臨床心理士が教える身近な人の悩みを聞く際のコツ!?
皆さん、こんにちは。
皆さんは日常生活で誰かの相談に乗って欲しいと頼まれたり、話を聞いて欲しいと頼まれることはありませんか。
あなたが親であれば子どもの話をどのように聞くか、あなたが上司であれば部下の話をどのように聞くかなど、考えた方も居るかもしれません。
そこで今回は、悩みを聞くプロである埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師が教える身近な人の悩みを聞くコツについてお話したいと思います。
プロのカウンセラーってどうやって話を聞いているの!?
まず始めにプロのカウンセラーがどのように話を聞いているのかというのを皆さんにご紹介したいと思います。
皆さんは臨床心理士や公認心理師といったプロのカウンセラーがどのように話を聞いてるイメージがありますか。
いわゆる共感しながら聞いていたり、話を聞いたら何かアドバイスをしているというイメージがあるでしょうか。
これらも間違いではありません。一般的な初回のカウンセリングで行われる流れとしては以下のようなものになります。
①悩みや困りごとをそのまま聞く
まず始めは、その人の抱えている悩みや困りごとをその人の語りのまま聞いていきます。
「どんなことでご相談に来られましたか?」「どんな困りごとがありますか?」と言ったように質問をして聞いていきます。
この際にそのままというのも重要です。話す内容が事実かというよりもその人にとってどうだったのかというのをその人の感じそのままで聞いていくことが大切です。
②共感と労いをして相手の感情を拾う
皆さんもカウンセラーのイメージと言ったらこの共感というのがあるのではないでしょうか。
共感とは、話をうなずきながら聞かということです。そして、共感と共に相手が頑張って来たことを労いながら話を聞いていきます。
さらにうまいカウンセラーであれば、その時のクライアントの気持ちを拾って「びっくりしましたね。」「それは怖い思いをしましたね。」「嬉しい気持ちになりますね。」というように相手の感情を想像して言葉をかけていきます。
自分にぴったりの気持ちの言葉が帰って来れば嬉しいですし、少し違う場合はクライアントさんの方から「実は全然びっくりしなかったんです。」のようにその時の気持ちを聞くきっかけになったりします。
③ニーズを確認する
一般的なカウンセリングのイメージにはないかもしれませんが、カウンセリングにおいてかなり大切なのが、このニーズを把握するということです。
ニーズとは、どのような目的でカウンセリングに来たのかということです。例えば、「ただ話を聞いて欲しい」「アドバイスが欲しい」「解決策を見つけたい」など、カウンセリングに来たニーズを聞くことが大切です。
このニーズを確認しておかないと、クライアントはただ話を聞いて欲しいだけなのに、カウンセラーがアドバイスばかりをしてきしまったり、クライアントはアドバイスが欲しいのにカウンセラーはただうなずいて聞いているだけという事態が起きてきてしまうのです。
このようなチグハグなカウンセリングにならないためにもニーズ確認はとても大切になってきます。
④試みて来たことを確認する
今までその人が解決するために試みて来たこととしてどのようなことがあるのかを確認していきます。
試しにこのようなことをしたけどダメだった、こんなことをしてみたら少しだけうまくいったけど長続きはしなかったなど、その人の今までの努力を確認していきます。
これは解決やアドバイスをする際にヒントになる可能性を多く含んだことであることが多く確認しておくと良いと言われています。
⑤話の要約をする
これまで話して来てことの内容についてのクライアントの葛藤や迷い等を含めて要約していきます。
「こういうことを体験されて、その時にこのような気持ちを感じられたということですね。」というように体験したこと、それに伴って感じたことについて触れて要約していきます。
クライアントは一生懸命に話した内容が要約されることでカウンセラーに伝わっているなと感じることができるでしょうし、自分の話した内容を改めて確認することもできるでしょう。このような意味から要約は大切になってきます。
⑥ゴールについて確認する
クライアントのゴール、つまり望む未来はどのようなものであるのかというを確認していきます。
未来のゴールではどうなっているのか、どんな変化があるのかという部分まで、なるべく詳しく共有しておくことによって、クライアントとカウンセラーで同じゴールに向かって進むことができるのです。
このゴールが曖昧だったりお互いのゴールのイメージが違うと、とても時間がかかってしまったり、チグハグなカウンセリングになってしまうこともあるのです。
⑦求められれば提案やコメントをする
これはあくまでもクライアントから求められたらの話です。求められていないのに提案やアドバイス、コメントをするのは、はっきり言ってカウンセラーとは言えません。
皆さんも、求めて居ないのに提案やアドバイスを勧めてきたらどうでしょうか。人によってはとても不快な気分になるかもしれません。この求められたらという部分が実はとても大切です。
そして、提案やアドバイスをする際はあくまでも一例ですということを付け加えて行います。
また、コメントの際は「私は」というようにアイメッセージの形で表現していきます。このように行なっていくのがプロのカウンセラーが行うカウンセリングの初回の形です。これ以外にもそのカウンセラー毎に様々な工夫や技法を持ちながら行なっています。
身近な人の悩みを聞く際の5つのコツ!?
あなたが、先に紹介したカウンセラーのコツのように聞くことができるというのが一番ですが、実際はなかなか難しかったりします。
そこで、プロのカウンセラーではないあなたでも、身近な人の悩みを聞く際の5つのコツをお話していきたいと思います。
①軽めの悩みはいつも通りに聞く
相談と言われてると身構えてしまう人がいるかもしれませんが、基本的には軽めの相談であれば、いつもと同じように聞いてみて下さい。ただ、自傷他害の恐れなど重い相談の場合は専門家にお任せすることをおススメします。
②わからないことは聞こう
話しを聞いていてわからないことというのは当然出てくるものです。そのようなわからないことが出てきた場合は、質問してみましょう。質問はなるべく「はい」「いいえ」で答えられないような開けた質問をするようにしてみましょう。
③ゴールを設定しましょう
具体的な解決法などの目標としてゴールを設定できればそれが一番ですが、なかなか難しいものです。そんな時もとりあえずの今日の話のゴールであったり、時には何時まで話そうというように時間的なゴールを決めておけるといいでしょう。実際のカウンセリングと違って長時間に及んでしまう可能性があるので、これは大切なことでしょう。
④出来事ではなく感情を拾って労う
どうしても話を聞いていると出来事にばかり目がいってしまいがちです。ただ、相手が聞いてもらったと思うのは出来事を一緒に振り返るよりも、その時の感情に共感してもらった時だったりします。そのため出来事での相手の感情を返しながら聞けるといいでしょう。
⑤最終的にやるのは相手である
アドラー心理学に課題の分離というものがあります。それは相手の課題と自分の課題を分けるというものです。これが話を聞く上ではとても大切です。相手の話を聞き過ぎて本来は相手の課題なのに自分の課題にして、自分もどうにかしなきゃと思ってしまうのは大変危険です。そのためにはいろいろあるし、話は聞くけど最終的にやるのは相手と心のどこかで思っているといいかもしれません。
身近な人の悩みを聞くためのコツのまとめ
今回は、埼玉県さいたま市東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が普段行なっているカウンセリングの流れから、相手の相談を聞く際のコツについて5つのポイントでご紹介いたしました。
今回の5つのコツで子どもや部下、パートナーなどの話を上手に聞ける、聞き上手になれるかもしれません。是非今回の方法を参考にしてあなたも聞き名人を目指してみて下さい。聞き名人は、周りに幸せにするばかりか、自分をも幸せにすると言われています。
また、今回のカウンセリングの流れから実際にプロが行うカウンセリングを受けてみたいと思われた方は、是非当カウンセリングオフィスのカウンセリングをご利用下さい。お待ちしています。