臨床心理士が解説するうつ病など心の病から復帰するためのプロセス!?

うつ病など心の病から復帰するためのプロセス!?

皆さん、こんにちは。

今回は、心の専門家である臨床心理士・公認心理士の筆者がうつ病をはじめとした心の病によって、休職していた人が復帰するまでのプロセスについてお話したいと思います。

今、休職中で仕事への復帰を考えている人や、あなたの周りに休職中の方がいてその人の助けになりたいと思っている方、家族の方が今休職中で仕事復帰について家族としてどうしたらよいか知りたいという方は、是非最後までご覧ください。

心の病について知る!?

まずはうつ病を初めてとした働いている人がかかりやすいと言われる心の病について簡単にお話したいと思います。

①うつ病

心の風邪と呼ばれるもので、強い抑うつ状態と睡眠や食事がうまくできなくなってしまったり、今まで楽しいと思えていたことを楽しめなくなってしまうという特徴があります。何か強いストレスを感じて、そのストレスが取り除かれても続く抑うつはうつ病かもしれません。

②双極性障害

憂うつで何事も手につかない気持ちになるうつ状態と、気分が高揚して買い物をしたり、寝ないでも過ごせる躁状態の二つの状態があるという特徴があります。激しい躁状態を見せる双極I型障害と、軽い躁状態を見せる双極II型障害があり、双極II型障害は、うつ病と誤診される場合も多くあります。

③適応障害

ある特定の状況や出来事がその人にとっては辛く、強いストレスから抑うつ状態やイライラ感を抱えている状態です。うつ病とは異なり、ストレス源が何かということが特定されており、そのストレス源を取り除くことで、症状は良くなります。部署の移動などの環境変化によって起こるのが適応障害です。

④社会不安障害

プレゼンや商談、スピーチなど自分が注目を浴びる事態に強い不安を抱えて、実際にその場面では激しい苦痛を感じて、息苦しさや動悸がするというものです。次第に日常生活でもそのような注目される場面を避けていくようになり、不都合が生じてくるというものが社会不安障害です。

⑤パニック障害

突然の動悸やめまい、呼吸困難と言ったパニック発作と、またそんなパニックが起きるかもという予期不安を主症状とするのがパニック障害です。度重なるストレスや睡眠不足によってある朝、仕事に行こうと電車の中で急にドキドキして来てめまいが起きるというのがパニック障害です。

⑥強迫性障害

無視しようとして頭から離れない考えである強迫観念と過剰になりすぎてしまう行動である強迫行為により起こるものです。例えば、何かに触れるたびにばい菌が付いたと考えて、必要以上に手を洗い過ぎてしまう、ガスの元栓や家の戸締りが気になり確認し過ぎてしまうなどがこの強迫性障害です。

⑦睡眠障害

不眠や過眠、中途覚醒、昼間眠いなど睡眠に関するトラブルを抱えていることです。生活習慣のズレや環境変化によるものや、ストレス過多による心理的なものや、何かの病気によってなど身体的なものなど、様々な要因によって起こるのが睡眠障害です。

これ以外にも様々な心の病がありますが、今回は働く人に多いものを中心にご紹介いたしました。次にこれらの心の病になってしまった人が、どのように回復して職場復帰や社会復帰までいたるのかをみていきたいと思います。

職場や社会復帰までのプロセス

職場や社会復帰のプロセスについてお話していきたいと思います。復帰に関して実は一番大切なことは、復帰を急ぎすぎないということです。他の人に申し訳ないと思ったり、家族のために働かないとと思ったり、他の人に負けないように早く社会復帰をしたいと思ったりと、復帰を焦る人が多くいます。

しかし、焦りは禁物です。十分に心の状態が回復していないのに無理に職場復帰をすることは、症状のぶり返しか、以前よりももっと深刻な状態に陥ることもあります。そのため、まずは十分に休養を取った上で、心も体を休めて回復できてから、職場や社会復帰を目指していきます。

①意思を確認する

復職のプロセスで一番目に行うこととしては、職場復帰の本人の意思を確認していくということから始めます。本人が復職したいと思わない限りは、復職へのプロセスを歩むことはできません。この本人の意思というのは大切になってきます。

②状況を確認する

本人の意思があったところで、本人の状態としてまだ復職できる状態にないということもあります。そのため多くの場合は主治医が現状を確認して、復職できる状況にあるのかということをチェックしていきます。多くは以下の観点でチェックしていきます。

・通勤時間帯に一人で通勤することができるか

・決まった勤務日や時間に仕事をすることが可能か

・仕事に必要な作業ができるか

・仕事の作業の疲れを翌日まで持ち越さないか

・適切な睡眠リズムで眠れており、昼間は眠くならないか

・仕事に必要な集中力や注意力が回復しているか              など

③基礎リズムの改善

休職中に崩れていた基礎リズムを徐々に整えていくことも大切と言われています。休養中は昼間も横になっていることが多かった人も、復職するには昼間仕事をしなくてはいけません。そのために睡眠をはじめとした体のリズムを整えていきます。初めのうちは昼間の時間に少し散歩をしたり、読書をしたりなど心と体に負担の少ないことから行い、徐々に体力をつけられるような活動を行っていきます。

④リワークプログラムに参加する

一人で復職するという人もいますが、同じような仲間と一緒にリワークプログラムに参加しながら、復職を目指すということもできます。リワークプログラムとは、実際の職場に近いような環境で軽作業を行ったり、他者との交流を行ったり、再発を防ぐための方法について学んだりします。初めは数日から初めて、徐々に日数を増やしていき、週5日リワークプログラムに参加することを目指します。リワークプログラムは、地域の障害者職業センターや病院のデイケア等で受けることができます。

⑤復帰について打ち合わせをする

プログラムなどを経て主治医が復帰できると判断した場合は、復帰診断書を書いてもらい職場に提出することになります。そして、人事担当や産業医、保健師などとどのような形で復帰していくかということを打ち合わせていきます。原則として元の部署に戻ることとされていますが、より負担の少ない仕事へと部署替えを含めて相談をして進めていきます。

⑥実際に復帰する

会社によっては、試し出社のような制度がある場合は利用しながら復帰できると良いでしょう。これは、一定期間お試しで出社をしてみて様子を見るという制度で、産業医や上司のフォローの元、休職後に元のように仕事をできるかという不安を減らすこともできます。時短勤務や出張の禁止、残業の禁止などの配慮があると再発予防につながると言われています。

これはあくまでもスムーズにいった場合の復職の例ですので、実際にはこのようにきれいにはいかずに、少し進んでは戻るという方も多くいらっしゃいます。いずれにしても焦らずに少しずつそれぞれのペースで復職を進めていくのが大切でしょう。

うつ病など心の病から復帰するためのプロセスのまとめ

今回は、心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、働いている人のかかりやすい心の病気としてうつ病や双極性障害、適応障害をはじめとして病気を紹介した上で、そんな心の病を抱えた人が職場や社会に復帰するためのプロセスについてご紹介いたしました。

職場や社会に復帰することをどうしても焦ってしまい、その結果悪化してしまったという方にカウンセリングをしていて多くお会いしています。焦らないでと言っても難しいことかもしれませんが、焦らなくなった先に本当の意味の復帰があるのかなと感じます。

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。復職に限らず当相談室のカウンセリングをご希望の方は、お申込みページまでお進みください。

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