今年の目標の立て方とその目標を達成するために大切なこと

 

皆さん、こんにちは。

 

皆さん、今年目標を何か立てました!?「今年は○○をやってみよう」「今年は○○を始めてみよう」「今年は○○を辞めてみよう」など何か目標を立てたという方も多いかもしれませんね。

 

目標には実は良い目標の立て方とあまりよくない目標の立て方というものがあります。今回は、カウンセリングでも行う良い目標の立て方のご紹介とその目標を達成するための大切なことをお話しておきたいと思います。

 

目標を達成するために大切なこと

 

目標の上手な立て方をご紹介する前に目標を達成を少しでも近づけるために、目標に関して行われたこんな実験をご紹介したいと思います。

ダイエットをするという目標を立ててそのダイエットが順調に進んでいる参加者に対して以下のような面接を行いました。

A群はダイエットをしていて理想の体重までどれほど近づいたかという進歩の状態を確認しました。B群はダイエットをしていてことに関して話を聞いただけで面接を終えました。

つまり、A群の人は自分がどれだけ目標まで近づけているかを確認して、B群の人にはそれを行いませんでした。

そして、A群とB群のどちらも面接への参加のお礼として、りんごかチョコレートバーをプレゼントするというものでした。

すると、目標に近づいていることを確認したA群では85パーセントがチョコレートバーを選び、B群では58パーセントがチョコレートバーを選びました。

 

この結果から言えることは、目標への達成の途中経過を確認してしまうと、ある程度人は満足してしまい、目標達成とは異なる行動をしてしまうというものでした。

 

実はこれはダイエット以外のことでも検証されています。勉強においても目標に達成していると途中経過を確認してしまった人は、その後遊んでしまったということが起きたと言われています。

 

つまり、皆さんが新年の目標を何か立てたとしたら、あまり途中経過を確認しすぎるとそれで満足してしまい、結果として目標達成ができなくなってしまうということです。この注意点を理解した上で、次から良いの目標の立て方についてみていきたいと思います。

 

良い目標の立て方!?

 

それでは続いて良い目標の立て方についてお話していきたいと思います。ご存じのない方もいるかもしれませんが、実はカウンセリングを行っていく上でも目標を立て行きます。

 

なぜカウンセリングでも目標を立てるのかというと、ただ話を聞くカウンセリングというのはどうしても長くなってしまいがちです。それを防ぐために、どのような状態になったらカウンセリングを終了するのかを明確にするために目標を立てていきます。

 

そんなカウンセリングでの目標を立てる際に良い目標の立て方とあまりよくない目標の立て方ということがあります。今回は、解決志向ブリーフセラピーというカウンセリンにおける目標の立て方をご紹介したいと思います。

 

①本人にとって重要であること

 

1つ目としては、作られる目標やゴールというのは、自分の親や友達、上司にとって重要である目標ではなく、あくまでも本人自身にとって重要である必要があるということです。

つまり、本人自身にとって必要としていないようなあまり重要ではない目標、誰かの気持ちや考えを意識した目標ではダメだということです。

 

例えば、職場や学校で孤立してしまっている人が、本人が望んで友達を作ろうというのは、本人にとって重要な目標になります。

 

しかし、職場や学校で孤立してしまっている人に、誰か第三者が孤立しているのは良くないからと進められて、本当は一人でもいいけど、友達を作るという目標を設定するのは間違っているということになります。

 

②達成可能な小さなゴール

 

2つ目としては、皆さん何か目標を持ちましょうとすると、どうしても大きな目標になりがちになってしまいます。

例えば、何か困ったことがあると、そのことが完全になくなるような状態を目標にしたり、不登校のお子さんが、毎日登校することをも目標にしたり、うつ病で休職中の人が、自分の会社を立ち上げることを目標にしたりとなりがちです。

 

このように何か目標を立てようとすると、人はどうしても大きなも目標を立ててしまう傾向にあるのです。

 

しかし、大きな目標を立ててしまうと、それを達成するのはとても難しくなり、達成できずに自信をうしなってしまったりという可能性があります。

 

したがって、カウンセリングにおいて目標を立てる際は、なるべく小さな、達成可能な目標を立てることが望ましいとされています。

 

③具体的で特定の行動レベルであること

 

3つ目としては、目標は見えるような具体的なもので、どのようなものであるかという特定の行動レベルであるということです。

漠然とした目標というのは、どうしても達成するものが明確ではないために行動に起こせないという事態が生じてしまいます。

 

例えば、朝早く起きるという目標ではなく、朝何時に起きて、顔を洗って、朝食を食べるというような目標を立てるということです。

 

例えば、学校(会社)に登校するという目標ではなく、何時に家を出て、どこまで行くという目標を立てるということです。

 

例えば、夫婦関係ケンカをなくすという目標ではなく、何時に夕飯を一緒に食べて、何の話をするという目標を立てるということです。

 

例えば、起業をするという目標ではなく、何月何日に資金を集めて、何日に挨拶をしに行って、何日に役所に書類を提出してという目標を立てるということです。

 

このように何月何日の何時にどのような行動を取るということを具体的な目標を立てるということが重要ということです。

 

④問題の不在ではなく、何か他のことの存在として述べられること

 

4つ目としては、何か問題があるときに、その問題がないときではなく、何か別のことする状態や何か他のことの存在として目標を立てるということです。

例えば、何か病気があるときに、その病気がないことを目標に立てることではなく、病気はあるけれど新しくフラダンスをはじめてみるという目標を立てる。

 

例えば、万引き行動がある子に、万引きがないという目標を立てるということではなく、例えば別のお金の管理が自分でできるようになるという目標を立てる。

 

例えば、親子喧嘩が毎日絶えない家族が、親子喧嘩がないという目標を立てるということではなく、父と子で一緒にテレビを見るという目標を立てる。

 

というように目標を立てるときは、何かがないという不在の状態ではなく、何かをするという目標を立てるのです。

 

何かないという目標は、達成することができない、もしくはすぐにはできない可能性が高いものが多いのです。

 

そうではなく、何かをする、何かがあるという状態を目標であれば実際に達成することができるために大切であるということです。

 

⑤問題の終わりではなく、何か他のことの始まりとして述べられること

 

5つ目としては、④とほとんど同じようなことですが、目標の立て方としては、何かの終わりではなく、何かの始まりであることの方がいいということです。

例えば、うつ病などないか病気がある人が、うつ病の終わりを目標にするのではなく、新しく本を読み始めてみるという目標を立てる。

 

例えば、お酒を飲みすぎてしまう人が、お酒を飲むのをやめるという目標ではなく、ノンアルコールを飲み始めてみるという目標を立てる。

 

例えば、夫婦でケンカをしてしまう人が、夫婦ケンカを終わりにするという目標ではなく、一緒に社交ダンスを始めてみるという目標を立てるのです。

 

このように、何か問題が終わったことを目標に立てると、その状態は永遠に訪れないかもしれません。

 

しかし、何かを始めるという目標であれば、それはすぐにでも始めることができる形の目標なので、達成することができるのです。

 

⑥クライエントの生活の状況からして、現実的で達成可能なこと

 

6つ目としては、人はどうしても目標を立てるというと、現実離れしたものを立てがちであるという特徴があります。

例えば、会社に行くのが嫌だという人が、一部上場企業を立ち上げようとという目標を立てるのではなく、まずは起業の勉強を始めてみるという目標を立てる。

 

例えば、学校に行くのがいやだという人が、不登校ユーチューバーとして稼ぐという目標を立てるのではなく、まずはユーチューブの動画を一つ上げるという目標を立てる。

 

例えば、友達関係が少ないという人が、友達を100人作るという目標を立てるのではなく、まずは一人から友達を作るという目標を立てる。

 

というように、目標を立てましょうというと、どうしても壮大なすぐには達成できない目標を立てがちだったりします。

 

しかし、そのような目標ではなく、現実的に達成可能なことを目標にした方が、実際に達成できて、挫折せずに成功体験を積み重ねて行けるというわけです。

 

⑦「熱心な努力」を要するとみなされること

 

7つ目としては、目標を達成する際は、直ぐにできすぎるものではなく、ある程度努力が必要なものの方がよいということです。

例えば、朝方になって、勉強をしたい人が、朝起きる時間を5分早く起きるという目標ではなく、朝方になって朝食をしっかり食べるために1時間早く起きるという目標を立てる。

 

例えば、ゲーム好きだけど時間を減らしたい人が、ゲームをする時間を5分短くするという目標ではなく、ゲームを一日やめてみるという目標を立てる。

 

例えば、友達を増やしたいという人が、友達になりたい人にあったら会釈をするという目標ではなく、毎日、少し会話を話してみるという目標を立てる。

 

このように目標を立てる際は、すぐにできそうなことではなく、だからといって壮大な目標でもない、丁度良い目標を設定していくことが大切であるということです。

 

⑧他者との関係の中で作られること

 

8つ目としては、一人で完結されるような目標ではなく、他者との関係の中で作られる目標の方がよいということです。

例えば、朝起きられない人が、朝は早く起きるという目標を立てるのではなく、朝何時に起きて同居人に挨拶をするという目標を立てる。

 

例えば、引きこもり状態の人が、一人で外に出るという目標ではなく、誰かと一緒に外に出るという目標を立てる。

 

例えば、どうしてもケンカをしてしまうという人達が、一方の人だけがケンカをしないという目標を立てるのではなく、双方ともケンカをしないという目標を立てる。

 

このように、何か目標を立てる際は、誰かとの関係性の中で目標を立てるということです。

 

確かに一人で目標を完結してしまってもいいのですが、誰かと目標を共有しておくと、審査があまくならない上に、一緒に進めていけるというメリットがあるのです。

 

今年の目標の立て方と目標を達成するために大切なことまとめ

 

今回は、心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者がカウンセリングにおける良い目標の立て方から新年の良い目標の立て方の8つのポイントと、その目標を達成するために途中経過を確認しすぎない方がよいという研究も一緒にご紹介いたしました。

 

今回の目標の立て方を参考に是非素敵な目標を立ててみてください。また、目標へ向けて邁進する際は目標を達成するまでは途中経過の確認はあまりしない方がいいでしょう。

 

今回のまとめに関する疑問や感想はコメント欄までお願いします。また、当相談室のカウンセリングをご希望の方は、お申込みページまでお進みください。

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