臨床心理士が教える代表的なカウンセリングの技法一覧!?
皆さん、こんにちは。
今回は、埼玉県さいたま市緑区のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う、心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者が、実際に行われることの多い、カウンセリングの技法をまとめご紹介していきたいと思います。
実際にカウンセリングに通われている方やこれかカウンセリングに通ってみたいと思っている方に、どんな方法があるのかというのが参考になればと思います。
カウンセリングの技法の一覧!?
実はカウンセリングの方法である技法は様々あります。細かいものも含めるとその種類は数百とも数千とも言われています。日本で考えても臨床心理士というカウンセラー資格取得者が、37,249人、公認心理師というカウンセラーの国家資格合格者が、35,740人となっており、これ以外にも民間の資格等も様々ある。これだけ多くのカウンセラーが居るのでそれだけ多くのカウンセリングの方法があるということになります。
カウンセリングの方法としては、それだけ数多くありますが、今回は比較的ポピュラーなものを皆さんにご紹介していきたいと思います。
精神分析的心理療法
一番歴史のある心理療法と言っても過言ではないでしょう。心理学者のフロイトから始まる心理療法の方法で、抑圧された無意識を解釈していくことや症状の原因を追求していくことで、治療を行っていくという方法です。
例えば、毎週カウンセリングに来ていたある人が、ある回だけ遅刻をしたり、欠席をしてしまったということがあると、カウンセラーはもしかすると話したくないことがあったから遅刻や欠席をしたのではないかと、その遅刻や欠席などというついとってしまった行動から一緒に考えていったりします。また、例えば、いろいろ会話をしていく中で自分の父親の話だけをしないというようなことが見られたら、カウンセラーはその部分に着目して話を進めて行ったりします。
このように思わずやってしまったことや、無意識的に遠ざけてしまっているところからカウンセリングを勧めていくというのが精神分析的心理療法になります。
行動療法
学習理療に基づいて行われる心理療法の一つで、主に行動面をターゲットに行われるものをいます。見えない心というのは基本的には取り扱わずに、目に見える行動に関して取り扱おうという心理療法になります。
例えば、学校に行けない子に対して、簡単なものから行動目標を立てていき、その行動が達成出来たらご褒美をもらい、その行動が達成できなかったら何か罰になるようなものをもらうというように行っていきます。罰というと聞こえが悪いですが、具体的にはテレビを見れなくしたり、ゲームができなくなってしまったり、家事をやらなくてはダメなどが罰にあたります。
このように行動とそれに対する結果へのご褒美もしくは罰を与えるというのが特徴で、ただし、その目標の設定や罰の設定は十分に話し合った上で行っていくものです。これが行動療法になります。
来談者中心療法(クライアント中心療法)
カール・ロジャースというカウンセラーによって提唱された心理療法です。行動療法であまりに行動面に特化しすぎたところから、カウンセラーは指示を出さずに耳を傾けるべきだというのが、この心理療法になります。
例えば、辛い経験をしたという人の話にただ耳を傾けてうなずきながら共感的に聞いていき、クライアントの持っている力を信じて、クライアントの持っている力を応援していきます。あまりに重い心の病だとなかなか自分の力でというのは難しいものもあるかもしれませんが、多くの場合はクライエントの力を引き出して治療していくことができます。
一般的なカウンセラーのイメージに近いのはこの来談者中心療法というものかもしれません。相手の話にただ耳を傾けてくれるという経験は、普段の生活ではなかなか味わることの少ないものかもしれません。これが来談者中心療法になります。
家族療法
家族療法とは、家族とそのシステムを対象にした心理療法になります。家族という切っても切り離せない関係を一緒に変えていってしまおうというのが、この心理療法になります。
例えば、息子の引きこもりに悩む両親との心理療法において、息子の引きこもりに苛立つ両親、苛立つ両親から逃げるように自室にこもる息子、引きこもりより苛立つ両親のように家族内で行われる繰り返されるシステムに注目して、両親に苛立たないようにしてもらったりというようにシステムを変えていきます。
家族療法という名前がついていますが、必ずしても家族だけではなく、人間関係の繰り返される悪いシステム(悪循環)を変えていくというのが家族療法になります。
認知行動療法
適切な認知や行動を身に付けていくことで、ストレスと上手に付き合うための方法を身に付けることで、心の健康を取りも出したり、維持するための心理療法です。
例えば、うつ病の症状でどうしても自分をネガティブに捉えて、委縮した行動を取ってしまう人に対して、ネガティブに感じてしまう認知を改めて、委縮しないような適切行動を会得していくというを会話を使ったり、時にはプリントのようなもので思考を整理していく方法です。
その名の通り、認知と行動を修正していく方法で、うつ病を始めとして様々な心の病に効果があると言われており、日本では保険点数でのカウンセリングができる方法です。これが認知行動療法です。
ブリーフセラピー(短期療法)
カウンセリングというとどうしても長い時間がかかってしまっていたということから、なるべく短く短期間に解決に重点をおいて行おうという心理療法です。
例えば、慢性疼痛に悩むクライエントに対して、慢性疼痛自体をなくすことはできないが、慢性疼痛の痛みがなるべく気にならない時や少なくなる時である例外から、慢性疼痛に悩まなくなる生活ができるように考えていくというように勧めていきます。
ブリーフセラピーという馴染みのない名前かもしれませんが、比較的最近登場した方法で、今までの心理療法にはなかった解決や未来という部分に注目していくという特徴があるのが、ブリーフセラピーです。
カウンセリングの技法一覧のまとめ
今回は、様々あるカウンセリングの技法の中から比較的ポピュラーなものを皆さんにご紹介させて頂きました。
・精神分析的心理療法
・行動療法
・来談者中心療法
・家族療法
・認知行動療法
・ブリーフセラピー
これらのまとめで自分が受けてみたい心理療法というのがあったでしょうか。今回ご紹介した心理療法以外にも先にも紹介しましたが、かなり多くのものがあります。また、心理療法の枠にとらわれない統合的心理療法というのもあったりします。
実はある研究では、どの心理療法を受けても基本的には治療成績は大きくは変わらないと言われています。変わるのは、その心理療法をカウンセラーがどの程度熟達しているかというのが関係していると言われています。
つまり、皆さんがカウンセリングを受けたいという場合は、なるべくその心理療法を専門で行えるカウンセラーを探した方が、治療に近道ということです。
当相談室では、主に家族療法、認知行動療法、ブリーフセラピー、今回ご紹介しませんでしたがトラウマケアを中心に行っていますので、もしもそれ以外の療法をご希望でしたら、当相談室以外の方がいいかもしれません。