自閉症スペクトラム症の特徴・原因・治療

 

皆さん、こんにちは。

 

今回は、一般的に認知も広まりつつある自閉症スペクトラムという発達障害について、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う心理の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が分かりやすく解説したいと思います。

 

自閉症スペクトラム症という発達障害の特徴から、最新の対応方法を含めた研究までご紹介したいと思います。周りに自閉症スペクトラムの人が居る、自身が自閉症スペクトラムかもしれない、そんな方に読んでもらいたいものになっております。

 

自閉症スペクトラムとはどんな障害!?

 

まずはじめに自閉症スペクトラムという発達障害がどのようなものであるのかを皆さんにご紹介したいと思います。自閉症スペクトラム(Autism spectrum disorder)と言い、ASDというように訳されたりするものです。どのような特徴があるものなのかというのを見ていきたいと思います。

自閉症スペクトラム症の主症状

 

自閉症スペクトラム症の主な症状としては「コミュニケーション、対人関係の持続的な障害」「限定された反復的な行動、興味、活動」の2つがあるとされています。それぞれについて詳しく見ていきたいとおもいます。

 

「コミュニケーション、対人関係の持続的な障害」

 

・日常的に会話をしたり興味を共有したりすることに関心が薄い

・視線を合わせたり、相手の表情やジェスチャーを読み取るのが苦手

・言われたことをそのまま返したり、関係のないことを繰り返し言う

 

 

対人的なコミュニケーションが苦手であったり、難しかったりというようなものです。ここに書いたものがすべて当てはまらない場合もあります。ここに書いた特徴は子供の時に見られる特徴で、大人になるにつれて変化していきます。

 

「限定された反復的な行動、興味、活動」

 

・繰り返し同じ動作をしたり、オウム返しをする

・日常生活の変化に苦痛に感じて、柔軟性に欠ける

・置く場所や道順など過度にこだわりを見せる

・興味のあることには深い知識を持っている

・痛みや暑さに鈍感であったり、音に敏感であったりする

 

 

日常生活でのこだわりがあったり、点に近い興味があったり、敏感さも見られたりという特徴があります。ただ、この興味や敏感さや鈍感さは場合によってはその人の良い面となる場合もあります。

 

つまり、コミュニケーションが苦手であったり、空気が読めなかったり、深く狭い興味関心というのが主症状とされているのが、自閉症スペクトラム症の主な特徴と言えます。これ以外にも不随する特徴があったりしますが、主症状としては今回示したようなものになります。

 

自閉症スペクトラム症の呼び名

 

よくネット上では、上記の特徴があるような人のことを「アスペ」という言い方がされていたりしますが、現在ではそれは間違えです。

 

「自閉症」や「アスペルガー障害」や「高機能自閉症」など分かれていたものが、2013年より「自閉症スペクトラム」という一つの名称にないっています。

 

ここで使われているスペクトラムとは、連続体という意味で、自閉症スペクトラムという名称を用いることで、軽症な人から重症の人まですべてを含んだ包括的な表現であるとされています。

 

自閉症スペクトラム症はスペクトラムの端の方まで含めると割合としては、20人~50人に一人程度の割合でいるとされています。また、認知が広がったことによって増えている印象にありますが、総数としては変わっていないのではないかと言われています。

 

つまり、学校で言うと一クラスに一人から二人程度で自閉症スペクトラム症の特徴がある人がいるということです。

 

自閉症スペクトラム症の原因になる原因ってあるの!?

 

次に、自閉症スペクトラム症の原因についてみていきたいと思います。現在のところ、実は自閉症スペクトラムの原因については明らかになってはいません

しかし、女性に比べて男性の方が4割程度多いことからホルモンや脳機能による要因や、家族間や双生児間での発症率が高いことから、遺伝の要因など、様々な要因が指摘されています。

 

以前は、親の愛情不足や不適切な養育の結果ということが言われていた時期もありましたが、今は完全に否定されています。

 

自閉症スペクトラム症のお子さんを持つ親御さんは、養育に苦労されている方も多く、親御さんのケアも同時に大切だったりもします。

 

自閉症スペクトラムへの支援方法は!?

 

自閉症スペクトラム症の支援の方法についてみていきたいと思います。繰り返しますが親御さんも含めて支援の対象で、本人が二次障害(自閉症スペクトラムによってうつ病等心の病になる)を防ぎながら、本人に対人関係スキルを獲得していくという方法が取られます。

 

①SST(ソーシャルスキルトレーニング)

 

ソーシャルスキルとは、社会で生きていくために必要なスキルのことで、例えば、挨拶や会話などから、日常生活の動作まで含めてを言い、そのスキルを獲得していく方法です。

自閉症スペクトラムの人は会話が上手にできなかったり、空気が読めなかったりするわけです。

 

そんな不足してソーシャルスキルを身に付けて学校や社会で困らないようにしていくという方法です。

 

②オキシトシン投与

 

近年の研究で、脳内ホルモンであるオキシトシンが有効であるという研究結果が報告されています。

オキシトシンは人とのコミュニケーションにおいて信頼や愛情などを増加する効果があることから、注目されている。

 

まだ研究途中で、繰り返し投与では効果は見られる人とそうでない人が居たりという結果も報告されている。

 

③RDI(対人関係発達指導法)

 

アメリカで2000年ごろになって登場した療育プログラムで、人間関係を楽しめるようになることを最終目標にするというユニークな療育プログラムです。

非言語的コミュニケーションを発達させ、人と一緒にいることを楽しいと感じるようにして、周囲の様子を観察できるようになり、変化を楽しめるようになり、白か黒かではなく灰色の部分を認めれるようになるなどのポイントがあります。

 

現在も具体的プロセスについては改訂もされており、日本でもこの療育プログラムを取り入れているところが見られるようになってきました。

 

④全身体的アプローチ

 

これはハーバード大学の小児神経科医が提唱する身体全体へ働きかける最新の自閉症スペクトラムへの対応法です。

 

食事の調整や住居環境の調整によって、腸内細菌のバランスを整えていき、不可能と言われていた自閉症スペクトラムを治すというものです。

 

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自閉症スペクトラムのまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、自閉症スペクトラム症の特徴と原因、治療も含めた支援の方法についてお話させて頂きました。

 

以前は自閉症スペクトラムの人は治らないとされていましたが、現在では適切なトレーニングで適応できたり、治療の方法まで見つかりつつあります。

 

しかし、自閉症スペクトラムの人への偏見も多く、学校や社会では時に邪険に扱われているというのも事実です。

 

実は身近に多く居る自閉症スペクトラムの人への正しい知識をもって、排除するのではなく共生できる社会が一日も早く実現できたらいいですね。

 

今回のまとめに関する感想や質問はコメント欄までお願いします。また、当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご希望の方は、お申込みページへとお進み下さい。

 

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