抜毛症とはどんな病気か?|そのメカニズムと原因、治療方法について臨床心理士が解説

緊張感や不安から自分の髪の毛や眉毛を抜いてしまう抜毛症とは

皆さん、こんにちは。

皆さん自身や皆さんの周りにこんな人はいないでしょうか?緊張や不安などストレスでついつい髪に手を持って行ってしまったり、眉毛を触ったりしたり、頭を掻きむしってみたりなどということはないでしょうか。

人は時にこのようにストレスを感じると自分の髪の毛や眉毛などを触ることでその緊張を下げることがあります。しかし、これがエスカレートするとそんな自分の髪の毛や眉毛を抜いてしまうという抜毛症というものへとなってしまうことがあります。

実は、コロナ禍の緊張や不安によって、それを小さくするために仕方なしこの抜毛症が増えていたりします。そこで今回は、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者がこの抜毛症というものを解説していきたいと思います。

抜毛症とはどんな病気!?

まずは抜毛症とはどのようなものかというのを見ていきたいと思います。抜毛症は、心の病の中で強迫性障害に分類されるものになります。強迫性障害とは、自分では止めたいと思っている強迫行為を、緊張や不安などの強迫観念によって、止められなくなってしまうものです。強迫性障害の詳しい説明は、以前まとめていたものがありますので、よければそちらも一緒にご覧ください。

埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、何かやりすぎてしてしまう強迫観念、何かを確認しすぎる強迫行為から起こる強迫性障害の特徴と、その実際、その対処法として認知行動療法などについてまとめて解説をしています。

脱毛症は、上記のような強迫性障害のメカニズムによって髪の毛や眉毛、まつげを繰り返し抜いてしまい、その結果として毛が生えなくなってしまう脱毛が状態になってしまうことです。周りから見ても明らかにわかるくらいのこともあれば、そこまでわからないということもあります。

抜毛症の主な症状とメカニズム

抜毛症の主な症状としては以下のような症状があると言われています。

①抜毛

髪の毛や眉毛、まつげ、指毛など自分の体毛を抜いてしまうこと

②食毛

自分の抜いた髪の毛を食べてしまうこと

③抜毛の否認

自分が抜毛をしていることを認めなかったり、隠そうとしたりすること

④自動的に抜く

自分でも気が付かずに毛を抜いてしまうこともある

これらの状態がすべて見られるというよりも、①の症状は基本として他の症状が見られるということです。数か所の場所を抜毛する人もいれば、同じ場所のみを抜毛する人もおり、毛が薄くなるだけの人も居れば、完全になくなってしまうという人も居ます。②の症状がある人は、胃に毛の塊ができ、吐き気や嘔吐、胃の痛み等が起きるということもあります。

普通に考えたら毛を抜くとは痛いので、積極的に行いたくない行為かもしれません。では、なぜこのような症状を行ってしまうのでしょうか。この抜毛症が起こるメカニズムには以下のようなものがあると言われています。

①緊張や不安が高まる⇒②毛を抜く⇒③快感や解放感を感じる

つまり、緊張感や不安を毛を抜くことで解放感が得られるということです。そんな、毛を抜いて痛い思いをしたことで解放感が得られるのかと思うかもしれません。しかし、美容目的で毛抜きなどで毛を抜いたことがある方はわかるかもしれませんが、毛を抜くと痛みを軽減するためのホルモンが出てなんだか体が少し興奮したような状態になったり、すっきりしたりするのです。

美容や自分の外見に不満があって毛を抜くのではなく、毛を抜くことで気持ちを整えようとしているのです。また、多くの場合は家族の前や一人の時などに行い、他者に見られることは避けます。少しはメカニズムが皆さんにもご理解いただけたでしょうか。次に抜毛症になってしまう原因と発症しやすい人についてみていきたいと思います。

抜毛症になる原因と発症しやすい人

抜毛症になる原因としては、子供の場合は多くは無意識的に癖で抜いていることが多くあります。自分で生活環境をコントロールができない子供は、そのストレスのために抜毛を行っている場合もあります。大人の場合は、抜くことが良くないとわかっていも辞めることができずに、先ほど紹介した強迫性障害と同じように自身の衝動性のコントロールの悪さや不安や緊張、ストレスの高まる環境にあるなどの原因で起こるとされています。

抜毛症が発症しやすい年代としては、小学校低学年から中学生くらいに多く、年齢が幼いうちは癖や自身の衝動性として抜き始め、年齢が進むにつれて例えば受験や生活のストレスのはけ口として抜くことが多くなっていきます。抜毛症が起きる際の男女差はありませんが、成人の場合は女性の方が多いとされています。

抜毛症の治療は!?

それでは抜毛症の治療の方法についてみていきたいと思います。今回は、薬物療法と環境調整、カウンセリングとプレイセラピーというものについてお話していきたいと思います。3つとも組み合わせながら治療を進めていくの良いと言われています。

①薬物療法

薬を使っての薬物療法は必要に応じてという形で、医師の判断のもと行います。不安を軽減するために抜毛を行うというメカニズムをご紹介したと思いますが、そんな不安を軽減するような抗不安薬で、不安を軽減したりしていきます。選択的セロトニン再取り込み阻害薬やクロミプラミンが有効であると言われています。

②環境調整

不安や緊張、ストレス因によって抜毛が起きることが多いために、そのような無用な不安や緊張、ストレスを感じないような環境調整をしていくことが重要になっていきます。あまり本人に負荷がかからないように生活を見直してみたり、学校や仕事、家庭状況などを調整してみるのが大切でしょう。

③カウンセリングとプレイセラピー

カウンセリング、特に大人の場合は認知行動療法の有効性が言われています。不安や緊張という認知(まずは状況を把握)して、抜毛という行動を別のストレス対処の方法(こぶしを握る、手の上に座るなど)を習得していくというものです。また、子供など言葉でのやり取りが難しい場合は、プレイセラピーという遊びを通して自身のストレス等を表現してもらうという方法をとることもあります。

緊張感や不安から自分の髪の毛を抜いてしまう抜毛症のまとめ

今回は、埼玉県さいたま市東浦和でほんだカウンセリングオフィスを営む、心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、緊張や不安を軽減するために自分の髪や眉毛、まつげなどを抜いてしまう強迫性障害の一つの抜毛症についてお話しました。

今回のお話でもしかしたら自分の近くの人がそうかもしれない、自分がその傾向がありそうだと心配になられた方は、まずは環境を調整してみてストレスや負荷があまりかからない生活をしてみて下さい。その上で、改善されないようでしたら専門家へのご相談をお勧めしています。

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、抜毛症の相談に限らずに当カウンセリングオフィスへのカウンセリングをご希望の方は、お申込みページまでお進みください。

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