今のあなたの状態が分かるスケーリングクエスチョン!?
皆さん、こんにちは。
カウンセリングでは、自分の心や身体、もしくは問題の状態を自分で点数をつけてもらうスケーリングというものを行ってもらうことがあります。本当は見えない心や体の状態、問題や悩みの状態に点数をつけると客観的に把握することができます。
そこで今回は、カウンセリングでは実はしばしば使われることの多い、点数をつけるスケーリングという質問技法について、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者がお話していきたいと思います。
見えないものを点数で見えるようにする
心理学の世界は基本的には心のや頭の中の世界を対象に行っているために、客観的にみることができないものが多くあります。
道行く人が何を考えているのか、どんな心の状態なのか、また、身近な人であってもその人がどのようなことを考えているのか、どんな心の状態なのかをはかり知ることは、難しかったりします。
カウンセリングを行っている心の専門家である臨床心理士・公認心理師であってもそれは同様で、クライエントの心の状態がどのようになっているのかを知ることはなかなかできるものではありません。
そんな見えない心の状態を把握するために利用されることが多いのが、今回皆さんのご紹介するスケーリングという点数化してもらう方法です。
これは、実は心理学の研究の分野や、うつ病などの心の病気を把握するテスト際にも使われるもので、自分で主観的な点数をつけてもらいます。
心理学の研究の分野だと、1~5の中で当てはまるものを答えて下さいとなっていたり、心の病気を把握するテストでも強弱を1~5で答えて下さいとなっていたりします。
このように主観的な点数をつけてもらうというのは、心理学の分野ではかなり一般的だったりします。ただ、もしかすると皆さんは自分の心の状態など目に見えないものを点数化するということはあまり馴染がないかもしれません。
見えないものに点数をつけるとどんな良いことがあるのか、具体的な技法と共に皆さんに次からご紹介していきたいと思います。
状態を把握するスケーリングクエスチョン
カウンセリングでは、自分の心の状態に点数をつけてもらうことがあるとお話いたしました。具体的にはどのように使われるのかということについて、お話していきたいと思います。
解決志向ブリーフセラピーという心理療法があります。今回は、解決志向ブリーフセラピーの中で使われるスケーリングクエスチョンというものについて、詳しい手順をご紹介していきたいと思います。
このスケーリングクエスチョンとは、自身の心や体の状態を評価するというものです。基本的には目で見てわからないようなものに主観に基づいて点数をつけてもらうという方法です。
0点から10点の尺度で、0点が最悪な状態、10点がとてもいい状態とした場合、今の状態を評価していきます。このように10点満点で今の心の状態や体の状態、ストレスの状態を評価していってもらいます。
0点から100点の尺度でやってはダメなのかというと、そんなことはなく、カウンセラーとクライエントで使いやすい尺度を採用してやっていってもらうような形になります。
具体的にはこのように聞いていきます。心と身体の状態に点数をつけてもらいたいようなときは、今の心の状態が5点、身体の状態が7点などのように点数を付けていきます。
このスケーリングクエスチョンは、その数字が真実でなくても実はよくて、あくまでも主観でいいのです。点数をつけることで、自身の状態を把握することが大切になってきます。
実際に点数を付けてみると、意外と点数が高いんだと驚くかもしれませんし、意外と点数低いんだと感じるかもしれません。
過去のあのときよりも比べるとそこまで辛くないからそこまで高くないかなど、意外に高い点数にならないことも多かったりするのが面白いところだったりします。
こんな心や体の状態の点数をよければ、毎日付けると一週間の自身の状態変化を確認することもできるかもしれません。このように日々の変化を記録してもらう方法としてカウンセリングでは、使っていきます。
スケーリングの先にカウンセリングですること
解決志向ブリーフセラピーでの、スケーリングクエスチョンという方法には続きがあります。点数をつけて自分の状態を把握するというだけも実は十分だったりするのですが、スケーリングからさらに少し先の状態も導きだせることがあります。
解決志向ブリーフセラピーというカウンセリングの方法は、実は未来志向を大切にしているカウンセリングの方法で、これから先の方針を導きだすことに重きをおいていたりします。そのため、点数をつけてのち、次のようなことを考えてもらいます。
点数を付けたところから、もしも1点アップしたら今と何が違うか、どうなったら1点アップした状態と言えるかと考えていきます。この1点分良くなった状態というのが結構大切で、満点の10点になった状態を考えるよりも考えやすかったりします。
例えば、心の状態は5点という人が、1点上がった状態を想像します。6点の状態になるには、もう少し心に余裕が持てるや、イライラしないで話せる状態だと、6点と言えるかな。
このように1点あげた先の状態を想像することで、自分の状態をよくするためのヒントを考えることができるのです。いきなり1点あげた状態が想像つかないという人は、0.5点あげた状態でも構いません。
そんな、1点もしくは0.5点上がった状態というのを想像してみると、本当にそのように変化したりもするものなのです。もしも、自身の状態をスケーリングクエスチョンしたのでしたら、この1点上の状態まで考えてみるのはカウンセリングに限らずに日常に自分でもできるようなおすすめの方法です。
見えないものに点数とつけて客観的に把握してみて、さらにその点数が少しだけ高い状態を想像してみる、解決志向ブリーフセラピーのスケーリングクエスチョンという方法を是非使ってみてはどうでしょうか。
スケーリングクエスチョンのまとめ
今回は、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、解決志向ブリーフセラピーというカウンセリングの方法の中から、見えない心の状態などに点数をつけて把握するスケーリングクエスチョンというものをご紹介いたしました。
スケーリングクエスチョンを毎日自分自身にやって評価をしていくと、小さな成功や小さな良かったことであっても自分を評価したり、加点していく癖がつきます。なかなか、目で見て客観的にわかりにくい、自分しか感じない、心や体の状態を点数化することで、自身の変化にも敏感に気づくことができるようになります。
皆さんも、良ければ自分の様態を評価するためにこのスケーリングクエスチョンと、1点上がった状態の想像というのをやってみてはどうでしょうか。コロナ禍のストレスの多い今の自身の状態が分かり、そんな自分が元気になるヒントが得られるかもしれないですよ。
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