問題のシステムを変えるシステムズアプローチ!?

 

皆さん、こんにちは。

 

今回は、カウンセリングの方法として家族療法から派生して日本で独自の進化を遂げているシステムズアプローチというものを埼玉県さいたま市でカウンセリング行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、ご紹介したいと思います。

 

システムズアプローチは、もしかするとあなたの生活のあり方であったり、ものの見方を変えて生活をしやすくしていくという視点をもった方法ですので、日常でも使える視点ですので是非活用してもらえたらと思います。

 

システムズアプローチの前にまずはシステムとは!?

 

まず始めに、ご存じないという方がほとんどだと思いますのでシステムズアプローチとはどんなものなのかというのをお話していきたいと思います。

 

システムズアプローチというものの説明の前に、システムというものがどのようなものかを説明しておきたいと思います。システムとは、「ある一定の法則にしたがっているかのような活動を繰り返している複数の部分からなる集合体、もしくはその法則そのもの。」ということができます。

例えば、循環システムという場合は、水蒸気が上昇して冷やされて雲ができて、雲から地表に雨という形で落ちてきて川に流れ海に行き、水蒸気となるというシステムや、流通システムという場合は、注文が入ったら商品をピックアップして配送業者へもっていき配送業者が家に届けるというシステムというのがあります。

 

また、人間関係では、例えば、家族システムという場合は、お父さんが一番でお父さんの命令は絶対でお母さんと子供たちは従わないといけないというシステムや、職場のシステムという場合は、上司の命令は絶対で部下は意見を言えないというシステムというのがあります。

 

このようにシステムとみると、原子や分子などというミクロのレベルから、自然や社会生活、私たち個人や人間関係など、すべてはなんらかのシステムであるととらえることができます。

 

カウンセリングなので、人間関係のシステムであったり、個人の中にあるシステムへとアプローチしていくのが今回ご紹介するシステムズアプローチです。

 

システムズアプローチとはどのようなものか!?

 

なんとなくシステムというものを皆さんにご説明したところで、システムズアプローチというものがどのようなカウンセリングの方法なのかというのを見ていきたいと思います。

システムズアプローチでは、人が個人であれ、集団であれ行っていることというのは、ある一定の法則、あるいはシステムによるものであるされているとみるものです。

 

このように言ってしまうと「俺はそんなシステムで生きていない」「私もそんなシステムの中にはいない」という人も居るでしょう。これはあくまでも見方や捉え方なので、本当はそうでないかもしれませんが、そんなシステムの中に人はいて、システムで人は行動を取っているとみるのがこのシステムアプローチです。

 

真実は違うかもしれないが、とりあえずそんなシステムで人は生きているかもしれないなと思ってもらえればいいです。そんなシステムの中にいるとすると、個人はそのシステムの部分であるととらえることができます。

 

自分はシステムの部分なのだから自分が何か変化を遂げるとそれに伴って、相互に影響をしあって、周りも変わっていくかもしれないと考えることができるのです。自分がシステムの行動連鎖の中の行動を変えることで、システム全体を変化させることができるということです。

 

こんな個人の小さな変化からシステム自体と変えてみたり、システムのとらえ方を変えることによって何か困っている問題を解決していくというのがシステムズアプローチというものです。

 

なんだか難しく感じるかもしれませんが、あなたが今感じているような問題もあなたの行動や認知の仕方を変えることによって、回りまわって問題がなくなってしまいますよというのが、システムズアプローチという方法です。

 

システムズアプローチによるカウンセリングが行うこと!?

 

少し皆さんにシステムズアプローチというものがわかってきたでしょうか?では、そんなシステムズアプローチでは、どのようなアプローチをしていくのでしょうか。システムズアプローチのアプローチの仕方を説明するのにワツラウィック博士の例え話で説明したいと思います。

ある国に軍隊蟻というものがあるそうです。彼らは家を持たずに列をなしてどんどんと進んでいきます。今日もどんどんと進んでいる彼らの元に一人の男が現れました。意地悪なその男は、蟻の先頭をエサで誘導して行列の最後につなげてしまいました。彼らは可哀そうにその場でぐるぐると周り始めました。ほおっておけば死ぬまで円を描き続けるのです。そしてかられは常に前進していると信じているのです。

 

ワツラウィック博士も何か問題を抱えているシステムもこれと同じであると言いました。みんな解決のために前進している努力をしていても、実は同じところを堂々巡りしているに過ぎないということがあったりするのです。

 

皆さんは、そんな堂々巡りをする蟻たちをみたらどうするでしょうか。じっと死ぬまで眺めているという意地の悪い方もいるかもしれませんが、何か板でも持ってきてそんな堂々巡りを切って、再び進めるようにするのではないでしょうか。

システムズアプローチによるカウンセリングではどようにするのかというと、この堂々巡りを見つけてそれを切り、問題を維持するシステムから解決できるシステムへと変えるというものです。

 

システムズアプローチによるカウンセリングでは、繰り返される問題のシステムやその人が問題だと感じている認知のシステムを見つけて、それが解決のシステムへと変えたり、問題だと感じてる認知システムを変えていくことなのです。

 

自分で手軽にできるシステムズアプローチ

 

なんとなくシステムズアプローチのイメージとカウンセリングでの使い方がわかってもらえたところで、自分でも手軽にできるシステムズアプローチの考え方をご紹介して終わりたいと思います。ご紹介する方法は、龍谷大学の臨床心理学科教授の東豊先生の考え方です。

 

これからご紹介するのは、このような仮説でみるといいのではというもので、真実がどうのという話ではないということを先に言っておきます。東豊先生は、この世はポジティブなP要素とネガティブなN要素によって成り立っているとしました。

 

ポジティブな要素はさらなるポジティブな出来事を呼び、ネガティブな要素はさらなるネガティブな出来事を呼ぶという考え方です。P感情→体調が良好→P感情…、N感情→体調が不良→N感情…というようにポジティブな出来事は体調に限らずよいことを呼び、ネガティブな出来事は体調に限らず悪いことを呼びというものです。

 

このように世の中はポジティブでいるとポジティブな循環が起きて、ネガティブでいるとネガティブな循環が起きるという仮説が東豊先生のシステムズアプローチによるP循環、N循環という理論です。つまり、あなたの周りでP循環を起こしたければ、ポジティブな活動をたくさんすることです。

 

相手から「ありがとう」と言われるようなことをするというのが大切になりますし、当然、何か相手からしてもらった場合は、自分からも相手に感謝の気持ちを伝えていくことも大切になっていきます。具体的な方法については以下の記事をお読みください。

 

カウンセラーが実践する自分の周りでポジティブな循環を起こすための4つの秘訣

 

問題のシステムを変えるシステムズアプローチ!?

 

今回は、埼玉県さいたま市のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリング行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、皆さんの持っているかもしれない内外のシステムを変えて、問題を解決していくカウンセリングの方法であるシステムズアプローチという方法についてご紹介させていただきました。

 

皆さんもシステムの一部という考えて、何か問題を抱えているとしたら、もしかすると皆さんの行動や認知の仕方が変わることによって、今の問題がシステムは変わることができるかもしれません。今回のシステムズアプローチについてもう少し詳しく知りたいという方は、龍谷大学の東豊先生の著書であるセラピスト入門、セラピストの技法などの著書をお勧めいたします。

 

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、システムズアプローチによるカウンセリングをご希望の方は、カウンセリングのお申込みページまでお進みください。

 

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