境界性パーソナリティー障害とは|症状・原因・治療

 

皆さん、こんにちは。

 

今回はいわゆるメンヘラちゃんと呼ばれることのある境界性パーソナリティー障害というパーソナリティー障害について、埼玉県さいたま市緑区東浦和でカウンセリング行う心の専門家である臨床心理士・公認心理師である筆者がご紹介致します。

 

世間でメンヘラちゃんと呼ばれたり、メンヘラと呼ばれることのあるのは、実は心の病の可能性があります。あなたの周りにいる困ったメンヘラちゃんや、自分自身のメンヘラな性格をどうにかしたいという方、境界性パーソナリティー障害の症状や原因、治療法について知りたいという方は是非最後までご覧下さい。

 

そもそもパーソナリティー障害とは!?

 

まず始めに境界性パーソナリティー障害が含まれる、パーソナリティー障害とはどのようなものなのかについて皆さんにご紹介していきたいと思います。

パーソナリティー障害とは、一般的な成人に比べて極端な考えや行為を行っていたりして、結果として社会への適応を著しく困難にしていたり、精神病理的な症状によって本人が苦しんでいるような、人格状態に陥っていることを言います。

 

つまり、一般の人とは違った異常性をもっているために、自らが悩んでいるか周りの人が悩んでいる状態と言います。

 

パーソナリティを一般に個性としてとらえることが多いと思いますが、その個性の範疇におさまりきらないようなものがパーソナリティ障害で、障害であるために治療によって徐々に改善することが期待できる精神疾患であると言われています。

 

アメリカの研究では、人口のおおよそ15%の人がパーソナリティ障害であるとの報告もされており、実は身近な心の病だったりします。

 

しかし、その多くは治療につながらずに、世間から変わった人と見られたり、本人が自分は変だと傷ついて終わっている場合も少なくありません。

 

パーソナリティ障害からうつ病や不安障害など別の心の病を引き起こして、医療機関や相談機関を受診するということが多いのも特徴として挙げられます。

 

境界性パーソナリティー障害とは!?

 

次に境界性パーソナリティー障害について見ていきたいと思います。BPD(borderline-personality-disorder)と正式には言われています。

パーソナリティ障害の中では最も多く見られて、気分の波が激しく感情がとても不安定で、物事の善悪を極端に判定したり、強いイライラが抑えられなくなったりするパーソナリティ障害です。以下のような症状が特徴として挙げられています。

①見捨てられることを避けるためにすごい努力をする

②相手を理想化(自分にとって最高の人)と脱価値化(自分にとって必要のない人)と揺れ動く安定しない対人関係

③不安定な自己像や自己観を持っている

④自己を傷つける可能性のある衝動性(浪費、性行為、物質乱用、無茶食い)がある

⑤自殺の行為、そぶり、脅し、自傷行為(リストカット)の繰り返し

⑥気分の変調や感情の不安定性が見られる

⑦消えたいなど空虚な想像をする

⑧不適切で激しい怒りを持つ

⑨ストレスによる妄想や解離症状がある

 

人口の0.7-2.0%程度に存在すると言われており、以前は女性の方が多いと言われていましたが、近年では男女差はないとされています。つまり、メンヘラ女子もメンヘラ男子も、100人に1-2人程度の割合でいるということです。

 

女性のメンヘラさんの方が多いイメージなのは、女性のメンヘラさんは比較的に世間に受け入れやすかったりするということや、男性のメンヘラさんの場合は境界性パーソナリティー障害以外のパーソナリティー障害名が付けられる場合が多いためと言われている。

 

出現率の高い年齢は19-43歳の間とされており、二十代頃に見られるのが一番多いとされている。また、あくまでも私見であるが、容姿が整っているいわゆる美人やイケメンの類の人が多く、そこにはメンヘラな性格に付き合ってしまう他者がいるため、よりその症状が大きくなるという部分もあるように思います。

 

境界性パーソナリティー障害の症状や行動!?

 

それでは境界性パーソナリティー障害の実際の症状について見ていきたいと思います。どのような症状や行動を取ってしまうのかということを見ていきたいと思います。

 

①対人操作

境界性パーソナリティーの人は、相手を自分の好きなように操ろうとする対人操作ということを行います。相手が自分の思うように動いてもらうために、付き合っていたら浮気をしたり、自殺をほのめかしたり、リストカットして心配してもらおう、自分の思うように動いてもらおうとします。

 

そこには、自分の持つ寂しさや孤独感などの感情を埋め合わせたいという心理が隠されていたりします。相手を自分の思うように操作するためには手段を選ばないという人も多く、筆者が見聞きしたものでは、相手に振り向いて欲しいがために鉄塔に上ったという人も聞いたことがあります。

 

②スプリッティング

境界性パーソナリティーの人の中には、良い自分と悪い自分というように2つの自分がしばしばいると言われています。このように極端な思考を持つというのが特徴としてあったりします。

 

これは対人関係においても同様で、自分の気に入っている相手にはべったりとする反面、自分の嫌っている相手にはとことん嫌うといったような特徴があります。また、その良いと悪いというのもちょっとしたことで、変わってしまうというのも特徴としてあります。

 

例えば、Aさんのことを好きでAさんのためになら何でもすると言っていたと思ったら、Aさんよりも自分を構ってくれるBさんを見つけるとBさんは大好きになり、Aさんのことは急に嫌いになってしまったりします。このように好き嫌いを二分する(スプリッティング)するために安定した人間関係を築くことが難しいとされています。

 

③行動化

言葉の代理になって行動してしまうことを行動化と言います。かつての満たされなかった体験や心的外傷、満たされなかった衝動が言葉で表現されずに行動となって表れます

 

具体的な行動化としては、リストカットや自殺、浪費、性行為、物質乱用として現れるといわれています。このような行動化には、「自分は孤独で、誰も来てくれない。」という思いと、「でも、きっと誰か来てくれる。誰か助けて。」という相反する思いが隠されている場合があります。また、自分を罰する為に行っているという人もいたりします。

 

④抑うつ

先に紹介したような症状が様々見られるために、抑うつの症状がみられます。抑うつに支配されて、無力感、空虚感、孤独感、自暴自棄の感情、あるいは嫉妬と羨望の渦の中に投げ込まれてしまいます

 

この境界性パーソナリティー障害という心の病は、見てきたように感情がコロコロと変わっていくものです。一緒にいる周りの人はそれに振り回されてとても疲れることになりますし、当然、そんな当人もころころ変わる自分の感情から抑うつ気分を覚えていったりするのです。

 

抑うつ気分をどうにかしたいとまわりを巻き込んでいく場合も多々あるために、治療においては、この抑うつ気分に耐えていくところから始めていったりする場合もあります。

 

境界性パーソナリティー障害の原因

 

実は境界性パーソナリティー障害になるはっきりとした原因というものはわかっていません。ただ、研究によると子供時代に被虐体験、十分に養育をされていないネグレクト、いじめ体験、など辛い体験をしていたことなど環境的な要因によりリスクが増すというものや、家族内にパーソナリティー障害、アルコール依存症など心の病の人がいたりするという遺伝的な要因もあるといわれています。

 

また、これは個人的な見解ですが、ある程度容姿の良さや周りが放っておけないような人間的な魅力がある人にこの境界性パーソナリティー障害の方は多い印象にあります。素養を持っていて、なおかつ深刻化するには振り回せる他者の存在が居てこそのものだと考えられるからです。

 

境界性パーソナリティー障害の治療!?

 

一般的に境界性パーソナリティー障害の治療は難しいと言われています。それには、境界性パーソナリティー障害の人が、継続的な安定した人間関係を築くのが難しいというところにあります。

病院やカウンセリング施設に継続して通うことが難しいために、結果として治療が終わらずにドロップアウトしてしまうということが多々起きてくるのです。ある時は治療者のことを大好きと言っていた境界性パーソナリティー障害の人が、次の瞬間には大っ嫌いとなって二度と治療に現れることがないということもざらだったりします。

 

そのために、境界性パーソナリティー障害の人とは、治療の初期に受容的で暖かな人間関係づくりを目指していくことが第一でとても大切なことになっていきます。以下で代表的な治療方法に関して簡単にまとめおきたいと思います。

 

①薬物療法

 

薬によってきれいさっぱり症状がなくなるということはありません。パーソナリティ障害の結果出る不安や抑うつの症状に対して処方されることがほとんどで、薬物療法はほぼ無効かであると言われています。

 

②弁証法的行動療法

 

自分でうまく制御できない、激しくつらい感情を抱えて苦悩する人々を援助するために開発された行動療法を元にする心理療法です。

 

③メンタライゼーション療法

 

自分を含めてすべての人々の行動が思考、感情、欲求と言った心理学的過程に基づくものであることを確認して、それを理解することが治療になるというもの。

 

④マインドフルネス

 

感情や判断にとらわれることなく、事象をありのままに見て、それをそのまま捉えて、身体感覚を重視する瞑想によるもの。

 

これ以外にも様々な方法で境界性パーソナリティ障害を治療を行っていきますが、その人の心の病の程度やタイプによって様々な方法を組み合わせて治療していきます。

 

境界性パーソナリティー障害の症状・原因・治療のまとめ

 

今回は、埼玉県さいたま市のJR武蔵野線東浦和駅徒歩1分でカウンセリングを行う臨床、世間ではメンヘラと呼ばれてもてはやされることの多い心の病である境界性パーソナリティー障害について、皆さんにご紹介させて頂きました。

 

今回のまとめで、境界性パーソナリティー障害について理解していただけたなら幸いです。あなたの周りにいるいわゆるメンヘラと呼ばれる人がすべてこの境界性パーソナリティー障害という訳ではないでしょう。

 

しかし、中には今回紹介した境界性パーソナリティー障害の人もまじっていると思います。あなたの周りにいるメンヘラちゃんやメンヘラくんへの対応に困ったという方は是非当カウンセリングオフィスのカウンセリングに相談してみて下さい。お待ちしています。

 

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