臨床心理士が解説する双極性障害とは!?

 

皆さん、こんにちは。

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、なるべくわかりやすく皆さんに心の病の一つである双極性障害というものについて解説していきたいと思います。

 

自分自身が双極性障害と診断されたという方や、自分の家族などが双極性障害と診断されたという方、芸能人が双極性障害と聞いてどのような病気か知りたいという方は、是非お読みになってみて下さい。

 

そもそも双極性障害とはどのような病気か!?

 

まず始めに双極性障害とはどのような病気であるのかというのを簡単に見ていきたいと思います。

 

双極性障害とは、心の病の中で気分障害というものにカテゴリーされるものです。双極性障害は、気持ちが沈むいわゆるうつ病のようなうつ状態と、それとは反対の気持ちが上がるいわゆる躁状態の両方を繰り返す心の病です。

以前は躁うつ病と呼ばれていましたが、両極端の気持ちになるという点から双極性障害と呼ばれるようになりました。そして、双極性障害は実は、躁状態の様子からⅠ型とⅡ型の2つの種類があると言われています。

 

①双極Ⅰ型障害

 

うつ状態に加えて、激しい躁状態が見られる場合がこの双極Ⅰ型障害になります。激しい躁状態が見られるために比較的鑑別しやすいと言われています。

 

②双極Ⅱ型障害

 

うつ状態に加えて、軽い躁状態が見られる場合がこの双極Ⅱ型障害になります。軽い躁状態しか見られないために、うつ病との鑑別が難しいと言われています。うつ病と誤診されて、何年も適切な治療が受けれない結果、長年に渡り苦しむということもあります。

 

このように2種類の双極性障害があります。このような双極性障害のどちらになる原因については、まだ解明されていません。脳機能の障害という説が有力ですが、ストレス因などの可能性もあります。また、100人に1人程度の割合でかかる心の病であるといわれています。

 

次から双極性障害のうつ状態、躁状態、軽躁状態の3つのの具体的な症状について見ていきたいと思います。

 

双極性障害の症状

 

①うつ状態

うつ病等にも共通しますが、何事もやる気にならない、意欲がわかない「抑うつ状態」と、全てのことに興味を持てない、楽しいと感じられなくなってしまう「興味・喜びの消失」という2つの症状が中核になります。この他にも寝すぎてしまったり、ご飯が食べられなくなったりと言った症状も見られます。

 

②躁状態

躁状態とは、開放的な気分になったり、多弁になったり、ほとんど寝ることなく活動を続けたり、注意が散漫になって様々なことに手をつけようとする状態です。時には高価な買い物をしたり、薬物を多量に服用したり、性的な奔放になったりと言った症状がみられることがあります。一緒にいる周りの人は、振り回されるために大変疲弊してしまいます。

 

③軽躁状態

軽躁状態とは、躁状態とははっきりとわからないものですが、うつ状態よりは元気で、少ない睡眠時間でも動き回ったり、他者と交流をしたりと言った特徴がみられます。一緒に周りにいる人はややいつもより変だなと言った感覚を抱くと言われていますが、本人はうつ状態と比べると気分爽快で調子が良いと感じているので、周りの困惑には気づきません。

 

双極性障害のチェック

 

簡単に双極性障害のチェックをしてみたいと思います。実際の診断基準にも使われる項目ですので、気になる方は、自分や自分の周りの人がどの程度当てはまるかチェックしてみて下さい。

 

躁状態のチェック

 

・睡眠時間が普段よりも2時間以上少なくても平気に活動している

・人の意見に耳を貸さずに話続ける

・根拠のない自信に満ち溢れている

・次々にアイデアを思い浮かべるが最後まで達成できない

・知らない人に次々に話かけてしまう

・買い物やギャンブルに多額のお金を使ってしまう

・性的に奔放になっている

 

うつ状態のチェック

 

・抑うつ気分が続いている

・何をしても楽しくなく、興味もわかない

・寝すぎてしまう、もしくは疲れているのに寝付けない

・イライラしていて落ち着かない

・自分を責めてしまう

・思考力や集中力が落ちる

・死にたいと死について考えてしまう

 

 

これら躁状態とうつ状態のチェックに当てはまるという方は、もしかすると双極性障害の可能性があるかもしれませんので、専門医への相談をお勧めします。また、うつ病の診断を受けている方も、今紹介した躁状態のチェックが複数付く場合には、一度主治医に相談することをお勧めします。

 

双極性障害の実際

 

次に双極性障害の実際について見ていきたいと思います。実際にあった双極性障害のエピソードを複数織り交ぜたお話になっています。

20代女性、会社員Aさん。Aさんは学生時代から気分の浮き沈みが激しいとよく周りから指摘されていた。当人としてはさして気にしておらず、気分がすぐれず落ち込む時と、気分爽快な時があるのは普通だろうくらいに思っていた。学生時代で、気分が落ち込んだ時はとても何もやる気にならずに、授業に参加できなかったり、バイトに行けないということはよくあった。しかし、気分があがると寝ずにバイトや課題をやったり、好きなものを衝動買いしてしまうということもあった。単位がぎりぎりで卒業できて、会社に勤め始めた。仕事始めてしばらくは上司も驚くほど精力的に仕事をこなしていた。しかし、しばらくすると仕事のストレスからか気分が落ち込むことも多く、仕事に行けない日が出てきた。心配した上司のススメで産業医につながり、そこからメンタルクリニックへ行き、うつ病の診断を受けた。しばらく、薬を服用していたものの、一向に良くならず、Aさんは薬を飲んでも効果がないのでやめようかと思い、クリニックドクターに相談すると、詳しい聞き取りがなされて双極性障害の診断へと変わった。その後は、薬が効いている感じがあり、環境調整と共に仕事に復帰することができた。

 

これはあくまでも、様々な例を組み合わせた一例ですが、実際に医師であってもうつ病と誤診して、その後双極性障害であるとわかることはよくある話であったりします。このような誤診を防ぐためには、周りの誰かが一緒に付き添って状態像を伝えたり、しっかりと躁状態のエピソードがある場合はそこも伝えられると良いでしょう。

 

双極性障害の治療

 

最後に双極性障害の治療について見ていきたいと思います。一つの治療法でというよりも複数の方法を組み合わせていくことが大切であると言われています。

 

①薬物療法

薬物療法としては、気分安定薬や抗精神病薬と言ったお薬が使われます。双極性障害は、長期に渡って薬を服用していく必要があります。薬物療法を行っていく上で大切なのが、継続して服薬していくということです。先の双極性障害の実際のように、気分が良い躁状態になると、服薬をやめてしまうということも起きてしまいます。そこで、本人はもちろん周りの人も継続してお薬を飲み続けることができるのが大切でしょう。

 

②心理教育

心理教育とは、その病気について患者自身が知るということです。双極性障害がどのようなものかを知ることが、治療の第一歩となります。躁状態の後のうつ状態に自殺の可能性が高いということが分かれば、それに対する自分や周りの人の対処もできるかもしれません。また、客観的に自分の双極性障害の状態を知るために、自身の睡眠の状態について記録するというのも有効な方法でしょう。さらに躁状態に金銭的に使い込んでしまうというのも特徴としてあるので、家族が金銭を管理するようにしたりと言ったことも病気を知った上で必要になって来るでしょう。

 

③カウンセリング

双極性障害の治療に有効なカウンセリングも様々なものがあります。自身の認知を修正して正しい行動を身に付ける認知行動療法や、本人とその関係者である家族と共に躁状態への対応やうつ状態への対応を考えていく家族療法、現在の本人を取り巻く人間関係や今の生活のリズムを整えていく対人関係療法など、様々なカウンセリングの方法があります。

 

双極性障害のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、うつ状態と躁状態と繰り返す双極性障害(躁うつ病)について簡単にまとめてみました。

 

今回のまとめで、双極性障害に苦しんでいる方や、その周りの方の何か解決ためのヒントに慣れれば幸いであると考えております。

 

また、今回のまとめを読んで、双極性障害との付き合い方について当方と考えていきたいと思われた方は是非、当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用下さい。お持ちしております。

 

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