ADHDってどんな人!?あなたの周りに居るかもしれないADHD
皆さん、こんにちは。
今回は、ここ十年程で一般に広まりつつあるADHDというものに関して簡単に解説を行いたいと思います。
ADHDという言葉自体よく知らないという人もいれば、知り合いがADHDらしいので少しぐらいは知っている、自分もADHDだと思うなど、様々な人が居るでしょう。
皆さんに簡単にイメージを付けてもらうとすれば、クレヨンしんちゃんはADHD像に近いかもしれません。
ADHDという言葉だけが広まっていることも危惧して、今回はなるべく簡単にわかりやすくADHDについての解説と、その対処法について述べていきたいと思います。
そもそもADHDとはどんなもの!?
ADHDとは、正式名称を注意欠如・多動症と呼ばれるもので、不注意と、多動性および衝動性を主症状とするものです。
少し前の文献や資料だと、注意欠陥多動性障害の名称になっているかもしれませんが、今では上記の名称が正しくなっています。
また、小さいうちから以下で説明する不注意と、多動性・衝動性やその兆候が見られ、複数の状況(学校と家など)でその問題がみられます。
ASD(自閉スペクトラム症)と両方で持っている場合も多くあるとされています。
(不注意)
ここで言う不注意とは、注意を一点に持続的に向けることが難しく、直ぐに別のものや所に注意が移ってしまうことです。
具体的には以下のようなことがあるとされています。
・ケアレスミスを多くやってしまう
・課題に集中して取り組むことが難しい
・話しかけられたときにしばしば聞いていないように見える
・反抗しているわけではないのに注意が向いておらず指示に従えない
・よくものをなくしてしまう
・日々の活動の中で他に気が行ってしまうので忘れっぽい
不注意の中身としてこのようなものがあり、次々に気になってしまうために、部屋を片付けられないというのも見られることがあります。
(多動性・衝動性)
多動性や衝動性は、その字のごとくじっとしてられずに活発に動いたり、瞬間的に動いたりする症状が見られるものです。
具体的に以下のようなものがあります。
・手足をそわそわと動かし続ける
・教室などで座っていなくてはいけない場所で、離席してしまう
・不適切な状況で走り回ったり、高いところに登ったりしてしまう
・話し出したら止まらない
・順番を待つことができない
・質問が終わる前に話だしてしまう
大人になっても常に動いて居たり、話し出したら止まらないという人はこの傾向がありそうですよね。
ADHDになる原因ってあるの!?
ADHDの原因は現時点では解明されていません。
しかし、前頭前野や脳の神経伝達物質の働きによるものなど、先天的な脳機能の障害の仮説など、科学的根拠が示されているものもいくつかあります。
一昔前では、親の育て方などといわれていた時代がありましたが、現在では後天的な心理社会的問題であるとは言われていません。
先天的なものであるために、遺伝的要因があるといわれています。
一卵性双生児の場合だと、二人ともADHDの確率は80~90%とされていますが、二卵性双生児の場合では、30%程度と言われています。
また、男性系統の遺伝の方が、女性系統の遺伝よりもリスクが高いといわれており、ADHDのあるお子さんのお父さんにお会いすると、自分もそうだったというケースがあったりします。
繰り返しますが、親の関わりが原因でADHDになるとは考えずに、親は子供の行動に頭を悩ませている援助対象と考えるのが大切です。
ADHDの子どものその後って!?
ADHDと診断された子はその後どのようになっていくのでしょうか。
多動性・衝動性というのは、なくなるとまでは言わないまでも、年齢が上がるにしたがって基本的にはおちついていき、本人の工夫次第でそのコントロールスキルも向上していくといわれています。
思春期に入ると、児童期のようにやためったら動くということはなくなり、行動の抑制はできるようになるでしょう。
しかし、不注意の方は一緒にお付き合いしていくということが必要かもしれません。
本人なりの工夫や周りの配慮というのがとても大切になっていく場所であると考えられます。
ADHDは早期に発見されて、適切な援助が提供されれば、その予後も当然よいものへとなっていきます。
しかし、適切な援助を受けれないと本人の失敗体験が募っていって自信を失って、二次障害(うつ病や適応障害など)を引き起こす場合もあるのです。
ADHDへの対応の仕方ってどうするの?
ADHDへの対応の仕方として主に適度な薬物療法と環境調節が大切であるとされています。
①薬物療法
ADHDへ原因を取り除く薬はないものの、その症状を緩和する薬はあります。
あくまでも薬は頭痛に使う頭痛薬のようなものなので、環境調整とともに用いるのがいいでしょう。
一般的に用いられる薬としては、コンサータ(メチルフェニデート)、ストラテラ(アトモキセチン)、インチュニブ(グアンファシン)などがあります。
お薬に関しては、医師の指示の元に必要に応じて処方してもらうのが良いでしょう。
丁度よい薬の量というのは人それぞれですので、そこの調整がカギになっていきます。
②環境調整
・注意がそれるような刺激をなるべく抑える
・自分に合っている仕事を行う
・子どもの調子の悪い時は集団で行わずに迷わず取り出し指導をする
・何かを覚える時は視覚刺激を使う
・その子に合った身体感覚を刺激して落ち着かせる
・注意持続できる時間内でできる課題を行う
・学校ではADHDのある子にはみんなで関わる
・増やしたいことは褒めて、減らしたいものは無視、増やしたい行動は褒めるなど一貫した対応をする
・本人の自尊感情や自己効力感を高めるために良い行動はタイムリーに褒めたり、役割を与える
本人の過ごしやすい環境を周りが整えていき、大人になったら自分のあっている環境に身を置いていくというのが大切です。
ADHDについてまとめ
今回説明させて頂いた内容にADHDへの皆さんの理解は少し進んだのではないでしょうか。
対応方法として今回だけでは載せきれていない部分も多いので、別の機会に詳しくご紹介できたらと思います。
もしもあなたの周りにADHDの方が居たら少しでも当人が行きやすくなるように環境調整に協力してあげて下さい。
また、当人がADHDかもしれないという方は、二次障害の危険性もあるようでしたら、早めに専門家へのご相談が必要かもしれません。
しかし、多くのADHD傾向の人はその多動力から意欲的に様々なことに取り組んでいるのもこれまた事実です。
上手に付き合えているのであれば、それを自分の個性とみてやっていくのがいいかもしれませんね。