アドラー心理学が8回でわかる~第7回「勇気」~

 

皆さん、こんにちは。

 

今回も嫌われる勇気という本が発行されて以降話題になっている、アドラー心理学において中心的な考え方を一つずつ取り上げて、皆さんにご紹介したいと思います。

 

早いもので、第7回目の今回は「勇気」というタイトルで、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う、心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、皆さんにお話していきたいと思います。以前のお話をまだご覧になっていない方は、是非合わせてごらんください。

 

そもそもアドラー心理学とは!?

 

まず簡単に皆さんにアドラー心理学がどのようなものであるのかというを、お話していきたいと思います。

 

アドラー心理学(個人心理学)とは、心理学者のA.アドラーによって作られた心理学の様々な技法の総称です。

アドラーは人間の人格を意識や無意識に分けずに(全体論)何かその人なりの目的に向かって進んでいる(目的論)その人が正しい目標に向かって歩んでいく勇気づけを主眼におく勇気の心理学と言われています。

 

あらゆる対人関係の解消や自分を変えて一歩踏み出すヒントを授けてくれる(使用の心理学)のがアドラー心理学の大きな特徴として挙げられます。

 

そんな生活にヒントを与えてくれる使用の心理学であり様々あるアドラー心理学のうち、今回は中心的な考え方である勇気についてお話していきたいと思います。

 

アドラー心理学における勇気!?

 

アドラー心理学は、勇気の心理学と呼ばれています。アドラー心理学がいうところの勇気とは、私たちが普段使う「恐れに立ち向かう気持ち」とはちょっと意味合いが違います。アドラーは、人間関係上の困難を克服する力を勇気を呼びました。

アドラー心理学では、困難に立ち向かい、それを乗り越えるための活力を与えてくれることを勇気づけと言い、この勇気づけがアドラー心理学の最も大きい目的とされています。

 

また、アドラー心理学において「不完全である勇気」というもの重要な概念の一つです。完全であるとすることは、時に弊害を生むことがあります。完全にならないからと踏み出して行動できなかったり、完全でないことを悔やんで前に進めなかったりという事態がおきるためです。

 

アドラーは、完全であるとするから苦しくなる、このように完全な人間など存在しないのだと述べています。私たち人間に完璧な人など存在しませんし、世間的に認められた偉人であっても不完全な部分は存在します。

 

このように自分の想定とは違うギャップを寛大に受け入れていく心の大きさや強さを持つということが、不完全の勇気を持つということです。自分の不完全さを勇気をもって受け入れる勇気のことです。

 

この不完全である勇気を持つことによって、完璧でなければ行動できないという状態から、不完全であっても行動したり、失敗を恐れずに行動する力など挑戦する勇気へと変わると言われています。

 

勇気を持つための勇気づけの方法

 

では、そんな困難に立ち向かう勇気であったり、不完全であることの勇気をどのようにして持てばよいのでしょうか。

 

先ほど紹介いたしましたが、困難に立ち向かい、それを乗り越えるための活力を与えてくれることを勇気づけと言います。この勇気づけを行うことが、困難に立ち向かったり、不完全でも行動する際に役に立つものであると言われています。

自分自身への勇気づけを行うには、所属感、信頼感、貢献感という3つを持つことが重要であると言われています。

 

①所属感

 

自分は居場所を持っているという感覚のことです。職場や家庭の中で、自分が存在しているということに自信を持ちましょう。

 

②信頼感

 

周囲の人を信頼しようという感覚のことです。相手を尊敬して、信頼して、目標が共有されていると、周りとの協力が可能になると言われています。

 

③貢献感

 

人や職場など、自分が社会の役に立っていると実感する感覚のことです。自分が世の中の役に立っているという感覚のことで、自分の幸せにつながる大切な要素です。

 

これら3つの所属感、信頼感、貢献感というのが、自分自身への勇気づけの土台であるとされています。これらの土台をもとに以下のステップで自分自身を勇気づけることができるといわれています。

 

自分自身を勇気づけするステップ

 

①断言する

「自分はこの活動をやり遂げる」「自分はこの企画を通す」「自分は志望校に受かる」「自分は独立開業をする」といように声にしてまずは断言をします。勇気づけを自分で行うには、自分に自分ではっきりとポジティブな言葉を言うことが大切です。

 

②イメージする

断言した内容をイメージすること次に行います。ポジティブ想像を膨らませていくことも勇気づけにおいて大切になっていきます。決してネガティブな想像をしないようにしてください。頭の中でポジティブな自分に染め上げるイメージを持ってみます。

 

③行動する

断言してイメージをすることができたら、そのポジティブなイメージの状態で、実際に行動をしてみます。準備が整わずに見切り発車でも構いません。ここで先ほどの不完全の勇気をもって行動をしていきます。行動する際もすでに成功したかのようなイメージを持ち続けます。

 

このようなステップで自分を勇気づけることができるといわれています。皆さんも自分を勇気づけて一歩踏み出したいとき、何かに立ち向かっていきたいときに参考してみてはどうでしょうか。

 

~第7回「勇気」~のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区東浦和でカウンセリングを行う、心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、アドラー心理学の中で最も中心的な考えとされる勇気というものについてお話した上で、自分自身を勇気づける方法をについて皆さんにお話しました。

 

今回のまとめを参考にぜひ何か困難に直面した時や乗り越えなくてはいけない壁にぶちあった時など、勇気をもって立ち向かってみてください。

 

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、勇気を与えるカウンセリングを受けてみたいという方は、是非当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用ください。

 

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