ダイエットやストレスでの暴飲暴食からなる摂食障害

 

皆さん、こんにちは。

 

当然ですが皆さん、過度なダイエットをしていたり、ストレスから暴飲暴食をしてしまっていたりしませんか?実はこのような過度なダイエットや暴飲暴食はある心の病の入口の可能性があります。それは以前は拒食症、過食症と呼ばれて現在では、摂食障害と呼ばれる病気です。

 

今回は、そんな過度なダイエットから生じる場合にある摂食障害という病気について埼玉県さいたま市緑区でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師である筆者が、解説していきたいと思います。

 

女性なら多くの人が、男性であっても痩せたいと願い、ダイエットをしているという人は多いかもしれません。しかし、そんなダイエットも行き過ぎてしまうと、摂食障害という病気につながる危険性があることとその対応策についてお話していきたいと思います。

 

摂食障害とはどんな病気か?

 

まず始めに摂食障害とはどのような病気なのかということを皆さんにお話していきたいと思います。摂食障害の大きくは、拒食症(神経性無食欲症)と過食症(神経性過食症・過食性障害)の二つに分けることができます。

摂食障害は、体型や肥満、体重、ダイエットについて過剰な関心が根底にあり、食物の摂取を抑制する、もしくは摂取した食物を嘔吐したりとして排出するという障害と言われています。多いのは10代から40代の女性ですが、社会環境の変化により男性の摂食障害というのも見られるようになっています。

 

ダイエットをきっかけに発症する場合が多いですが、受験の失敗であったり、親からの叱責であったり、異性とのトラブルなどのストレスによって、自信を失い発症する場合もよくあります。そして、この摂食障害は文化・社会風土に影響している面が大きく、痩せた人が良いという文化的・社会的な見方によってその数が増えていきます。食うや食わずの生活を送っている人には当然ながら発症しない病気とも言えます。

 

摂食障害は先に述べましたが、2つのタイプがあるので拒食症(神経性無食欲症)と過食症(神経性過食症・過食性障害)のそれぞれについて詳しく見ていきたいと思います。

 

拒食症(神経性無食欲症)

食べる量を極端に減らす制限型と、食べても吐いてしまう過食・排出型に分けられるとされている。あまりに極端な食の制限を行うため、体重は少なく、生理が止まったり、肌がボロボロになったり、体毛が濃くなったようにみえたり、身体機能も低下している場合も多い。

 

BMIの値によって、17以上が軽度、16台が中程度、15台が重度、15未満が最重度と分けられている。また、ダイエットのために長距離を歩くなど過度の運動をすることがあったり、体重増加に対する極端な恐怖を持っていたりする。10代の女子に多いとされています。特徴としては以下のようなものがあります。

 

(特徴)

・病識がなく、援助を求めずに、援助者を避けたり虚偽の報告をする。

・うつ症状は少なく、痩せてい体力がないにも関わらず、精力的に動き回ることが多い。

・家事、特に料理を非常によく行うことが多いが、家族のためであり、自分ではほとんど食べない。

・低血圧、低体温、低血糖、皮膚の乾燥、皮膚の色調の変化、産毛が濃くなる、肝機能障害、寒さに対する弱さなどがみられることがある。

・良い学業成績をおさめるために努力することが多い。

 

拒食症の場合、あまりにやせ細って姿に家族や周りの人が心配して病院やクリニックへ受診をさせますが、本人は病気ではないと強く抵抗したり、何か上記のような不調があっても太ることへの恐怖や不安から真実を言わなかったり、虚偽の体重を申告するような場合も往々にしてあります。しかし、ひどい場合には死に至ることもあり体重によっては入院治療を行うこともあります。病識がなく繰り返すために治療に長い期間がかかることもあります。

 

過食症(神経性過食症・過食性障害)

過食症は、排出型である神経性過食症と、非排出型である過食性障害の2つに分けられます。暴飲暴食をした後に戻すのか戻さないのかという部分で分けられています。このような過食が少なくとも3か月間に、最低1週間に2回程度の過食、体型や体重への過度のこだわりが続いている場合を言います。

 

また、過食の時間と普通の食事の時間が区別されており、過食の時間を自己制御できないという気持ちがあると言われており、夕飯を食べた後に買い物へ行き過食を行うということもあります。過食を行うことで嫌な気持ちを落ち着けられるという理由から行う人もいます。20代の女性が多いとされています。

 

(特徴)

・自分は正常ではないというように病識がある場合が多い。

・太ることへの恐怖感やイライラ感の増加が著しい。

・嘔吐の後にうつ症状になりやすく、自分の行動への自責の念や罪悪感、時には自殺願望へとつながることもある。

・家族や友人に隠れて行うことが多く、見た目も拒食症と一緒で見えにくいために発見が難しいことが多い。

 

先程の拒食症の場合と異なり、多くの場合は病識があるのでやばいな感を持っている人が多いといえます。そのため、家族や友人から隠れて行うことも多く、過食をしてしまった後に後悔して落ち込む人も多くいます。しかし、またストレスがたまりやってしまうということを繰り返します。この過食の場合はには自ら治療に訪れることもあり、治したい意欲もあるので治療も長い時間を要さずに終わることもあります。

 

摂食障害の治療の方法とは

摂食障害についてわかったところで、ではそんな摂食障害の治療方法と予防方法について見ていきたいと思います。摂食障害の治療には、食行動の改善や体重の増加などを目標にして、医師や栄養士、心理士とともに家族の協力のもとで行っていきます。様々な支援の力を借りて良くなっていける心の病です。

 

①入院治療・外来治療

多くは拒食症の人の場合に取られるのが入院による治療です。体重が減りすぎてしまっている場合、重篤な身体合併症状のある場合など死の危険性もある際に取られることがあります。しかし、本人が強く拒否する場合もあり、本人と家族を交えて、入院の目標を明確にした上で行っていくことが大切とされています。

 

栄養状態の改善と心理教育によって病気について正しい理解を得ることによって回復を目指していきます。また、入院治療の後の外来治療へと移行していけるように治療者との信頼関係を結んでいくことも重要とされています。外来治療では、家族の協力の元しっかり3食摂るようにしてもらったり、記録をしてもらったりをして経過を見ていきます。

 

②心理療法による治療

本人への心理学的なアプローチとしては、自身の体系など歪んだ認知を修正して今までとっていた間違った行動を修正していく認知行動療法という手法が選択されます。

 

また、本人を含めた家族全体を対象に心理療法を行う家族療法という方法も有効で、家族療法であれば、なかなか病識がなく本人が登場しにくい拒食症であっても、家族内の力関係の変化や家族関係の変化を用いて治療していくことができるとされています。

 

③自助グループの力を借りる

同じような体験をした摂食障害の人達である当事者同士で話をするというのが大切であるということから、自助グループの力を借りるのも大切であるとされています。同じ経験をしている人も多く、同じ経験をしている人のアドバイスは力になったりします。

 

そんな自助グループとして代表的なものとして、NABAや、オーバーイーターズ・アノニマスなどの団体があったりします。それぞれの名前のところにリンクを貼ってありますので、興味がある方はリンクに飛んでみて下さい。

 

ダイエットやストレスでの暴飲暴食からなる摂食障害

 

今回は、埼玉県さいたま市東浦和でカウンセリングオフィスを営む、心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、過度なダイエットやストレスからの暴飲暴食からなってしまうかもしれない摂食障害(拒食症・過食症)についてお話いたしました。

 

コロナ禍で長く家に居ることで、ダイエットというのは、誰しも考えたことのなるものかもしれません。適度なダイエットや運動は身体を健康に保つには必要なことです。しかし、それが過度に行き過ぎてしまったり、何かの拍子で一歩行き過ぎてしまうと、それは心の病気へと変わってしまいます。

 

摂食障害は、痩せている人が美しい、痩せている人の方が優れているという社会が作っている病気の面も多大にあります。痩せている人が良いという文化がない場所では、摂食障害がないというのも事実です。もしも過度な細身へのあこがれがある人は、文化で作られた可能性もあります。自信を持ち、本当になりたい自分像を持てるといいかもしれませんね。

 

今回のまとめに関する質問や感想がありましたらコメント欄までお願いします。また、当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご希望の方は是非以下のお申し込みページよりお申し込みください。

 

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