統合失調症の理解と対応!?
皆さん、こんにちは。
本日は精神疾患の中でも代表的な統合失調症という病気について皆さんにご紹介したいと思います。
皆さん、統合失調症という病気はご存知でしょうか?
名前だけは聞いたことがあるという方もいれば、知り合いや家族に統合失調症の人が居るよという方もいるかもしれません。
統合失調症という病気の説明とその病気に最新の治療法について解説していきます。
統合失調症とはどんな病気か?
それではまずは統合失調症という病気について説明していきたいと思います。
私たちの頭の中では、日々、様々な考えや気持ち、行動などを無意識のうちに一つの方向に整理して(統合して)生活をしています。
この統合する機能が、一時的に不調をきたす(失調する)病気のことを統合失調症と言います。
症状としては様々あるますが、3つの主症状として、①妄想・幻覚、②生活の支障、③病識の欠如、などの症状があると言われています。
以前は精神分裂病と呼ばれていましたが、分裂という名称が不治の病感を連想されるということで、統合失調症と名称が変わりました。
人口のおよそ1%くらいの人数がいるといわれており、日本でも100万人程度の人がいるといわれています。
10代から40代までの若い年代がかかりやすい病気と言われています。
男性では27歳が平均発症年齢で、女性では30歳が平均発症年齢であると言われています。
統合失調症の原因とは?
統合失調症の原因は実は今だによくわかっていません。
進学、就職、結婚などの生活の変化によって生じることは多いと言われています。
また、脳構造の変化も原因としては言われており、ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質が関係していると言われています。
遺伝要因も指摘されており、親・子・兄弟に統合失調症がある場合の発症率が約10%、祖父母・孫・叔父叔母に統合失調症がある場合の発症率が約4%、一卵性双生児の一方に統合失調症がある場合の発症率が約40%と言われています。
統合失調症はどんな経過をたどるの?
①前兆期
症状が表れてくる前の段階のことを前兆期と呼びます。
この時期ははっきりした症状は出なくても、眠れなかったり、物音や光に敏感になったり、焦りなどの気持ちがひどくなり、辛い状態と言えます。
この時期は十分に休息をとり、身体を休めることが何よりも大切と言われています。
②急性期
急性期に入ると過覚醒になり、頭がさえわたり、自分の力だけで神経を休ませることができなくなります。
不安や緊張、敏感さが高まって、幻覚・妄想、興奮などの症状が表れ、陽性症状と呼ばれる状態になります。
この急性期は長くは続かずに、多くは数週間と言われています。
③休息期
急性期が過ぎると、眠りすぎるほど寝る、意欲や根気が見られない、食べすぎてしまうという状態に入ります。
この期間の充電が不十分だと、のちのリハビリに影響を与えてしまう可能性があると言われています。
周囲はこの時期の統合失調症者を十分に休ませてあげることが大切です。
④回復期
徐々に気持ちにゆとりが出てきて、少しずつ何かに取り組むことができるようになっていきます。
陽性症状に巻きこもれる場合が少なくなっていき、陽性症状がある程度残る場合と、完全になくなる場合があります。
感情鈍麻、会話の乏しさ、意欲の減退、引きこもりなどの陰性症状がめだつようになってきます。
統合失調症の治療方法!?
発病後、最初の5年くらいは症状が出やすい時期で、その後は次第に落ち着いていき、10年くらいで病状の変化が乏しくなります。
常時介護が必要な状態になるのが10~20%であり、4人中3人は大変安定した状態にあるという結果が出ています。
①薬物療法
統合失調症に使用する薬物としては、幻覚・妄想・思考の問題のコントロールを行う際に有効とされています。
抗精神病薬、メジャートランキライザー、神経遮断薬と呼ばれるものを服用していきます。
急性期には症状に合わせて薬の量を少しずつ増やしていき、その後改善が見られれば増量はやめて、徐々に減らしていきます。
長期的に服用して症状の安定化をはかっていきます。
②ソーシャルトレーニング・作業療法
統合失調症の場合は、社会生活場面で様々な苦手や不都合を感じている場合が多くあります。
薬物療法に加えて、感情の表現や人づきあいの仕方などのロールプレイで会得していきます。
また、コラージュ、陶芸、点描画など芸術療法などの実際に手を動かして自身を表現していく作業療法なども有効です。
③リハビリテーション・デイケア
リハビリテーションやデイケアで患者さんどうしで関わり合い、役割を得て自信を付けたり、規則正しい生活習慣を身につけたり、人との付き合いを実践で会得していきます。
同じ体験を持った人と一緒になり話すことや、社会生活に向けた仕事なども行っていきます。
サイコドラマと呼ばれる活動によって他者との関りや自身の体験を振り返る活動も行われたりもします。
④オープンダイアローグ
フィンランドで生まれた統合失調症者への画期的な治療法として近年注目されている方法です。
統合失調症発症直後の急性期に家族と専門家でとことん話をすることで、薬物を使わずに回復に向かい、その予後も良いとされています。
開かれた対話(オープンダイアローグ)という言葉や会話の力によって治療を行っていくアプローチです。
統合失調症のとは何かのまとめ
統合失調症の陽性症状状態は当人は妄想や幻覚によって非常につらい状態ですし、周りもそんな状態を奇異にみてしまいガチです。
しかし、その症状は多くは寛解という落ち着いた状態になり、寛解状態になり普通に生活を送っている方も多く居ます。
それには専門家の支援はもちろんのこと、周りの家族の支援はなくてはならないものです。
最新のオープンダイアローグという手法では、そんな家族の力が重要な治療法だったりします。
また、薬に関しても研究は進んでおり、筋注のタイプなど様々なタイプがあります。
薬の力や家族の力、専門家の力、本人の力で元気になることができる病気です。
奇異な人と離れていかずに、この記事で統合失調症者への正しい知識を元に付き合ってみるヒントにしてみて下さい。