アドラー心理学が8回でわかる~第1回「優越感と劣等感」~

 

皆さん、こんにちは。

 

今回から連続8回で嫌われる勇気という本が発行されて以降話題になっている、アドラー心理学において中心的な考え方を一つずつ取り上げて、皆さんにご紹介したいと思います。

 

第1回目の今回は「優越感と劣等感」というタイトルで、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う、心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、皆さんにお話していきたいと思います。

 

アドラー心理学について学ぶ!?

 

まず簡単に皆さんにアドラー心理学がどのようなものであるのかというを、お話していきたいと思います。

 

アドラー心理学(個人心理学)とは、心理学者のA.アドラーによって作られた心理学の様々な技法の総称です。

アドラーは人間の人格を意識や無意識に分けずに(全体論)何かその人なりの目的に向かって進んでいる(目的論)その人が正しい目標に向かって歩んでいく勇気づけを主眼におく勇気の心理学と言われています。

 

あらゆる対人関係の解消や自分を変えて一歩踏み出すヒントを授けてくれる(使用の心理学)のがアドラー心理学の大きな特徴として挙げられます。

 

そんな生活にヒントを与えてくれる使用の心理学であり様々あるアドラー心理学のうち、今回は優越感と劣等感についてお話していきたいと思います。

 

優越感と劣等感とは!?

 

皆さんは生活の中で優越感や劣等感を感じたことはありませんか?あいつよりも自分は勉強で勝っていると優越感をもったり、あの人には営業成績で勝てないと劣等感をもったりということです。

 

多くの人、優越感や劣等感を感じたことがある、もしくは今も感じて生活していると答えるかもしれません。では、なぜこのような優越感や劣等感を人は感じるのでしょうか?

 

人は、生まれたときは誰かに頼らないと生きていけない赤ちゃんの状態で生まれてきます。母親や父親の助けを借りて生活していきます。親よりも劣った立場というところから始まるため劣等感を感じると言われています。

また、兄弟や姉妹がいる人も生まれた順番によって劣等感を抱くことがあると言われています。小さい頃に感じる年齢差から抱く、体格や能力の差はそのまま劣等感につながると言われています。逆によくできる弟や妹などから感じる劣等感というのもあるかもしれません。

 

皆さんも兄弟姉妹のいる人であれば、兄弟姉妹感で感じる劣等感や優越感といわれてなんとなくわかるという方もいるかもしれません。

 

劣等感は、実は個人の主観的な意味合いが強いものと言われています。どういうことかというと、同じ状況でもある人は劣等感を感じても、ある人には感じないという場合があるということです。

例えば、営業部の成績が2位というAさんがいたとすると、1位になれない自分ということで劣等感を感じる人もいれば、2位ということで満足している人もいるということです。

 

他人から見れば大したことでなく、むしろ誇るべきものだということでも、その人本人にとってみては、重大な欠点だと感じている場合もあるということなのです。

 

そのため劣等感は、客観的な劣等感ではなく、主観的な劣等感と呼ばれることもあります。人は、ある場所で劣等感を感じるためにそこでの穴埋めとして、別の分野で勝とうとすることもあります。

 

どこかで抱えてしまった劣等感を別の分野の優越感で穴埋めしようとするのです。例えば、勉強が苦手で劣等感を感じていた人が、運動を頑張ることで優越感を感じてカバーするという場合などがこれにあたります。

 

このように優越感と劣等感とは、似て非なる感じに思えることも、実は表裏一体であるとみることができるのです。どこかでの劣等感が大きいと、その劣等感を埋めようと別の分野でより優越感を求めるということです。

 

優越感や劣等感との付き合い方!?

 

では、このように表裏一体にある優越感や劣等感とアドラーはどのように付き合っていくべきと言っているのかを見ていきたいと思います。

 

アドラー心理学では、このような優越感や劣等感はだれしも持っているものであるとしています。アドラーは劣等感を、「健康で正常な努力と成長のための刺激」と前向きなとらえ方をしています。

先にアドラー心理学は使用の心理学と述べましが、劣等感を上手に使うということが大切であるとされています。劣等感を感じてそこで腐ってしまわずに、劣等感をばねにそれを補おうと努力することが大切であるとされています。

 

しかし、優越感や劣等感を上手に使えずに、優れている劣っているなどという思いに振り回されてしまっている人へは、その優越感や劣等感という次元からの脱却も進めています。

優越感や劣等感から脱却とは、優れているや劣っているということに振り回されずに、すべての人は唯一無二で独自でありながら対等で、尊重されるべき存在ととらえるべきということです。つまりは、オンリーワンを目指す姿勢を持つということです。

 

優越感や劣等感を上手に使い自らの目標に向かって使える人は、上手に使い、優れているや劣っているという気持ちに疲れてしまったという人は、その気持ちから少し離れて、相手や自分を個人で見る姿勢を持つことを進めています。

 

~第1回「優越感と劣等感」~のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区東浦和でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、アドラー心理学の中から優越感や劣等感を上手に使う方法について皆さんにお話しました。

 

今回のまとめから、皆さんが抱えている優越感や劣等感との上手な付き合い方やそんな気持ちからの脱却方法を得られたのでしたら幸いです。

 

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、アドラー心理学の考え方を織り交ぜた当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご希望の方は、お申込みページまでお進みください。

 

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