あるものは病気でも症状でもなんでも利用するユーティライゼーション志向とは!?

あるものを利用するユーティライゼーション志向とは!?

皆さん、こんにちは。

普段生活をしていると、どうしても何かが足りない、誰かと比較してこれがない、前と比べてこれが少なくなったなど、どうしても不足している部分に目が行ってしまいませんか。

このようにないところや不足しているというところから、症状や病気であっても今あるものに目を向けて利用できるものはなんでも利用するというものをユーティライゼーション志向と言います。

今回は、カウンセリングの場で使われることのある、使えるものは何でも使い利用して有効的に使っていくというユーティライゼーション志向の見方について皆さんにお話したいと思います。

ユーティライゼーションを提唱した心理療法家

ユーティライゼーションとは、先に述べたように病気でも症状でも利用できるものならばなんでも利用するというカウンセリングの場で用いられる技法の一つです。

そんな、ユーティライゼーション志向を始めて提唱して、使った心理療法家のご紹介からしたいと思います。

ユーティライゼーション志向を始めて提唱して、自身のカウンセリングの場で利用していたのは、ミルトン・エリクソンと呼ばれる心理療法家です。

ミルトン・エリクソンは、アメリカの心理療法家で、主に催眠を用いたカウンセリングを行い、その後の短期療法や家族療法のモデルになった人物とされています。

そんなミルトン・エリクソンが、このユーティライゼーション志向に行きついたのは、彼の人生が多く関わっていると言われています。

彼は、幼少期からポリオ、色覚異常、失音楽症など、極めて重大な身体障碍に悩まされていたと言われています。特にポリオによって、一時期は寝たきりでしばらく過ごさなくていけないほどの状況だったと言われています。その後もポリオの後遺症で呼吸はしにくい状態であったと言います。

なぜこのような状況がユーティライゼーション志向につながるのかというと、彼はポリオの後遺症で満足に呼吸や発語ができないという自分の状況を使って、催眠に役立てました

催眠というのは、皆さんがテレビでよく見る催眠術とは違い、穏やかに徐々にまどろんだ状況をカウンセリングに使うというものです。

エリクソンのポリオによる後遺症で、声の出し方は穏やかで、静かな発声になり、より催眠に誘導しやすい状況に利用したと言います。

このようにミルトン・エリクソンは、自身の症状という本来ならば声の出しにくいというマイナスの状況ですらも、催眠療法という方法を用いることで上手に利用していったのです。

これがユーティライゼーション志向が彼の人生と大きく関わっていると言われている点です。自身の症状ですらカウンセリングに上手に生かす、ミルトン・エリクソンですので、当然ですがクライアントへも上手にこのユーティライゼーション志向を用いていきました。

カウンセリングにおけるユーティライゼーション志向

ミルトン・エリクソンは、自身のカウンセリングにおいてもこのユーティライゼーション志向を上手に使っていきました。

ケース1、親戚のストレスにより潰瘍になった女性

これはミルトン・エリクソンが女性の潰瘍を利用したという事例である。女性の居る家に、親類縁者が週末になると長く居座り、その食事の世話など多くのことをこの女性が行わなければならなった。

この女性は、そのストレスのために潰瘍を患ってしまい、その潰瘍の痛みのせいで仕事や家族、その他の関係も悪化してしまっていた。そこでミルトン・エリクソンが「そのお腹の痛みは、必要なものであり、それを役立つように場面でうまく使う方法を学んだ方がいいですよ。そうすれば何かいいことがあるかもしれません。」と言いました。

その女性はこのアドバイスを気にいり、その女性は親類縁者が家に来ると、急いで牛乳を飲み干して、彼らの到着する数分後にはそれを嘔吐するということを始めた。その女性は体調が悪いので、その嘔吐物の処理を彼らがしなくてはいけなくなり、彼らは頻繁には来なくなった。

そして来るときも事前に電話をしてから来るようになり、その女性が来て欲しくない時は、潰瘍が痛むと伝え、彼らに来て欲しかったが途中で帰って欲しくなった時は、お腹をさするようにした。そのようにすると彼らはすぐに帰っていった。しばらくすると潰瘍は治った。

これは、潰瘍という本来であればマイナスのものを使い、自分の過ごしやすいように環境を整えられることができた結果、その潰瘍自体も治癒してしまったというケースである。

ケース2、自分のキリストだと思い込む男性

ある病院に自分がキリストだと妄想していた男性が居ました。自分はキリストだと言って、先導して病院でも信者を集めつつありました。病院のスタッフが止めても全然話を聞いてくれませんでした。

そこでミルトン・エリクソンが男性の前に行き、「イエス様は、皆さんの役に立ちたいとお考えですね。」と聞くと無論だとその男性はうなずきました。「イエス様であるならば、大工の経験があるんだね。(イエスの父親は大工で手伝っていた経験があるとされているから)」男性は、「はい」と答えることしてかできませんでした。

エリクソンは、「病院には本棚が足りなくて作らなくてはいけないんだけど、君は手伝ってくれるかい。」と尋ねると、その男性は同意して作業を行ってくれ、布教活動の代わりに、建設的な活動を始めるようになりました。

このケースも、本来であれば自分はキリストだという妄想をどうにかしようと考えてしまうところを、そんな妄想をも上手に治療に使っていったという話でした。

ユーティライゼーション志向のまとめ

今回は、ミルトン・エリクソンという心理療法家の紹介から、彼が自身の経験からよく用いていたユーティライゼーション志向というものについてお話させて頂きました。

人はどうしても困ったことや問題があると、何ができない、何が足りない、この症状が、この病気がと考えてしまいガチです。しかし、少し立ち止まってそんな困りごとや問題を見てみると実はこんなところがあった、こんなふうに使えるかもしれないということがあったりします。

このユーティライゼーション志向という見方はなかなか問題のさ中にある人には思い浮かびにくいことかもしれません。そのため、もしも自分の困っていることや、抱えている問題に、このユーティライゼーション志向を持ちたいとするならば、必要に応じて専門家と一緒に話してみるということは必要でしょう。

当相談室でもオンラインでも相談を受け付けておりますので、専門家と一緒に少し自分の問題や課題に対する違った見方を探りたいという方は、是非ご利用下さい。お待ちしております。

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