不登校の理解とその解決のための6つのポイント!?

 

皆さん、こんにちは。

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、不登校の理解とその解決のために出来ることと題してお話したいと思います。

 

不登校のお子さんをもつ親御さんや不登校のお子さんに関わる学校関係者の方に読んでもらいお話になっております。

 

不登校への理解!?

 

まずは不登校に対する理解を進めていきたいと思います。不登校は、「特定の子どもに特有の問題があることによって起こることではなく、誰でも起こりうる」このように文部科学省は不登校の捉え方を示しています

つまり、不登校になるのはこういう人だよねというような特定の特徴があるわけではなく、何かのちょっとしたきっかけで誰しも起こりうる可能性のあることだということです。

 

不登校のきっかけに関する文部科学省の調査では、学校での人間関係のつまずき、勉強でのつまずき、生活リズムの乱れ、家庭での人間関係の問題など、様々なきっかけによって不登校になっているということがわかります。

 

一つ一つは些細な悩みかもしれませんが、それらが積もり積もって、学校へ行くエネルギーがなくなってしまい、学校から距離を取らざる得なくなってしまうというのが、不登校の始まりだったりするのです。

 

子どもも子どもなりに悩んだ結果、不登校という選択を取らざる得なかったということも少なくありません。親御さんや学校関係者の方は、この部分をより理解してもらえるといいかもしれません。

 

不登校解決のための6つのポイント!?

 

①すぐに学校へ復帰させようとしない

不登校を解決していく上で大切なのが、このすぐに学校へ復帰させようとしないということです。お子さんの不登校が始まると多くの親御さんや学校関係者の方々は、どうにしかして子どもを登校させようと焦ってしまいます。

 

エネルギーが少ない状態で学校に行かせようとしても、かえって状態が悪化してしまい不登校が長引く可能性がある場合も多くあります。中には子どもを騙して連れ出したり、物でつって無理に登校させたり、留年すると脅して登校させようとしたりする親御さんもいたりします。

 

しかし、このような行為は、親御さんと子どもとの信頼関係が崩れてしまい、学校復帰に向けて大切な親子でのコミュニケーションが取りにくい状況に陥ってしまう可能性も高くあります。

 

そして、このような登校を強制する対応がさらに続くと、部屋に引きこもりがちになったり、家庭内暴力や自傷行為につながる可能性もあるのです。

 

ここで大切なのが、やはり無理に学校への登校を促さないということでしょう。最初は、子どもと一緒に乗り越えていこうねという形でまずは、味方になっていくことが大切になってきます。

 

②子どもの気持ちを想像する

次にやってもらうと良いこととしては、今のお子さんの気持ちを少し想像してみるということでしょう。最近の学校での本人が話していた様子などを思い返してみるのもいいかもしれません

 

もしかするとあの時言っていたのはこうかもしれない、この子はこんなことを思っていたのかもしれないと今の子どもの置かれている状況を想像するといいかもしれません。

 

よくよく子どもの立場にたって考えてみると、行事が立て続いていたなと気付いたり、勉強していたのにテストで点数が思うように取れていなかったなと気付いたり、仲の良い子とケンカしたって言っていたなと気付いたりして、これは大人でもちょっと行きにくくなるかなっと想像できるかもしれません。

 

まずは子どもの立場に立って、可能であれば自分が同じくらいの歳の頃を思い出しながら想像できるといいでしょう

 

③無理に話を聞こうとしない

②で子どもの状態を想像をしてみたら、想像したと言って、どうなのか本人に無理に話を聞き出そうという人も居ます。しかし、何か衝撃的な出来事があったら大人であっても話ができないように、なかなか自分の状態や考えていることを話せるとは限りません。

 

そんな準備ができていない子どもに無理に不登校の理由や気持ち、どうしたいかと聞いても答えられないものです。そのために大切なのは無理に話を聞き出そうとしないのことだったりします。

 

ただ、メッセージとしては、いつでも話を聞くよというメッセージは伝えておけるといいでしょう。子どもの準備が整ったタイミングで話を聞けるようにゆっくりと寄り添って待ってみるということが大切だったりします。

 

不登校から立ち直ったという子どもの親とのエピソードを聞くと、「細かいことを言わずに見守ってくれた」「心配だったと思うが、自分の前では不安を見せないで居てくれた」と、暖かく見守ってくれたことに感謝を示した話を聞くことがよくあります。

 

親御さんの姿勢としては、「いつでも力になるからね」「何かあったら言ってね」と味方でいることが大切でしょう。

 

④一歩踏み出しても暖かく見守る

③のように寄り添いながら見守っていると、子どもの中には「学校行ってみようかな」「学校どうしようかな」と漏らすことがあります。

 

親御さんとしては、やっと学校に前向きなことを言ってくれたと喜んで飛びついてしまうかもしれません。

 

これは子どもに確かに前向きな気持ちが見えてきたことの表れですが、同時に再登校に関しても不安も起こっているものです。

 

ここで親御さんが喜んでくれたと本当はもう少しエネルギーを貯めた方がいいのに無理をして、またすぐエネルギーがなくなってしまったという子どももいたりします。

 

子どもが一歩踏み出そうというのを応援してあげることは大切ですが、希望が見えたと無理な応援は引き続きしない方がよいということです。

 

一歩踏み出そうとしていたとして、子どもの葛藤や不安に寄り添い、何か手伝えることがあったら手伝うというのがいいでしょう

 

⑤いつか何とかなると思って放っておかない

見守るという事と、放っておくということをたまに勘違いされている親御さんが居ます。

 

見守るとは、子どもがヘルプを求めた時はいつでも助けられるようにと本人にも伝えておいた上で、暖かく見ているということに対して、放っておくというのはもう自由にしなさいと突き放しておいてしまうということです。

 

見守るということはとても不登校支援に対して大切なことですが、放っておいたり突き放すことは、悪化する以外の何者でもありません。

 

また、長く見守り過ぎているということも存在したりします。長く見守り過ぎていつまで見守っていればいいのかと苛立つ親御さんも居るかもしれません。

 

どれくらい見守ったらいいかというと実はそれは子どもによって違います。しかし、多くの子どもはしばらく見守っていると徐々にエネルギーが溜まってきます。

 

不登校直後は何もできなかったのが、少し外に行けるようになったり、友達と遊べるようになったりと言った変化が見えるようになります。

 

このような変化が見えるようになったら、見守った結果エネルギーが少しずつ溜まってきた証拠です。このようにエネルギーが溜まったらもしかすると、見守りから一歩進んだ対応が必要かもしれません。

 

それは少し学校について話をしてみたり、学校の勉強に手をつけてみたり、適応指導教室などを見てみたり、などいわゆる登校刺激を与えてみるのです。不登校が長期間に及ぶと子どももどうしたらよいかわからなくなってしまいます。

 

そのため、放っておくのではなく、見守りを続けながら再登校やその他へ繋がりのための情報も子どもに与えておきます

 

⑥他者との関わりを取り入れる

不登校状態が続いてしまうとどうしても、家族しか子どもに関わらないという事態も起きてしまうかもしれません。

 

しかし、家族だけではどうしても煮詰まってしまったり、同じような事態が繰り返されてしまうことも少なくありません。そこで大切になってくるのは、第三者の関わりを取り入れるということです。

 

それが学校の先生であってもいいですし、カウンセラーであってもいいですし、医者や保健師などであってもいいですし、家庭教師のお兄さんお姉さんでもいいですし、親戚のおじさんおばさんでもいいですし、同年代の子どもでもいいでしょう。誰かの外の風を入れていく、外との関わりを作っていくということが大切になってきます。

 

外の関わりを入れることによって、再登校へのステップが少しだけ進むことが多くあります。このような外の人に子どもと一緒に会いに行けるのが良かったりしますが、場合によってはこのような外の人を家に呼ぶということも良いでしょう。

 

外に出る程のエネルギーがまだ溜まっていないという場合には、このように来てもらうというのは有効かもしれません。

 

ただ、本人が望んでいないのに無理に外の人に合わせるのは、親御さんとの信頼関係を崩すことになりかねませんので、どのような手順で誰に来てもらうのか、誰のところに行くのかというのを念入りに準備できるといいでしょう。

 

不登校の理解とその解決のための6つのポイントのまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、不登校の理解とその解決のために親御さんや学校の関係者の方々ができるポイントをお話しました。今回のポイントを踏まえた対応を目指していくことが、実は不登校状態を解決する近道だったりすることがあります。

 

しかし、今回の対応のポイントはあくまでも一般的に良い方法であって、多様化する不登校の状態を解決するためには、6つのポイントを踏まえた上で、よりその子ども達に合った対応が必要になってきます。

 

その辺りの対応は、親御さんや学校の関係者の方だけでなく、専門家の力を借りながらやっていくとよいでしょう。当カウンセリングオフィスでも、お子さんの不登校に関する相談と、必要に応じた訪問でのご相談も受け付けておりますので、必要に応じてお申し込み下さい。

 

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