あなたの心の病はこの先の飛躍のために必要なもの

 

皆さん、こんにちは。

 

カウンセリングの仕事をしていると、「心の病にかかってしまい自分はもうだめだ」「なんでこんな心の病にかかってしまったんだ」と言われる方が一定数います。カウンセラーとして、そのくらいこの人は今の症状が辛いんだなと共感するとともに、もう一つある考えが浮かびます。

 

それはエレンベルガーという精神科医が、心理学者のユングの体験を研究をして想像の病という概念です。この想像の病という考え方は、今まさに心の病で苦しんでいる人のエールになるのではないかと、私自身考えているものです。

 

是非、何か心の病に苦しんでいる人に、想像の病という考え方を、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、ご紹介したい思います。

 

ユング研究から想像の病へ!?

 

想像の病というのを始めて聞く方がほとんどだと思いますので、まずは想像の病というのがどのような考え方なのかということをお話していきたいと思います。この想像の病という考え方は、過去の偉人、特にユングという心理療法家の半生の研究より提唱されるようになった考え方です。

心理療法家のカール・グスタフ・ユングは、フロイト、アドラーに並ぶ3大心理療法家の一人です。ユングは聞いたことがあるという人も多いかもしれませんね。ユングは、分析心理学というものを創始して、夢分析を含めて人間の無意識の研究から、集合的無意識という概念を提唱しました。これ以外にも数多くの業績があるユングですが、実は彼も心の病を患っていた時期があると言います。

 

ユング自身が「方向喪失の状態」と呼ぶ異常な心理状態に陥るほどの状態になり、精神病すれすれの危機的状態であったと言われています。自伝の中で、例えば、洪水に襲われて北ヨーロッパ全体が血の海に覆われる幻覚を見たり、死者たちの亡霊で自宅の中が一杯になる感覚などを体験したりするほどで、論文も読めなくなり大学の教師も辞めるほどだったと言われています。

 

今でいうと統合失調症の症状に似たような状態であったのだろうと考えられ、こんな状態が 3 年ほど続いたと言われています。ユングは、このような危機状態を自分で自分を分析することで乗り切り、その際の体験をもとに先に紹介した、集合的無意識を含めた自身の心理学を展開するにいたりました。

 

こんなユングの半生を分析していた精神科医のエレンベルガーは、病の装いの下に創造的な過程が隠れていて、その病が治ってのち花開くために必要な期間だったとして、想像の病としました。

 

つまり、何か物事を成し遂げるような天才的な人には、このように心を病むという状態が必要で、その心の病む状態から回復してのち大きく羽ばたくことができるということをユングの研究から行きついたというわけです。

 

天才は想像の病を経験している!?

これは、他の天才的な過去の偉人にも当てはめて考えられており、例えば、作曲家として有名なベートーヴェンも病気で聴力を失ってからのちさらなる飛躍をしたり、詩人のゲーテもうつ病を患っていたといわれていたり、画家のゴッホも哲学者のニーチェも統合失調症を患っていたと言われています。

 

また、日本でも織田信長は現代で言えば何らかのパーソナリティ障害が考えられますし、坂本龍馬は発達障害の部類に入る特性があったのではと言われていたり、夏目漱石はうつ病や双極性障害があったのではないかと言われていたりします。

 

現代でも、世界的な歌手が実は双極性障害であったということがわかったり、有名な漫画家がうつ病であるということがわかったり、芸術家の中には統合失調症からくるインスピレーションを元に活躍されているという方もいらっしゃったりします。

 

この他にも多くの天才的と呼ばれる人の多くが、何らかの心の病を経験していた時期があると言われています。このように心の病というものがもたらす効能があり、その心の病事態がその後のその人の人生に大きなポジティブな影響を与えているというのが、想像の病と言われています。

 

今、心の病を抱えている人に

どの偉人や天才を取ってみても、心の病にある内というのは、今までのパフォーマンスを発揮できなくなり、絶望し、時には死を考えたという人も居るほどのことです。しかし、その偉人や天才たちがその心の病の状態を克服した後は、それよりも増して精力的に活動をしたり、研究をしたり、力を発揮していました。

 

自分はそんな偉人ではないし、天才ではないから意味がないとおっしゃる方もいますが、今の心の病の状態で休んでいる状態というのは、ジャンプでいうところの下にしゃがんでいる状態です。十分にしゃがまなくてはジャンプはできません。

 

今、何か心の病を抱えて苦しんでいる人に伝えたいこととしては、心の病はあなたの生活や環境をガラッと変えてしまったものかもしれないけど、それを克服したり、一緒に付き合っていけるようになった先には、間違いなく今まで以上に成長したあなたが待っているということです。

 

今はジャンプの前のしゃがみ込み、幅跳び前の助走だと思って、ゆっくりと休んでみたり、少し自分と向き合う時間をして使ってみようと思うだけでなんだか心が軽くなるかもしれません。想像の病という考え方から自分の心の病をそんな風に思ってもらえたら幸いです。

 

想像の病のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市東浦和にあるカウンセリングオフィスを営む、心の専門家である臨床心理士・公認心理師の筆者が、ユングの研究からエレンベルガーが提唱した、心の病はさらなる飛躍のための準備段階という想像の病という考え方をご紹介いたしました。

 

もしもあなたの周りで心の病になり落ち込んでいるそんな人がいたら是非、この想像の病の考え方をシェアしてもらえたらいいのではないでしょうか。

 

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、今の心の病の状態を専門家と一緒に少しでも軽くしたいという方は、当カウンセリングオフィスのカウンセリングではお申込みください。

 

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