あなたは大丈夫!?些細だけど見えない虐待とは!?
皆さん、こんにちは。
金曜日の夜をいかがお過ごしでしょうか。
コロナで家に親子でいる機会が多いことから、心配されている、子どもへの知らず知らずのうちにやってしまっているかもしれない、些細な見えない虐待というのがあるのをご存知でしょうか。
些細な見えない虐待とは、身体的な暴力を振るったり、性的な暴力を振るったり、強い言葉を投げかけるような言語的な暴力や、ネグレクトと呼ばれる育児放棄とも違うものです。
非常に巧妙で微妙なものであり、被害者にも自分が虐待や搾取を受けていると認識しにくいのが些細な見えない虐待です。
この些細な見えない虐待を受け続けると、世間一般で言われるアダルトチルドレンという状態になったり、複雑性PTSDの原因になりかねないものなのです。
そんな4つの些細な見えない虐待について、皆さんにご紹介したいと思います。
自分が今までされてきていないか、もしくはしてしまっていないかと考えながら読んでもらいたいと思います。
①ダブルバインド
ダブルバインドとは相反する矛盾するメッセージを発するということです。
受けては、自分の行為がどう評価されたかわからず、混乱し、相手を身動きできない状態にしてしまいます。
例えば、高校生のA子に彼氏ができたとしましょう。それに対して母親が「B君はカッコいいけど、ちょっと勉強ができないわよね。」と言ったとしましょう。
高校生のA子は母親は彼氏のことが好きではないのだと、結局別れたとしましょう。今度はそれに対して母親が「お母さんがちょっと言ったことで、何で別れちゃうのよ。」と言ったとしましょう。
このような状態が、ダブルバインドの状態で、A子は付き合い続けても、別れてもいずれも批判をされてしまうということになっているのです。
このようなメッセージはパターンは違くとも日常でも見られることですよね。
このようなダブルバインドのメッセージを受けると、子どもはそんな彼氏を好きになった自分が悪いと言ったように自分を責め始めてしまうのです。
②ミスティフィケーション
ミスティフィケーションとは、イギリスの精神分析医のレインが提唱した概念で、愛情を装いながら、他人から精神的に搾取するというものです。
例えば、子どもがYouTubeでゲームの実況動画を見ているところに、親はC君に「あら、またYouTubeを見て、Cちゃんは、Eテレの方が好きでしょう?」とYouTubeからためになるテレビに変えてしまうとしましょう。
テレビにされてしまったC君は確かにEテレも面白いので、本当は実況動画が見たいのですが、「自分はEテレの方が好きだった」と思いなおすかもしれません。
そして、本当はYouTubeのゲーム実況を見たいという気持ちを押し殺して、Eテレが好きなCちゃんを演じるかもしれません。
これも実際の生活でありそうな場面ですし、親も悪意なくやってしまいガチです。
③完璧主義の押しつけと他者比較
親の持っている完璧主義的な思考や、できる他者と子供を比べてしまうというものです。
例えば、中学生のDさんは数学が少し苦手でしたが、それ以外は成績優秀な子だったとしましょう。
ある時の数学のテストで頑張って85点を取ってきたとします。本人としては苦手な数学のテストでそれだけ取れたので満足なできでした。
帰ってから褒めてもらえると父親に見せると、「3問も間違えているじゃないか。どうしてここを間違えるんだ。お前は本当にケアレスミスが多いな。E君は95点だったと聞いたぞ。」といわれたとしましょう。
父親としては、もっと頑張って欲しいというメッセージで言ったのかもしれません。
しかし、いい点をとる、E君に勝つというのは、実際には父親の願望で、そんな完璧主義や他者比較をされても子どもは困ってしまいます。
また、子どもの中には自分はどうやっても駄目だと無力感を感じてしまうかもしれません。
こんな話も実際に聞く話ですし、実際に体験されたという人も居るかもしれませんね。
④ナルシスティック・エクステンション
ナルシスティック・エクステンションとは、親と子どもの境界があいまいで、親が子どものことを自分の所有物だと思っているというものです。
このような親は、子どものことはなんでもわかっているという自信に満ち、子どもの先行きに対して過剰に干渉したりします。
例えば、高校3年生のF君は有名国立大学に進学したいと思って勉強をしていました。
しかし、受験で有名国立大学へは合格できませんでした。代わりに滑り止めで受けていた有名私立大学には見事合格できました。
F君として、有名国立大学は両親のススメもあり第一志望にしていたものの、F君のやりたいことには合格した有名私立大学でも学べるために満足していました。
しかし、両親は有名国立大学に合格できなかったことを悲しみ、「お金の心配はしないで。もう一年浪人して有名国立大学を目指しましょう。」ともう一年勉強することになりました。
この例では、両親の自分の息子を有名国立大学に入学させたいという自己愛的な欲求を息子が代理して実現しようとしています。
このような介入を受けた子どもは、例え優秀な資質を持っていたとして、それを自らの中に求められなくなってしまいます。
些細な見えない虐待のまとめ
いかがだったでしょうか。今回は4つの些細な見えない虐待についてご紹介致しました。
どれも虐待というほどではないと感じる方も居るかもしれませんが、長期的に上記のようなコミュニケーションを受け続けると、心は疲弊して、場合によっては複雑性PTSDのような症状になることもあります。
現在、お子さんが居る方は自身の育て方を振り返ってみて、このような言い回しをしていないか考えてみて下さい。
また、現在このような育てられ方をしている、よく親にこんな言われ方をしているという方は、必要に応じて親と話し合ったり、専門家の力を使ってコミュニケーションの取り方をけられると良いでしょう。