドラーによって作られた心理学の様々な技法の総称です。

アドラーは人間の人格を意識や無意識に分けずに(全体論)何かその人なりの目的に向かって進んでいる(目的論)その人が正しい目標に向かって歩んでいく勇気づけを主眼におく勇気の心理学と言われています。

 

あらゆる対人関係の解消や自分を変えて一歩踏み出すヒントを授けてくれる(使用の心理学)のがアドラー心理学の大きな特徴として挙げられます。

 

そんな生活にヒントを与えてくれる使用の心理学であり様々あるアドラー心理学のうち、今回は意味づけについてお話していきたいと思います。

 

アドラー心理学における家族会議とは!?

 

カップルや夫婦、家族など身近な人と一緒に暮らしていくと、自然とお互いの役割のパターンが決まってくると言われています。

 

例えば、彼は部屋の掃除をして、彼女は料理を作る。夫は仕事をして、妻は家事をする。父親は子供の面倒を見て、母親は祖父母の面倒をみる。このように役割分担をしているという家族が多いかもしれません。

役割分担をすることは悪いことではありませんが、そのバランスがうまくいかないと、一方に不満がたまってしまうということがあります。

 

例えば、共働きの夫婦にも関わらず、家事は妻がやって、夫は家事をしないという場合やその逆もあるかもしれません。

 

アドラー心理学では、夫婦に限らず人間同士は平等であるとしています。このような一方に不満があり平等でないという状態で行うとよいとされるのが、アドラー心理学では、家族会議というものです。

 

ここでいう会議とは、いわゆる会社での何か結論が決まっている会議であったり、相手を遣り込めるような会議とは異なり、お互いが意見を述べ合い、お互いの意見を尊重しながら、丁寧に話し合っていき合意に達していく場の会議です。

 

家族内でもこのような会議が開かれずに、各々が不満を持っているなかで生活しているというこも多くあります。そんなときにこのようなお互いの意見を言い合い、尊重できる家族会議を開いてみるというのが、家族会議のすすめです。

 

家族会議の進め方!?

 

では、具体的な家族会議の進め方について順番にどのような手順で行っていくのかをみていきたいと思います。

 

①全員参加

家族会議を開くときに初めに重要になってくるのは、家族メンバーの全員が参加するということです。

 

誰かがいない間に家族会議を開いてしまうと、その人の意見を聞けずに、もしかするとその人の不満が解消されない状態が維持されてしまうかもしれません。

 

②批判にならない言い方

次に、家族会議にはお互いを尊重する楽しく温かい雰囲気も大切だと言われています。お互いに相手の意見に耳を傾けられないと、話し合っても何か合意には向かえないかもしれません。

 

家族会議で家族とぶつからないようにするためには、「あなた」を主語にするのではなく、「私」を主語になる言い方が良いとされています。これはいわゆる「アイ・メッセージ」とよばれるものです。

 

「あなた」が主語になっているとどうして、「あなたはいつも~だ」「あなたは~ができていない」「あなたの~ところがいやだ」というように相手への批判になりやすいと言われています。

 

「私」が主語になることで、「私は~だと思う」「私は~してほしい」「私は~というようにしたい」というように「私」という立場から感じていることや意見を述べるという形になると言われています。

 

家族会議では、自分の意見をしっかり言って相手にわかってもらうということが大切とされています。そのため、このようなアイメッセージを使い、相手を批判せずに自分の思っていることを伝えていきます。

 

③合意の形成

各々の意見が十分に言えたら、最後に会議の合意の部分を形成していきます。しかし、必ずしも合意に至らなくてもよいとされています。

 

誰かが無理に我慢をしての合意では意味がありません。つまり、どの意見かに決めなくてはいけないということはないのです。

 

ただ、家族で意見を出し合ってお互いに譲歩できる場所や共通項が見つかってのであれば、そこを合意としてもいいでしょうし、相手の意見を聞いてもっともだと思いったのであれば、それも受け入れて合意というのもいいでしょう。

 

また、一度の家族会議ですべてを決めないといけないということはなく、とりあえずの合意というので、いったんはやってみて、うまく行かなければ、また家族会議の第2回を開くというのもいいでしょう。

 

~第5回「家族会議のすすめ」~のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区東浦和でカウンセリングを行う、心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、アドラー心理学の中から自分の意見を相手に主張して話し合う場を持つ家族会議について皆さんにお話しました。

 

家族という身近な存在だからこそ、意外にコミュニケーションが十分に取れていないということもあります。そんな時こそ、是非今回紹介した家族会議を開いて、各々の不満を調整して、何か合意を目指してみてはどうでしょうか。

 

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。家族会議を専門家の元でやりたいという方は是非、当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用ください。

 

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