家族療法の技法プリテンディング処方|嘘や偽りの行動が本当になる方法

偽りや見せかけの行動が本当になるプリテンディング処方

皆さん、こんにちは。

嘘や偽ってやっていたことが事実になったということはありませんか?いわゆる嘘から出た真実というやつです。実は、そんな効果をカウンセリングでも利用することがあります。

今回は、埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、家族療法という心理療法の考え方から偽りや見せかけの行動が本当になるプリテンディング処方というものについてお話したいと思います。

家族療法とは!?

まず始めに偽りや見せかけの行動が本当になるプリテンディング処方の基礎となる、家族療法とは、どのようなものなのかというのを皆さんに簡単にお話しておきたいと思います。

家族療法とは、家族等の中で繰り返し起こるパターン化されたコミュニケーションの相互作用のあり方である家族システムを変化させていくという方法です。家族内で実は繰り返されている悪循環のパターンというのがあって、そこに切り込んでいくようなイメージが家族療法になります。

この説明では分かりにくいかと思いますので、例を用いて説明したいと思います。皆さんの家でもあるかもしれないパターンなので、自分の家ではどんなパターンが多いかと考えてみながら読んでみて下さい。

例えば、両親が口論を始める→子供がふざけ始める→ふざけた子供を父親が注意して両親の口論はおさまる→父親が子供はあまりに叱るので母親が仲裁にはいる→両親の口論が始まる。

例えば、子供が学校に行けない→母親が心配をする→父親は母親を責める→両親が喧嘩になってしまう→子供は両親の喧嘩を止めたいと学校に行けないと言う。

これはあくまでも一例ですが、このように家族の中では繰り返される悪循環のパターンというのがあったりします。これを別のパターンへと変えていくのが家族療法という心理療法になります。

なんとなくイメージがつかめましたか?皆さんの家族でももしかするとこのような悪循環なコミュニケーションパターンがあるかもしれません。そんな悪循環になってしまう家族のコミュニケーションパターンを変えていく一つの方法が今回ご紹介していく、偽りや見せかけの行動が本当になってしまうプリテンディング処方というものです。

とても効果的な方法なので、自分の家族の中の悪循環を変えたいなという方は、実は一人でもできたりするような方法だったりするので、やってみて下さい。次で、詳しいやり方をご紹介していきたいと思います。

プリテンディング処方とは!?

それでは、家族療法のうちの一つの技であるプリテンディング処方という方法についてお話していきたいと思います。まずは、少し用語の説明からいきたいと思います。

プリテンディング(pretending)とは、「偽りの、見せかけの」といった意味の言葉です。プリテンディング処方とは、家族の誰かに「〇〇のフリをさせる」という方法と言ったところになります。

実はこのフリをすると本当になるということは、よくあることで、家族だけではなく、例えば、なんだか悲しい時とか、憂うつな時とかに、あえて笑顔を作っていて、楽しいフリをしていると、なんだか気分が本当に良くなるというものがあったりします。

これを家族内でも行ってみようというのが、今回のプリテンディング処方という方法です。プリテンディング処方には、大きく分けて以下の2つの方法があると言われています。

①本気の行動を時々フリでやる

プリテンディングの一つ目は、本気の行動を時々フリでやってみせるというものです。このフリによって、コミュニケーションの連鎖に影響を与えることができると言われています。

例えば、ちょっとした腹痛を訴えただけでも、子供のことを過保護に心配しすぎる親がいたとしましょう。子供が「ちょっとお腹がチクってするの」というのを大丈夫か、無理をせずに学校を休んだ方がいいんじゃないかと心配するような感じの親です。

そのような場合に、子供にお腹が痛いフリをたまに挟んでみるように行ってもらうのが、本気の行動を時々フリでやるという方法です。

このようにフリが入るとどうなるかというと、今までお腹が痛いと言ってきたら無条件に心配していた親が、お腹が痛いと言った時に、本当かどうかを考えるようになります。

このようにワンクッション入ることで、あまりにも過保護すぎだった親と子供との距離が取れるようになることもあります。

このように、今までは、お腹痛い→心配するという家族のコミュニケーションパターンから、お腹痛い→本当かな?と疑うという家族のコミュニケーションパターンが変わっていくというわけです。

家族のコミュニケーションパターンがこのように変わると、本当にお腹が痛くて学校に行けないという問題がなくなったりするので不思議なものです。

専門家の指示のものと行うのがベストですが、自分でフリをして家族のコミュニケーションパターンを変えたいという方は、やってみてもいいかもしれません。

②ない行動をフリでさせる

もう一つのプリテンディングは、本来はやらない行動をフリでされることによって、コミュニケーションの連鎖に影響を与えることができると言われています。

例えば、全く勉強をしない子供に怒ってばかりいる親といった場合で考えてみましょう。子供は、一向に勉強しないので、それを心配した親が「勉強しなさい」という形で叱り飛ばしてしまうというものです。

そのような場合に、子供に何かメリットを説明した上で、親を騙してフリで勉強をしてみようという指示をします。

親には内緒で、親にバレないように子供は勉強をしているフリをするので、親は本当に騙されます。子供の新しい行動(フリ)に驚いた親は、子供を褒めたり喜んだりするわけです。

このような行動のフリであったものが、いつしか本当になってしまうということもあったりします。子供は少し勉強したらうるさく言われずに自由に過ごせて、褒められて、親は子供が勉強をしてくれるので嬉しくなっていきます。

褒められるので、少しくらい本当に勉強してやるかという気になるかもしれませんし、親に見破られないように少しくらいやるように指示しておく場合もあります。

このように今までは、勉強しない→怒られるというシステムだったのが、勉強したフリをする→褒められる→褒められるので本当にちょっと勉強するというシステムに変わっていくというものした。

こっちのフリの方が実際にやってみようかなという方が多いかもしれません。今回は勉強で例えましたが、家事をやっているフリでも、仕事をしているフリでも、運動しているフリでも、なんでも構いません。こっちのフリの方が家族のコミュニケーションパターンを変えたいという方には、手軽にできるかもしれません。

どちらのプリテンディング処方もフリをさせることで、今まで陥っていた何か悪循環などのシステムから別のシステムへと変えるという目的のもので、とても効果的な介入方法だと言われている家族療法の方法をご紹介いたしました。

偽りや見せかけの行動が本当になるプリテンディング処方

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、偽りや見せかけの行動が本当になるプリテンディング処方という家族療法の方法についてお話いたしました。

皆さんも何か悪循環に陥っているときに何かフリをすることで、そんな悪循環から変われるかもしれません。また、何かフリをしていたら本当になるということもあります。何かなりたい自分がいるという人はまずはフリから始めてみると、いつしか本当になるかもしれません。

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、今回ご紹介したような家族療法でのカウンセリングをご希望の方は、お申込みページまでお進みください。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする