悩みを短期間で治すブリーフセラピーとは!?

皆さん、こんにちは。

 

本日は、様々あるカウンセリングの方法である心理療法の中で、なるべく短期間で悩みや問題を治そうとするブリーフセラピーという方法をご紹介したいと思います。

 

カウンセリングや心理療法というと日本では、フロイトから始まる精神分析療法や、ロジャースという人から始まる来談者中心療法、うつ病等の治療で活用される認知行動療法、家族を対象にした家族療法というようなアプローチなど様々な方法があります。

 

しかし、このようなカウンセリングの心理療法のアプローチは何回も継続してカウンセリングに通わないといけないことが多いのがその特徴であったりします。

 

今回は、比較的短く、時には一度のカウンセリングでも良くなってしまうという短期療法とも訳されるブリーフセラピーについて、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う、臨床心理士・公認心理師の筆者が徹底解説したいと思います。

そもそもブリーフセラピーってどんなもの

 

まずはじめにブリーフセラピーとはどのようなカウンセリング、心理療法なのかみていきたいと思います。ブリーフというと、皆さんはパンツを思い浮かべるかもしれませんが、そうではなく、Brief(短期の)という意味です。

 

つまり、ブリーフセラピーとは、日本語に訳すと短期療法と訳すことができるのです。アメリカでは、セラピーの効果や効率というのがとても大切にされてきました。

 


それには回数制限のあるカウンセリングが一般的だったなど文化的なものも大きいのですが、その中で育ってきたのがこのブリーフセラピーです。 

 

一般的には何か問題(学校に行かないなど)が起こった時、人はどうして問題が起こったのか(どうして学校に行かないのか)と原因を探してしまいます。 

 

しかし、ブリーフセラピーでは原因を探してそこに対処していくというよりも、何か問題の解決を重視するというのが従来の心理療法とは違うところです。 原因がわかり、取り除けるに越したことはありません。

 

しかし、原因がわかってもどうにもならなかったり、一緒にお付き合いしていかないといけないということは、多くあります。そして、原因に向き合い過ぎないことこそが、実は早く問題を解決する糸口になったりするのです。

 

また、従来型の心理療法やカウンセリングは過去に視点があったものが多いにも関わらず、このリーフセラピーでは先ほど述べたように解決のように未来に視点を持っていく点も異なったりしています。

ブリーフセラピーの3つの考え方

原因を見ずに解決を見ていく、未来の視点で解決を探していくというのが、ブリーフセラピーであると言いました。そんなブリーフセラピーにおける3つの考え方の原則があります。

 

①うまく行っていることはそのままにせよ
 
②一度うまくいったなら、再びそれをせよ
 
③うまくいっていないなら、何か違うことをせよ

 

これがブリーフセラピーの上での考え方の原則です。なんだ、大したことないなと思う人もいるかもしれませんが、実は何か問題の最中にいる人はこれらが出来ていなかったりするんです。もう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

①うまくいっていることはそのままにせよ

 

何かうまくいっているのに突然それをやめてしまうということも実は私たちは生活をしている上で少なくはありません。それはやめなければうまく行ってたのになんでやめてしまったの?ということ皆さんないでしょうか。

 

ブリーフセラピーでは、このうまくいっている点を探してみてそのうまくいっていることを続けてみるということを基本的な考え方の一つ目に掲げています。

 

②一度うまくいったなら、再びそれをせよ

 

問題や悩みを抱えている人の話を聞いていると、あることをしたら実はその問題や悩みがなくなった、もしくは小さくなったということがあったにも関わらず、それを一度で辞めてしまっている場合があります。

 

ブリーフセラピーでは、このように一度でもうまくいった例外に注目して再び行ってみるということが大切であると基本的な考えの二つ目に掲げています。

 

 ③うまくいっていないなら、違うことをせよ

 

これはもしかすると悩みや問題に限ったことではないのかもしれませんが、人はなんだかうまくいっていないなと思っていても、今までの慣習などから同じことを続けてしまうということも少なくありません。

 

ブリーフセラピーでは、このようにうまくいっていない習慣や行動様式がある時にそれを見直して、何でもいいので違うことをやってみるということを基本的な考え方の三つ目に掲げています。

ブリーフセラピーの解決を見つける質問技法

 

それでも次にブリーフセラピーの原因ではなく、解決を見つける質問技法をご紹介したいと思います。

 

①例外探しの質問

 

例外探しの質問とは、その名の通り問題ではない例外を探すというものです。

 

カウンセリングをしていると問題というのはいろいろと出てきます。しかし、少し立ち止まってもらって、そんな問題が起こらない時の状態はどんなだったかというを考えてもらうのが例外探しの質問です。

 

例えば、「毎日辛い吐き気でなかなか仕事に行けないんですよ。」と話をする人に「そんな吐き気がない日はどんな日ですか?」と例外を考えてもらいます。すると「土日はありません。前の日食べ過ぎないとありません。」など例外が出てきたりするものです。

 

このように問題がない状態に思いを巡らすというのが例外探しの質問になります。

 

②ミラクルクエスチョン

 

ミラクルクエスチョンとは、奇跡が起こった状態を想像してもらうという方法です。

 

奇跡でも起こらないと治らないというような方に、もしも奇跡が起こったらどのような状態か、奇跡が起こったのをどのような辺りから気付くか、など奇跡が起こって問題がなくなった状態を想像してもらうものです。

 

例えば、「職場の人間関係が辛くて職場では気が休まらない」という人に、「もしもあなたが寝ている間に奇跡が起きてそんな問題がなくなってしまいました。そうして次の朝起きたらいつもと何が違うと思う?」というように奇跡が起きた後について聞いていきます。

 

このように奇跡が起きた状態を考えていくことによって問題の解決のカケラを見つけていくという質問になります。

 

③スケーリングクエスチョン

 

スケーリングクエスチョンとは、今の状態の点数を付けてもらうという方法です。

 

最悪の状態を0点として、最高の状態を10点とした場合に今の状態が何点であるのかというのを付けてもらう、今の状態を把握して、さらにもう1点プラスした状態も想像してもらうというものです。

 

例えば、夫婦関係についてケンカが絶えなくて辛いという人に、「もうこの人とはやっていけない離婚だという状態が0点、付き合いたての状態が10点だとすると何点でしょうか?」と聞きます。「うーん、4点くらいですかね。」と答えたら、「0点ではなく4点と思うのはなぜですか?」と聞き返します。「ケンカは絶えないけど、ケンカした後にあの人、悪かったって花を買ってきたりするんです。」とそんなことが語られたります。続けて、「もしも1点高くなった状態は今とどう違いますか?」と考えてもらうという形で続いていきます。
このように自分の状態を把握した上で、さらに少し先の方向を想像して解決を見つけていくという方法になります。 

 

短期間で治すブリーフセラピーのまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区東浦和でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、短期間で治すブリーフセラピーについての基本的な考え方、具体的な質問の方法についてご紹介させて頂きました。

 

また、今回ご紹介させてもらった解決のための質問技法以外にも、実際には様々な質問を使って解決の糸口を見つけていきます。このブリーフセラピーは、実は学校など教育の現場との相性が良いと言われているものです。

 

今回のお話を読まれて、少しでもブリーフセラピーについて興味を持ったは、関連の書籍を見てみたり、ブリーフセラピーを使ったカウンセリングを受けてみたいなと感じた人は、是非とも当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用ください。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です