原因を突き止めなくても問題は解決するときがある!?

 

皆さん、こんにちは。

 

今回は、時には原因を突き止めなくても問題は解決するときがあるという題で皆さんにお話していきたいと思います。

 

何か問題が起きた時、人はどうしてそのようになったのかというようにその原因や理由を知りたがります。そして、その原因や理由がわかるとなんだか安心したりするということがあります。

例えば、頭が痛いという時に原因は○○のせいですと言われると安心できたり、機会の不具合が起きた時にこれは部品の○○が劣化していたためですと言われるとそうだったのかと安心することがあります。

 

しかし、心の問題においてはどうでしょうか。明らかにあれが原因で今自分がこうなったというのが実はとても分かりにくのが、心の問題だったりします。同じように生きてきた双子でも一方は大丈夫で、もう一方は何か心の問題になるということがあったりします。

 

ここで、今回は心の問題は時に、何が原因でそのようになったのかということが明確にわからなくても解決できる場合もあるというお話をいくつかの例を交えてご紹介していきたいと思います。

 

原因思考からの脱却!?

 

普段、私たちが生活をしているとついつい物事の原因を考えるという癖がついていたりします。それは、皆さんがよくそれまでの人生において勉強をされて来た証拠でもあったりします。多くの人は以下のように思考していきます。

 

(原因) → (結果)

 

このように考えることで普段は生活がとてもしやすかったりするのです。例えば、テレビが付かないという時に、原因として電気が入っていないかもと考えてコンセントを見たり、リモコンの電池を入れ替えたりするのがこれです。これによって普段通りテレビが付く、もしくはまた別の原因でつかないので修理が必要という事態が起きるかもしれません。

 

このように原因が何かあって、その結果として今の事態が起きていると考えると、今の事態を解決するためにはその原因を取り除いたり、処理することによって解決することができます。とても合理的で大切な考え方です。

 

では、次のような場合はどうでしょうか。例えば、がみがみと夫の帰りが遅いと怒る妻というのが居たとしましょう。夫は妻に帰ったら怒られるのが嫌だからと、帰るのが気が進まずどんどん遅くなってしまったとしましょう。この場合の原因と結果はどう分けられるでしょうか。

妻からすると、夫が帰りが遅い(原因)があっての自分ががみがみ怒る(結果)というつながりになるでしょう。しかし、夫からすると、がみがみ怒る妻(原因)があって自分の帰りがより遅くなる(結果)となるでしょう。このように人間関係の場合は、実はどっちが原因で結果というのが立場によって異なってくるということも存在します。図示すると以下のようでしょうか。

 

(原因) ⇔ (結果)

 

また、次ような場合はどうでしょうか。例えば、なんとなく学校に行くのが嫌な子供居たとしましょう。皆さんのなんとなく学校、もしくは仕事に行くのが嫌だなということはあるでしょう。結果として学校をその子どもが休んでしまったとしましょう。

この場合の原因はなんでしょうか。本人のなまける性格が原因からしれませんし、休んでも咎めない親が原因かもしれませんし、毎日行きたい雰囲気ではない学校が原因かもしれませんし、もしかすると実は原因なんてないのかもしれません。実は不登校の子を対象にした調査によると、明確な原因はないという子の割合が結構いたりするのです。今回も図示すると以下のようにでしょうか。

            (原因) →

(?) → (結果) or  (原因) →  (結果)

              (原因) →

 

このよういに人間関係の問題であったり、心の問題とされることは、どっちが原因かわからなかったり、原因が特定できなかったり、原因と呼べるようなことが複数存在するという事態が起きていたりするのです。

 

当然、明確な原因があって結果として心の調子が悪くなりましたという例も存在します。しかし、ここで皆さんに言いたいのは、人間関係や心の問題では、原因を時に脇に置いておいても解決できる場合があるということが言いたいのです。

 

原因がわからなくても解決するための方法!?

 

心理療法の方法に解決志向ブリーフセラピーというものがあります。この方法は、原因にこだわらずに問題の解決を目指すという方法です。そんな原因がわからなくて、解決できるのだろうかと疑問を持たれる方も当然居ると思います。

 

では、この解決志向ブリーフセラピーという心理療法ではでのように問題を解決していくのかを以下の2つの例から見ていきたいと思います。

 

①例外を探してみる

 

例外を探してみるとは、解決の糸口として、問題が起きていないような状態を探してみて、なぜその時は問題が起こらなかったのかを考えてみるというものです。

先程の夫婦の例で考えてみましょう。毎日、妻が怒っているのかというときっとそうじゃない日があるでしょう。夫がお土産にケーキを買ってきた日や日中に楽しい時間を過ごせた日というのは夜はそんなにがみがみ怒らないかもしれません。また、夫の帰りが毎日遅いかというとそうではないでしょう。見たいテレビ番組がある日は早く帰って来たり、好きな料理が夕飯の時は早く帰って来ていたかもしれません。

 

このように問題の起こっていない例外に注目してみることで、原因はもしかするなくならないかもしれませんが、お互いが感じている問題を少なくすることはできるかもしれません。

 

②リソースを活用する

 

リソースとは、日本語に訳すと資源という意味です。解決志向ブリーフセラピーでいうところのリソースとは、その人の持っているありとあらゆるものという意味です。

先程の原因は特にないが学校を休んでしまったという例で見ていきましょう。先程の子供には、きっと子供が休みたいと言ったら受け入れてくれる優しい親御さんが居るのでしょうし、そこで無理に学校へ引っ張っていかない先生も居るのでしょう。また、お友達が原因でというのではないのですから、友達付きあいもそれなりにできているのでしょう。学校へ行きたくない時にそれをしっかり伝えて、休みをとれる子なのでしょう。

 

このように、その子供を取り巻く親御さんや先生、友達、本人の資質などすべてが価値のあるリソースと見ます。そして、問題解決のためのこれらのリソースを使って、例えば、優しい親御さんが朝付き添って登校したり、勉強がわからくならないように先生が補習してくれたり、友達がクラスで温かく迎えるというように解決のための環境を整えていきます。

 

原因を突き止めなくても問題が解決するときがあるのまとめ

 

今回は、心の問題や人間関係の問題などの場合は、時に原因がわからなかったり、原因が複数あったり、どっちが原因かがわからなく、原因をなくすことができない時も、解決できる可能性についてお話しました。

 

今回ご紹介した解決志向ブリーフセラピーの方法は実はほんの一部で、実はさまざまな方法で原因がわからんくても解決することができると言われています。それはまた別の機会にご紹介していきたいと思います。

 

今回のまとめを読んで、自分でも人間関係や心の問題の原因はわからないけど苦しんでいるという方は、当相談室で解決志向ブリーフセラピーで、解決方法について一緒に考えていくことができます。よろしければ、オンラインカウンセリングへお申し込みください。

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