アドラー心理学的相手をダメにする4つのパターン
皆さん、こんにちは。
本日はアドラー心理学に関するお話を皆さんに埼玉県さいたま市でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、ご紹介できたらと思います。数年前から嫌われる勇気という本からはじまり一般に広まりつつあるアドラー心理学から、今回は勇気くじきというお話をしたいと思います。
この勇気くじきというのが起こると、それをされた人はやる気をなくしたり、時にはうつ病や適応障害などの何らかの心の病になってしまうと言われています。
そんな相手をダメにしてしまうかもしれない勇気くじきの4つのパターンをご紹介しますので、もしもそういう人があなたの周りに居たら近づかないように注意したり、あなた自身もそうならないように注意してみて下さい。
アドラー心理学でいう勇気とは!?
まず始めにアドラー心理学で重要とされる勇気というものを解説しておきたいと思います。アドラー心理学は別名を勇気の心理学と呼ばれるくらいにこの勇気という言葉を多用します。
アドラー心理学でいう勇気とは、アンパンマンが掲げる“恐れに立ち向かうという勇気”とはちょっと違います。アドラーは「人間関係上の困難を克服する力・実際に立ち向かっている力」のことを勇気と呼びました。
また、「困難を乗り越えるための活力を誰かに与えること」を勇気づけと呼びます。それとは逆に、「困難を乗り越える力相手から奪うこと」を勇気くじきと呼びます。
この勇気くじきを行う人というのは、実は多く、もしかするとあなたもやってしまい、誰かの力を奪っているかもしれないものなのです。
そして、先ほども言いましたが、この勇気くじきを何度も受けた人は、自身を失ってしまい、時にはうつ病や適応障害などの心の病気にもつながってしまいます。
そうならないために、是非、注意したいコミュニケーションのパターンが勇気をくじくパターンについて皆さんにお話していきたいと思います。
勇気をくじく4つのパターン
それでは、相手のやる気や活力を奪い相手をダメにする4つのコミュニケーションパターンについて見ていきたいと思います。皆さんも自分がやっていないか、もしくは自分も受けていないかと気にしながら読み進めて下さい。
①上下の関係を必要に強要する
上司が部下を、親が子供を、先輩が後輩を、など上下関係を元に、立場が上の人から下の人に言われた言葉は勇気をくじく場合が多いと言われています。
例えば、「これができなかったら首だ」「これをやらなかったらご飯抜き」など言われた方は立場的に反論もできずに勇気を失うと言われています。
このように上の人が下の人へ投げかける言葉というのは、相手の勇気をくじいてしまいます。このようにならないためには、上下を意識した縦の言葉ではなく、対等な横の言葉を意識するといいと言われています。
例えば、「これができるにはどうしたらいいか一緒に考えようか」「ご飯までにこれをやるにはどうしたらいいかな」など横の言葉をかけられると良いでしょう。
②マイナス思考をする
誤解や十分に理解していないのに、マイナスの決めつけや思い込みによる発言は、相手の勇気をくじく言葉とされています。
例えば、「またうまくいかないよ」「きっとやっても無理だよ」など言われた方は、チャレンジする気持ちを失ってしまう場合が多いのです。
このようにマイナスの決めつけをされて自信を失って本当にダメになってしまったという人もいるかもしれません。このようにならないためには、思い込みによる言葉掛けではなく、十分に話をきけると良いでしょう。
③人格を否定する
相手の人間性や人格を否定するような言葉もやはり、相手の勇気をくじく言葉であるとされています。
「お前は全然だめだ」「きみのそういうところは0点だ」など言われた方は、何も認められていないと思い、やる気がそがれてしまいます。
もしかするとこのような怒られ方をされたという人もいるかもしれません。このようにならないためには、怒るのではなく叱るというのが大切です。自分の憂さ晴らしでやるのが怒るで、相手のためを思って行うのは叱るということだと言われています。
④原因思考をする
過去の失敗した原因を必要以上に探ろうとしたり、突き止めようとすることは、相手の勇気をくじく行動であるとされています。
「おまえのあの時のせいで失敗した」「きみがあそこであれをしなかったからだ」などの「~のせいで」「~したから」と言った言葉は過去を振り返り相手を責めるものです。
確かに失敗の原因を必要以上に探られるととても嫌な気持ちなることがあります。このようにならないためには、原因思考から未来志向で今後どのようにしていけばよいかということを考えていくことが大切だと言われています。
アドラー心理学的相手をダメにする4つのパターンのまとめ
今回は、埼玉県さいたま市緑区東浦和でカウンセリングを行う臨床心理士・公認心理師の筆者が、アドラー心理学の考え方から相手をダメにするかもしれない勇気をくじく4つのコミュニケーションパターンについてご紹介いたしました。
今回、紹介したような形のコミュニケーションで相手の勇気を奪いダメにする人が、あなたの身近に思い当たる人がいたのではないでしょうか。
もしもそういう人がいたのであれば、なるばく距離を取ることが大切です。ただ、あまり距離を取れない関係というのであれば、あなたがその言葉をあまり真に受け過ぎないなど工夫が必要でしょう。
また、あなた自身が4つのパターンをよく使っていたなという人はなるべく使わないようにこころがけ、もしも使いそうになった時は、途中でも紹介しましたが、「これからどうする?」など未来志向の相手を勇気づけコミュニケーションパターンに変えられると良いでしょう。
過度は勇気くじきで心の健康を損なってしまっている、相手の勇気くじきばっかりになってどうすることもできないという方は、専門家に相談してみるのも良いかもしれませんね。
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